お尋ね3つ。特に、ホクナリン、組体操

  • 2017.09.21 Thursday
  • 14:05

 遅くなってしまって、またしてもごめんなさい。

 

1)まずは、たまるん先生から。

(お尋ね)

 昨日の資料3ページのスライド「寝た子を起こすではない。寝ていない保護者はたくさんいる」という文は、どのような意味でしょうか。すでにお話頂いていたら二度手間にしてしまい申し訳ありません。

(お答え)

 お尋ね、ありがとうございます! 「寝た子を起こすな」は、ご存じの通り、「気がついていない(であろう)人に、わざわざ気がつかせる必要はない」という意味で、知らないでいいことは知らなくていいという、きわめて東アジア的な態度です。

 しかしながら、今の保護者の中には、保育施設のリスクについてわかっている人もたくさんいます。かといって、わざわざ「これは危ないのでは?」「どうやって対応しているんですか?」と聞く人も少ないでしょう(そう訊くこと自体、「クレーマー」扱いする園がありますから)。

 じゃあ、保育園側は言わなくていいか。ダメです。だから、「寝た子(親)を起こすな」ではなく、「起きている(けど何も言わない)親に向けて、しっかりリスク・コミュニケーションをしましょう」という意味です。このあたりのリスク・コミュニケーションについては、こちらのページの特にB-1、最初の「概要」をお読みください。

 

2)スナフキン先生からです。ホクナリン・テープについて。

(お尋ね)

 保育所に勤めています。先日、保護者の方に、投薬は医療行為なので断られるのはわかるけど、ホクナリンテープは親が貼るのに、なぜダメなのか?と言われました。薬、ホクナリンは無くす方向でお断りしている状況なので、どのような対応策があるでしょうか。

 

(掛札の答え。皆さん、ご意見をお願いします!)

 お医者さんも、「誤飲したら責任とれないからじゃないか」とおっしゃっているわけですよね。その親御さんのかかりつけ医なのか、園医なのかにもよりますが…。ということは、このリンク先のB-1の中、「シールやパッチを体につけてきた時」の所からリンクを貼ってある手紙を貼って、ご説明してはいかがでしょう。

 それでも貼るという保護者はいるでしょうし、医者によっては「保育園でも、貼っておいていいだろう」という人もいるでしょう。そうなったら、それはそれでしかたありません。医者が「やれ」と言っていることを保育園がダメということはできない…(?)でしょうから。園に言わずに貼ってくる人もいると思います。

 ですから、この手紙を貼って、渡して、「なにかあったらあなたの責任ですよ」と伝えておく。そして、責任の所在を明らかにするため、必ずテープには名前と日付を書いてもらうということです(ホクナリンテープはけっこう園内に落ちています)。もし、名前のついていないテープが落ちているのがみつかったら、全保護者に向けて、再び報告、呼びかけ!です。

 

3)そして、はなまる先生から…。これは…、うーん、うーん。

(お尋ね)

 ご相談ですが、今年も運動会で年長(14名)が組み体操をします。本番に向けてもう特訓中ですが、練習を見ていると1段目の子どもからグラグラしていて、危険を感じてしまいます。スポーツ庁では「安全が確保できない場合は中止にすべき」と言っています。大人の手は入りますが、未就園児に4段はとても危険な事にしか見えないのです。
 職員にいくら話しても、「子どもにやらせたいから」「親が期待しているから」「体操教室の成果を見せないといけないから」で、危険を認識してもらえません。スポーツ振興センターでは小学校以上の事故内容しかわからないので、どれだけ保育園で組み体操の事故があるかは分かりません。どのように伝えたら、組み体操を中止若しくは縮小してもらえるのか、悩んでしまいます。一体、誰のための運動会なのでしょう。

 

(掛札の答え。皆さん、ご意見をお願いします!)

 先生方の言うことはある意味、ごもっとも、です。園が「組体操をやめる」と言っても、保護者が「やめないで」と言うケースは多々あります。

 唯一、私がお伝えしている(お伝えできる)のは、「万が一、深刻な事故が起きた時に、『あれだけ報道されていたのに、まだ組体操をしていたの?』と言われる、そのリスクを背負う覚悟があるのなら…」という点です。それこそ、上の「寝た子を起こす」ではありませんが、たとえば5年前なら、何か起きてもさほどのニュースにもならなかったのかもしれません。けれども、今は違います。明らかに糾弾されます。社会的責任も問われるかもしれません。その時、「保護者の人たちも、やりたいと言ったから」と言っても、保護者の中には心配していた人がいるでしょうし、そういった人たちは「私たちは心配してたのに」と言うはずです(マスコミなどに)。

 保護者の方たち全員に、「組体操をこれまで通り、続けてもいいですか?」というアンケートをとってはいかがでしょう? そのためのアンケートもここ(「組体操・アンケート」)に作ってはありますが、ただ「続けてもいいですか?」でもかまいません。一人でも「やめるべき」「やめたほうがいい」という人がいたら、やめるか、そのお子さんは組体操に入れない。そうしないと、何か起きた時の代償は非常に大きくなってしまいます。

 今年、組体操をなさっても(たぶん)何も起こらないでしょうし、「だから、はなまる先生が心配性なんだよ」「大丈夫って言ったじゃない」と言われるだけです。そして、先生の園ではこれから先、何十年も何も起きないかもしれない。でも、逆に今年、先生の園で死亡事故が起きるかもしれない。あるいは、「やっぱり大丈夫だったよね」と思って続けた、来年。

 私個人は、「高さを伴う競技」という点では、保護者が乳児を抱えて走ったりするものも恐怖なのですが、組体操は「高さ」だけではありません。「上から下を押しつぶす」という要素も加わります。つまり、つぶされた本人の被害だけではなく、つぶした子どもたちの心の傷も考える必要があります。

 先生たちも、組体操の報道についてはご存じだと思います。「これだけ報道されている」という点のリスクを考えていただきたいのですが、いかがでしょうか…。

 

ご参考までに、2016年3月25日の新聞記事の要約を載せておきます。

〔組体操で死亡9人〕 スポーツ庁は3月25日、組体操について国として初めての指針を公表した。学習指導要領に定められた項目ではないため、「確実に安全が確保できると判断した時以外は見合わせる」といった内容で、危険な種目の禁止や高さ制限などは盛りこんでいない。
 指針を定めるにあたり、日本スポーツ振興センターが組体操事故に関連して災害共済給付を支給した事例を分析した。2014年に医療費を給付した8592件中、立ち上がった状態で組む「タワー」が1241件(14%)、手と膝をついた状態で組むピラミッドが1133(13%)と上位を占めていた。6289件を小学校が占め、中学校が1885件。また、2095件が骨折。負傷部位は、頭と首を合わせた割合が、肩車で27.8%、タワー25.6%、倒立13.2%、ピラミッド10.9%と、いずれも学校における運動事故全体の平均5.5%より高い。また、1969年以降、組体操の事故で9人(小学校3件、中学校5件、高校1件)が死亡していたこともわかった。障害が残った事故は92件で、タワーが29件と最も多く、ピラミッド14件、肩車11件、倒立6件等だった(各紙、3月25日)。

〔掛札コメント〕 私が一番びっくりしたのは、わざわざ調べるまで過去の死亡の数がわからなかった、という点です。「確実に安全が確保できると判断」の部分は、単なる責任逃れですね。ケガが起きたら、「判断を間違った施設の責任」と言えばすむのですから。これは今さら驚くことではありません。高さを伴っているので頭と首のケガは当然増えますが、それだけでなく、複数の人間で組むため、全体が崩れると落下だけでなく圧迫も起きます。転落死だけでなく、圧死も起こるということです。

遅くなってごめんなさい

  • 2017.09.11 Monday
  • 17:28

くうママさん、

 

ごめんなさい。私がちょっと体調斜め(崩れる手前)だったので、遅くなってしまいました。投稿、消しました。

 

なにはともあれ、皆さま、これから体調不良がどんどん出る時期です。「コミュニケーションに関するトピックス」に載せたひな型、どうぞお使いくださいませ。

 

かけふだ

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM