1)看護師の方から何人もお尋ねをいただきました。保育の先生方、栄養士/調理師さんとの安全に関する考え方、予防意識、行動のギャップ、コロナをめぐる運営側とのギャップ(予防に不必要なことまで「しろ」と言われる)を、皆さん、おっしゃっています。「不満ばかりなら辞めればいい」と言われた方もいらっしゃいます。
この質問ブログにも何回も書いていますし、Facebookページにすら書いたことがあると思いますが、看護師さんで「この職場は無理」とお思いになるなら、お辞めください。転職する先はいくらでもあります。就職する時に、「この園の、安全や健康に関する考え方は?」「看護師の意見を聞く風土はあるか?」と聞けばいいのです。はっきり言って、皆さんの専門性がもったいないです。もちろん、自治体/法人/企業に看護師が複数いて、その間で連携がとれるなら変えようがあるかもしれませんが。病院だって、たった一人の行動で変えることはできないですよね。園はもっと無理です。
看護師が「一人職場」の中で、それでも発言しているのに、それを軽んじる園は、当然、深刻事象が起こるリスクも上がります。なのに、何か起きれば、「ナース!」「看護師!」と呼ばれるのです(どうして「〇〇先生」と呼ばないの?といつも思います)。そして、責任も…。
特に今は、コロナというクライシス(危機)時です。組織の本質は、こういうクライシス下ではっきりします。要するに、ボロが出るわけです。危機時に我を失うような対応をする運営者(組織)は、どうにもなりません。コロナのクライシスを乗り切れるかどうかもわかりません。少なくとも、「いつでも辞めてやるっ」ぐらいな気持ちで働いてください。「辞めてもいいのに、どうして辞めないのか」、そこはご自身の心に聞いてみてくださいね。「子どもたちを守りたい」「わかっている先生たちを守りたい」…、それはわかります。でも、看護師さんたち、あなた自身の心を守れないなら、他人の心なんて守れないんですよ(今、まさにFacebookページで叫んでいることですが)。先生たちがみんなでつらいなら、みんなで辞めればいい。いや、コロナのもとでは、結局、そういうことになるでしょう。離職がどれだけ増えることか。
2)Y先生から、コロナに関する幼稚園の対応についてお尋ねいただきました。申し訳ありません。こちらでは即時対応ができません…。なにかありましたら、Facebookページに要約してコメントしてくださいませ。そうすればすぐにお答えします。お許しください。
一昨日だったか、PCR検査時/陽性時の対応をまとめました。自治体や教育委員会が「こうだ」と言ってきたら、「こう」でいいんです。保護者に何を言われても、すべて「自治体、教育委員会が言っているから」で済ませられますから。結果的に感染者が出るかどうかなんてことは、考えていません。自治体も教育委員会も自分たちの責任を逃れることしか考えていないのに、園が自分たちで考えて、結局、責任を負わされるのでは、どうしようもないですよね。
3)すう先生から、下痢についてお尋ねです。ごめんなさい、私にはなんとも回答できないので、並木先生にお尋ねして、回答が来次第、こちらに載せます。他園の先生たちがどうしているかは、今、このコロナ状況下ではちょっと無理かなと…。
10月、個人向け研修会で並木先生に「感染症対応」をお話しいただくので、そちらにおいでいただけると、直接聞いていただけるとも思います。
4)Ns.さん、「厳重警戒」(気温でだいたい30度)で熱中症が急増するというウェザーニュースの記事をFacebookページに載せました。あれでもまだダメでしょうか?
あとは、「これでも外へ出すなら、出してください。でも、私は看護師として責任は取れません」とはっきり言うことです。
]]>
1か月半以上、留守にしてしまってごめんなさい。2月末から、仕事が全キャンセル、3月下旬にFacebookページ開設、5月に入って、「もうこれはどうしようもない」とリモート研修会を始め…。やっとリズムができてきました。リズムといっても、今まではひたすら外出していたのが、今はひたすら家にいるだけですが・笑。でも、生活リズムは180度変わってしまったので、まだなかなか…です。
皆さま、Facebookページを読んでくださっているのだと思いますけれども、確かにあちらには書けないこともありますし、こっちも定期的に見るようにします! ごめんなさい。
m先生、「除菌」の件は…、はい…一応、文部科学省の「噴霧禁止」とNITEの「次亜塩素酸水に対コロナ効果は認められない」で落ち着いたと思います。業界団体は反論しているようなので、今後どうなるかはわかりませんが。厚労省が「次亜塩素酸水はコロナに有効」と? いやいや…。NITEの結果を読んでないんでしょうかね…(ため息)。
ちょも先生、感染者がこの間、まったく出ていない地域はほぼ通常開所だったようですが、そうではない大部分の地域は、6月が新学期になってしまいました。こればかりはどうしようもないですね…。結局、世界で日本だけがシステムとして保育園を開所し続け、まあ、経済はそれなりに維持できたかもしれませんが、園の先生たちの精神的犠牲は…。文科省の指針も現実性がありませんし、「園ごとにやってね」で終わりになっています。このまま、だらだらなし崩し的に進むだけだと思います。先日の横浜の事例のように「消毒したらすぐ開所」と言う自治体は増えるのでしょうし、言われた通り、開所してしまう園も出てくると思います。とことん、「子どもや職員の命より、経済(=保護者)」なのだなと。
よう先生、幼稚園は保育園と文化が違っておりまして…。もちろん、「頑張る!」な保育園もあるんですけど、やっぱり未満児さんがいると無理は無理なんですよね。幼稚園はある程度、子どもも頑張ってしまうから…。あとはどうしても「小学校の前」という意識が強いのでしょうか、「子どもが〜できるように」が大きいのかなあと。とはいえ、私のまわりにも幼稚園の園長先生はいらして、コロナ以前から「無理をしない」方向へ変わっている方はいるのですが…。先生、Facebookページのコメントの返事でも時々書いていますが、つらかったら転職していいんですよ。今日の配信でも言いましたが、今のような「危機」の時には、人間の本質的な部分が見えてきます。その中で「ああ、これはダメだ」と思ったら、そこで「頑張る」ことをやめるのも一つの方法です、ほんとに。いまどきは「コロナについてどういう対応をしていますか?」と面接で聞くこともできますし…。なにより、「そうか。辞めるという手もあるんだ」とわかって、気持ち(感情)を少し切り離して仕事をするだけでも楽だと思います。
みつ先生、搬送や受診が難しくなることを考えたら、去年や一昨年以上に熱中症予防をする。それと同じで、ケガを物理的に減らす手立てを考える必要もあるのかもしれません。たとえば、高い所へ登れば、落ちた時のケガはひどくなる確率が高いわけですから、熱中症がおさまるまでは跳び箱をやめるとか…(熱中症がおさまれば、とりあえず搬送状態は少し改善されるでしょうから)。あとは、どこかで言った/書いたような気がするのですけど、どこだか忘れました…けど、保護者に「熱中症の時期であり、新型コロナウイルス感染症の流行も続いていますから、受診自体、ご心配かと思います。ですので、すり傷、切り傷程度のケガの場合、これまではすぐに受診していましたものにつきましても、保護者の方のご判断をいただきます」と言っておくのは大事だと思います。つまり、救急車を呼ぶようなケガ(重傷、頭やおなかを打った、など)以外は、保護者の判断にするということかなと。
はなまる先生、私は子どもの心理はわからないので、子どものストレスについてはなんとも…。アロマを虫よけとして吹き付ける件ですが、保護者がそれでいいと言うならよいと思います。他のスプレーも結局、吹き付けていますし、空気中に「噴霧」しているわけではありませんから(それを言ったら、他にアルコールを吹き付けるのもダメという話になってしまい…。もちろん、顔を直撃しないようにアルコールは手に付けるべきなんですが…)。ただ、「アロマ=安全」というのは間違いです。アロマも化学物質ですからアレルギーを起こす人はいます。においで頭痛等を起こす人もいます。そのあたりは、こちらの2018年6月4日「虫忌避(虫よけ)剤について」をお読みくださいませ〜。お手紙のひな型も置いてあります。
]]>ーーー
気になることがありまして、お聞きします。
皆さんの保育園では、スタイをしている子の午睡時は、スタイは外しますか?それともそのまま着けていますか?私は、今までの保育園や子育てのときも必ず外していたのですが。今の保育園ではそのまま着けて寝ています。
(お答えです)
はずしてください。
あ)眠っているのですから、スタイは姿勢としても必要がありませんよね…。
い)子どもの首まわりにヒモ状のものがある、子どもの顔まわりに布状のものがあるのは危険ですし、眠っている時は特に、です!
2)Fスマイル先生、マスクについてですが…。このように考えて、お伝えになってはいかがでしょうか。世界的にははっきりしていることです。
あ)自分の感染リスクを下げるというマスクの効果では定かではない。保育園でおとなが自分の感染リスクを下げるのであれば、マスク以上に「手を洗わない状態で、目、鼻、口にさわらない」が重要。ウイルスが手について、その手で粘膜に触れ、感染することが多々あるので。
い)でも、いまや誰が感染しているのかわからない以上、他人に感染させないという点では重要。ウイルスは呼気に含まれ、くしゃみでも咳でも飛ぶ。その飛沫があちこちに付着し、そこから接触するので。
う)上の「い」を考えれば、保育者がマスクをするのは大事。でも、だからといって今、マスクが売られておらず、あってもむちゃくちゃ高いということを考えれば、「しない」という選択もありえる。
え)手作りマスクじゃなくても、三角に折ったバンダナでもなんでもいいんです。英語では「顔を覆うもの face covering」と言っています。鼻と口を覆うことで、飛沫が飛ぶことを抑えられればいいので。ただ、はずしたら取り換えるとか、はずした手であちこちさわらないとか、それはマスクと同じです。
いかがでしょう?
3)横浜のKK先生、むっちゃ腹立ってます! 認可外も認可と同じように預かれ、でも、補助金の保障はしない? いいかげんにしろっ!!です。連休中の配信でまた叫びます!
掛札
]]>
「連休明けも、国、自治体の自粛要請が続くと予想されます。安全のため、保護者の皆さまも、引き続き、自粛にご協力くださいますようお願い申し上げます。」
なぜ、ダメか。これは園からの一方的なお願い文なので、「押しつけられた感」を相手に生じさせます。センターの安全のトピックス、災害のところに書いた話と共通します。
長年の社会心理学の研究からわかっていることは、人間、選択肢がないと、「自分で選べないから」怒るのです(※)。内容以前に、「選べない」ということに怒る。だから、選択肢を渡して選ばせることが第一です。自治体が明確に「休園」と言っていて、「自治体がそう言っていますから」と自治体(=園以外の他人)の責任にできないのであれば、園が押しつけずに選ばせる。「自粛要請」程度では、他人(国、自治体)の責任にできません。「うちは大変なんだから、預かって」と言われます。そして、選択肢がないから、怒ります。
★次のタイプの内容をお勧めします。
「ニュース等で皆さまもご存知の通り、連休後には、再び感染者数の増加が起こる恐れがあると言われています。園では、職員ができる限り自宅で過ごすよう伝えておりますし、保護者の皆さまにも下のNHKの記事にあるような「専門家会議」のアドバイスを心に留めていただきたく存じます。
しかしながら、ウイルスが目に見えず、感染リスクをゼロにすることはできない以上、連休後、園や近隣、皆さまの職場等で感染が起こる可能性はゼロではありません。その点をお考えいただき、連休直後およびその後の登園について、国や自治体の自粛要請等とは無関係にご配慮いただければ幸いです。」
(←最後のところ、「ご配慮くださいますようお願いします」と書いてはいけません! その「お願いします」が押しつけ感を生じさせるのです。「幸いです」と「お願いします」のニュアンスの違い、かみしめてください。)
(で、このNHKの記事などを印刷して付ける、添付するなどする)
はい、おわかりの通り、「情報を渡して、考えさせ、選ばせる」文章にしてあります。「連休後に感染者が増えるかもしれず、その原因はあなたの家庭やあなたの会社にもあるかもしれない。だから、あなたの責任で考えようね」ということです。
人間は自分で選んだことには、それなりの責任を持ちます。一方、こちらとしては、「リスクを伝えたよ。それでも連休明け、全員が登園したら、それは登園した人たちにも責任があるからね」と言えるわけです。全員登園は、もちろん想定内です。
事態が長期化する以上、保護者にはなるべく押しつけず、ゆるめに感じられる「情報を渡して選ばせる戦略」をお勧めします。「押しつけられた感」が大きくなればなるほど、保護者の精神的バランスは崩れやすくなり、結果、その矛先が園に向いたり、子どもに向いたりしかねませんから。
※研修会で時々、掛札が言う言葉:「人間は、2歳以降はイヤイヤ期」。イヤイヤ期の時だけが「選択したい時期」ではありません。人間は2歳以降はずっと、「自分で選びたい生き物」なのです。社会心理学がこの分野の初期から明らかにしてきた通り。
ところが、日本の主流文化の中で育つと、この文化には「よかれ」というものがあるために、人から行動を押しつけられ、選択肢を奪われても、「私のためによかれと思ってしてくれているのだから」と、選択肢を奪われたことに怒らないような認識の変容を起こすようになります。ですが、この「よかれ」、理解できる文化は世界じゅうでも少数です。世界で生きていく子どもを育てるなら、「よかれ」なんて無用です。「私はこうしたい」「僕はこれを選ぶ」、そうはっきり言える子どもを育てるほうが、いまや重要でしょう。
]]>
緊急事態宣言が出る直前、(正確には午前中)市から急に園の自粛要請についての連絡がありました。やっと来た!と少しほっとしました。翌日は週末の金曜でしたが約3分の1の子どもが自粛により休む事態となりました。ですが私たちが休める予定は全くなく、(陽性者も濃厚接触者もいないので年休を使うことになります)土曜日に予定していた行事がなくなり子どもが一人も来なかった日には全員出勤して掃除する始末です。ほんとうにがっかりしてます。
ーーー
タラコ先生、考え方はいくつかあります。どれが正解というわけでもなく、混ぜていく必要があります。
1)Facebookページで19日に配信した中で触れていると思いますが、ある意味、出勤しているほうが気が楽という部分はあります。「家にいると不安」という職員の方はいますから。
2)でも、家に家族(特に、休校中の子どもやデイ・サービスに行けない高齢者の方)がいる時には、家にいたいと思います。その場合、子どもがいないのに全員出勤で、休む人は有給休暇を使う必要があるのか。これは疑問です。園長にはっきり言って、それで「有給休暇をとれ」と言われたら、「え、でも、別の園では自宅待機/在宅勤務ということになっていますけど」と言ってみましょう(←よくわかっている人に確認済)。
3)「自宅待機しててもいいけど、給料を減らす」と言われたら、Facebookページの4月22日午前9時26分投稿の記事の中、『東洋経済』の記事に関連して書いている通りです。先生の園が認可保育園なら、給料分の委託費は100%支払われていますから給料減はダメ!です。でも、そこらへんの裁量はすべて、園長です。ですから、「この園長、ダメだわ」と思ったら、今回、まともな対応をしている園に移りましょう(本気です)。新型コロナウイルス感染症問題はまだまだ続きますから。
あ、そうか。園長先生はおそらく、この問題が連休明けには終わると思っていらっしゃるのだと思います。終わりません。そうなれば状況は変わります。変わらなかったら(=これからもずっと全員出勤とか言うなら)、それはもう…です。今の状況は、園のリーダーシップの質がものすごく問われていると同時に、その質が丸裸になっている状況とも言えます。見きわめましょう! この件は別の所でもけっこう大きな問題になりつつあるので、4月26日、Facebookページで配信します。
]]>
あ、保育園Ns先生、hiyoko先生が「アルコール濃度」の件を書いてくださっています(文中)。そういうことかしら?
ーーー
〔N先生から(一部のみ抜粋です)〕
しんどいです。
でも泣けません。
泣けたら楽なのになぁ。
★
N先生、無理して泣かなくてもいいんです。「しんどいから泣く」じゃなくていいんです。大好きな映画を観る、大好きな本や絵本を「ここが好き!」っていう場所で一人で読む/見る、あるいは、大好きな歌を大きな声で歌う(カラオケボックスでも、園にホールがあるなら超早く行って誰もいない間にとか、それこそシャワー中でも)とか。スポーツがお好きならそれを20分でも30分でもする。なんでもいいんですよ〜。つまり、「自分の心から離れて、別の所にいる時間をつくってみる」です。一人で。他の人がいると、その人のことを気遣ってしまうから。
ーーー
〔hiyoko先生から〕
保育園Ns先生のご質問の件ですが、アルコール濃度ではなく「医薬品」または「医薬部外品」でなければ「消毒」と明記できないと思っていましたが、いかがでしょうか。
コロナ対応について園長との温度差に限界がきていました。こんな時期ですが、3日に退職覚悟で園長に噛みつきました。緊急事態宣言が発出されることを受けて、やっと一昨日、濃厚接触は避けられないというお手紙を出しました。やっと昨日、登園自粛をとお伝えしました。やっと今日、職員体制の変更と登園時の対応変更をお知らせしました。
保育所の感染リスクや対応がこうなるかもしれないというお手紙を、2月末から出したほうがいいとずーっと言っていましたが、却下されていた挙句、この3日間で全部やりました。
★
hiyoko先生、すばらしい! もうね、「誰かが指示してくれるだろう」「誰かが守ってくれるだろう」という護送船団方式は破綻するんです。園は自分たちで守るしかない。最悪を想定しておいて、最悪にならなかったら、「よかったですね、最悪にならなくて。皆さんのおかげで最悪を免れました」と言えばよいのですから。これは台風対応でも同じ。最悪にならないだろうから何もしない、それで最悪になったら目も当てられないですよね。
ーーー
〔S先生から〕
明日の幼稚園部の入園式は規模を縮小して行うことを決め、それ以降は1号認定の子どもたちは自由登園にする予定にしていました。しかしながら、緊急事態宣言が出されるなど、状況が変わる中、感染者の少ない当市で、休園する勇気もなく、どうしたものか悩んでいます。
3月に自由登園にした際は、ほとんどが登園して来て、人数が減りませんでした。2号、3号の登園を断れない中、1号を完全に休園にするべきでしょうか。登園する園児数をクラスごとなどに絞って、給食なしで、午前の部、午後の部で行うことを考えています。
1号を完全に休園して家庭で過ごすと、親子ともにストレスになり、いいことではないと思うので、人数を絞って保育、にしようと思います。
1号の子どもたちに関しては、休園にしている園が私のまわりには多いです。幼稚園さんは休園ですし。
★
結局、園として何を守りたいか、だと思います。命なのか、保護者の仕事なのか。すでにセンターのFacebookページでもお話しした通り、確かに家に保護者と子どもでずっといるのは、ストレスが増えるでしょうし、虐待やネグレクトにもつながるかもしれません。でも、「だから、園が預からなければ」なのでしょうか。いずれにしても、当分、私たちはこの状況とつきあわなければならないのですから、虐待やネグレクトは園ではなく、自治体が(本来すべきだったように)扱うべきで、「そうしてください」と今から言っていくべきだと思うのですが…。抱え込みをやめるべき時なのです。
ーーー
〔H先生から〕
4月、運営の本部から緊急調査という名目で指示がきました。「ロックダウンになっても、出勤できる職員は?」と。保育所はロツクダウンでも、出勤する必要がある職種(自宅待機の仕事の保護者能ため)との説明付きでした。今までなんとか出来る限りの出勤をして子どもたちの保育にあたりましたが。とてつもなくブルーな気分になっております。保育園従事者は、最後の被害者になる可能性、その覚悟を持たないといけないのかなと、残念です。先生どう思われますか。
★
「出勤する必要がある職種」じゃないですよ。特措法では、学校とかと並んで、「使用の制限等の妖精の対象となる施設」です。それは、本部さんの読み違いか思い込みでしょう(ま、そう言ってくるのは、わかりますが。要するに、施設都合で休園ということにしたくないだけなのでしょう)。
Facebookページでお伝えしている通り、先生がおっしゃっている通り、保育従事者は最後の被害者扱いだし、保育園にいる子どもは、児童・生徒と違って命を守られるべき存在とはみなされていないようです。保護者が仕事を続けるほうが大事ということが、今回、はっきり露呈したと思います。
だからこそ、「保育園は濃厚接触ですよ。おいでになるなら、それをわかって来てくださいね」と、覚悟と責任を保護者に半分、手渡すべきです。本来は保護者が勤務先(役場であれ企業であれ)とすべき話を、保育園が肩代わりさせられているのです…。
まず、保育園Ns先生からのお尋ねです。
ーーー
消毒用エタノールが手に入らないため、食品添加物?に分類されている、調理用のアルコール除菌製剤を使っています。アルコール濃度は50~70%で2種類、濃い方は環境消毒と調理器具に使用、濃度が低い方はアルコール手洗い用です。これまでアルコール濃度からしても問題ないだろうと思っていましたが、商品に消毒ではなく「除菌」と書かれているので、掛札先生の記事を見て心配になってきています。
(お答え)
60%以上、70%以上なら「消毒」のはずなのですが、「除菌」と書いてあるのはおかしいですね…。厚生労働省の基準に合っているなら「消毒」と表示するはずです…。そう思って謎??だったので、リング上の時もはっきりはお答えしなかったのです。何%なのでしょう?
もうひとつ、花先生からのお尋ねです。
ーーー
ライブ配信拝見しました。笑いあり、分かりやすい内容で、とても参考になります。
コロナ対策(感染対策)で、どうしても気になることがあり、質問させてください。
WHOはマスクに予防効果がないと言い、症状のある人がマスクをつけることが効果のある予防だと厚生省のリーフレットにものっていました。
新年度、新入園児(ほとんどが0歳)で、保育士が予防のためとはいえ、長期化しそうなコロナで、ずっとマスク着用するのはどうなのでしょうか? 信頼関係や、安心感、成長発達に大きく影響が出るのではと感じています。飛沫は目からも感染し、ウイルスはマスクの繊維を通すとききました。現在、私が住んでいる地域で流行の拡大はみられていません。まわりの保育園では、職員だけでなく、保護者にもマスク着用を求めているそうで、マスクが購入できない中、同じマスクを使い回して対応しているなど、色々な意見がきかれます。その辺のライブなどもしていただけるなら、ありがたいです。
(お答え)
顔の下半分が見えない状態で0歳児に接するのは、確かに…です。
先日もWHOは、「症状がないならマスクをするな」と言いました。
(昨日の米国CNNのニュースです)
https://edition.cnn.com/2020/03/30/world/coronavirus-who-masks-recommendation-trnd/index.html
無症状の人でもウイルスを出しているという点を考えれば、マスクはするべき…なのかもしれませんが、それはそもそも「飛沫が飛ぶ」状況の話です。さて保育園は…、換気が1時間に1回とかできれば「密閉」ではないし、「密集」でもないし、まあ、抱っことかはあるから「密接」ではありますが、それを言ったら保育はできませんし、そもそも学校を休みにする前に、保育園を閉めて「不要不急の仕事のおとなは家に」というのが正しいじゃないかと(欧米の封鎖はすべてこれです)。
保育園が密閉・密集はなんとかできても(←なんとかできない園もあります)、「密接」はどうにもならない以上、じゃあ、まったく無症状の職員でもマスクはするべきなのか…。うーん、正直、悩みます。「マスクをしていなかったから、子どもが感染したんだ!」と後で言われるリスクを考えたら、今の状況がおさまるまで最低数か月は、しょうがない、マスクをするという方法もあるでしょう。
ただし、マスクの再利用はダメです。それなら布製のものにして洗う…。布製のマスクはダメだという説も流れていますが、それは医療用サージカル・マスクと比べてですから。もちろん、もともとウイルスはマスクを通ります。でも、マスクをしていれば飛沫は飛びません。まあ、そういう意味では、もともとマスクをしない欧米で言われているように、咳やくしゃみをする時は腕で隠す(手のひらはダメ。あちこち触るから)でいいのではないかと。
マスク問題は難しいですが、私個人の考え方としては、保護者も保育者も仕事に行かなければならない状況を国が作ってしまっている以上、園で感染・発症が起きるのは、正直、園の責任ではありません。そう開き直るべきです。ですから、最初の頃から言っている通り、自治体に「マスクはありません」、そして、「布製マスクを作っているヒマなどありません」「マスクをしたって何をしたって、保育園は濃厚接触です」と言い続けてください。濃厚接触の件は、掲示を作りますわ…。
いかがでしょ?
]]>
ですので、感染症や新年度の安全に向けて、ご質問がおありでしたら、こちらか、センターのFacebookに書き込んでください。こちらはいつも通り、外から見えない「非公開」となります。ただし、誰でも見ることのできるオンライン研修会でお答えできるような内容にのみ、お答えします。
掛札
]]>
もうひとつ、作業上の事情により、しばらくこの質問ブログをストップします。掛札の希望としては年度末の3月半ば以降には再開したいと思っています。ご了承ください。こちらのリンクを切ってしまうわけではありませんので、過去の記事はお読みいただけます。
★(kana先生の質問というか、つぶやきは掲載していません。)
kana先生、遅く、遅く、遅くなってしまってごめんなさい。
管理職の高齢化の問題は…けっこう聞きます。「自分は引退する」という決断すら自分ではできない状態になった場合にどうするのか、大きな大きな問題です。それ以前に、日々の保護者対応や電話対応なども。
一方で、世代交代もね…。実行力と実験をもてない(もたない)「おかざり園長」、「園長」という肩書と給料以外には(保育も含め)興味のない人、世代交代で戻ってきて職員と闘っている人…。
「子どもを預かっておく所がないとね」という気持ちで、認可も何もない時代に始めた初代の時代とはまるで社会が変わってしまった以上、「昔はこうだったんだから」ではどうにもならないのですけどね…。かといって、保育がお金のやりとりの上に(のみ)成り立つビジネスになってしまう(しまいつつある)のもおかしい…。
★はまゆげ先生、
(まず、11月12日の投稿に対して、はまゆげ先生のコメント)
この事例での「不適切な保育」に対する「適切な保育」とはどんなものなんでしょうね?
…よく耳にする次の『』内のことば、
『預かった時の姿のままお返しするのが原則』
ケガをさせるなって意味ですが、これって、ケガをしたけれどもこんな成長が見られましたよっていう「成長した姿」をも否定する意味になりませんかね?
これについて、掛札の答え:今はさすがに聞かなくなってきましたが、5、6年前までは、私がお話しする前のご挨拶の中で「私たちの仕事は『預かった時の姿のまま、お返しすること』です」とおっしゃる先生がそれなりにいました。「ケガはしていいんですよ」という話にひっかけて、よく、「預かった時の姿のまま返して」いたのでは、その子は永遠にハイハイしてますよね、と言ったものです・笑。
(その後の、はまゆげ先生のコメント。11月16日)
地域の保育施設全体で同じ対応を!
入園前の見学、入園前の説明会、入園してからの日々の会話、進級前の説明会…などなどの機会に、保育園でのかみつき・ひっかき・ケガ・活動の価値とリスク・保育士だって人間(時々、保育士はミスなく完璧に子どもを見ることを求める人がいるので。)をしつこく説明しています。
また、しばしば保育士の配置についての現状をも伝えています。地域のどの保育施設でも同じ内容のことを説明することで、とんでもないことを求められるたり、求めることも無くなるんじゃないか?と思っています。
ケガをさせないことを一番に考えているリーダー(法人も)然り。
とまあ、こんなことを地域の集まりで発言するようにしています。
みんなで保育のできる環境を固めていきましょうよ。
いかがですか、みなさん!
これに対する掛札の答え:おっしゃる通りです。地域のみならず、国全体で同じように言えば、社会も少しは変わるかもしれません。実際、内閣府の『ガイドライン』の前書きには、「子どもはケガをするものだ」と書いてあるんですよ(委員全員で「絶対にこの文言は入れろ」と言いました)。国は「子どものケガをなくすことが、事故予防じゃない」とちゃんと言っているんです。
でも、世の中、そう簡単にはいかない。特に最近は、「保護者のために」保育をしている所も多いですから。そうすると、「ケガをさせません」「親の要望になんでもこたえます」的な園が出てきてしまい、これが人気となり、地域で子どもが減ると…と、現状のようになるわけです。「子どもの最善の利益」が単なるお題目でしかない以上、人気を博すのは「親にとって都合のいい園」ばかりとなるわけです。そして、「保護者の最善の利益」は「子どもの最善の利益」と相反することが多々あります…。
★すぎ先生からのお尋ね
保護者の代理として、中学生がきょうだいを迎えにくる、というのは認めてよいのでしょうか? 帰り道、事故があったとき保育所の責任となることがあるのか。中学生になったばかりの4月に認めて大丈夫かなどなど、いろいろ考えると線引が難しいと悩んでいます。
掛札の答え:中学生は未成年、かつ、まだ義務教育下ということを考えると、決してお勧めしません。降園途中でなにかあった時の責任は、先生がおっしゃる通り、不明です(その部分はカットしてあります)。高校生になると考慮の余地もありますが…。
もちろん、「自分(親)がいいと言っているんだから!」と言う保護者もいるとは思います。その会話やメール等はすべて記録、自治体に毎回報告して、自治体からも「保護者か、親族(成人)が来てください」と連絡させてください。園と保護者の間の口約束だけで認めて(自治体は知らず)、事故や事件に巻き込まれた時のリスクは大きいと思います。
★のろのろ先生、コメント、ありがとうございます! 「乳酸菌で99.9%除菌」って…。もう笑うしかありません…。どっちみち目には見えないんだから、「除菌した!」って思えるのは大事…なわけないって。気のせい、気のせい。気のせいできれいになったつもり、でいいわけがありません。クレベリンの件も記事になっていたので、サイトの「最新情報」に載せました。
(のろのろ先生のコメント)
今日の研修で、ノロキラーの質問をさせて頂きました、のろのろです。今日は研修をありがとうございました。先生の研修はとても楽しくてとても役に立つものばかりで、あーあ。そっか。と、納得のいくものばかりでした。特に噴霧しないで!って、驚きで園に持ち帰ってこの事実を伝え、改善していきます。
次亜塩素酸系の延長で、こんなのもでてきました。乳酸菌で菌が99.9%除菌されると…(花王から出ています、ジョアンという商品です)。以前の私なら、「わー! すてきっ!」とだまされていたかもしれません。笑。だまされることなく、きれいなぞうきんで拭いて、拭いて、をすることにします。
★K先生、次亜塩素酸水溶液の件については、詳しく書いた通りです。トップの方は納得なさいましたでしょうか。まあ、「病は気から」と思うのであれば、使ってもいいのかもしれませんが、「最新情報」に掲載したクレベリン同様、「長期的健康リスクは不明」です。
★サボコ先生のお尋ね。
子どもの事故(救急搬送したような事案)の記録の書式のようなものは、サイト内にありますか? 「個人の記憶の記録」は深刻事故対応の書籍にあったのですが、個人の記憶ではなく、出来事としての記録を残しておきたいと思いまして。よろしくお願いいたします。
掛札の答え:ないです〜。それは受診報告書になりますよね、受診・搬送だから。自治体ので十分かと。30日以上とかだと国にも報告しなければならないし、書式をあまり増やさないほうがよいと思います〜。
★にゃんちゅう先生からのお尋ね
今年度から、0歳児が個別保育をしています。来年度は、1歳児の夏まで個別保育で、秋からは集団保育に移行していくそうです。2歳児は、3歳になると養護だけではなく教育も入ってくるので、1歳児の秋からは集団保育に慣らしていかなければいけないと言われました。掛札先生の研修会で、2歳児も個別保育にしているという園の話を聞いたのですが、こども園では教育があるのでできないのでしょうか。
掛札の答え:個別保育…? 担当制のことでしょうか。担当制でも、ゼロ歳の時から集団です。保育者が特定の子どもを「担当」するだけですから。そうすると、ゼロ歳児クラスの後半になれば、子どもたちは担当の保育者(たち)にアタッチメントが成立した上で、集団内において自由に生活するようになります(もちろん、ゼロ歳児クラスの当初の時も、子どもたちを隔離して個別に保育しているわけではありません)。担当した保育者とのつながり(アタッチメント)はその後も切れることはありません(人間も生物ですから)ので、2歳でも3歳でも「〇〇先生!」です。でも、保育としてはまったくの集団です。いかがでしょ?
詳しくは、『育児担当制による乳児保育: 子どもの育ちを支える保育実践』(西村真実)等をご参考に…。
]]>
久々に質問のしかたを書きますね。
1)「コメントを書く、読む」「コメント」ボタンをクリックする(スマホ画面だと下のほうに隠れています)。特定のスレッドに対する質問であればそのスレッドの下の「コメント」ボタンを、スレッドとは無関係な質問であればどのスレッドの「コメント」ボタンでも、…を押してください。
2)名前欄にペンネームを書き、コメント欄にコメント、または質問を書きます。書き終えたら「送信」ボタンを押します。本名を書いていただいても、私はペンネームにしてしまいますのでご了承ください。「送信」ボタンを押しても表示されませんので、ご安心ください。
おまけに、この時期ですから、「餅つき」のスレッドを再掲します。2015年11月9日のものです。
http://blog.daycaresafety.org/?eid=33
]]>
「除菌」「消臭」をうたった清浄機(次亜塩素酸等を使用)や置き型/吊り下げ型の製品が多数、販売され、未就学児施設でも用いられています。並木由美江先生経由で国立感染症研究所の先生に確認したところ、「消毒剤」とされている化学成分の製品以外は、菌やウイルスに対する効果があるとはみなされていないそうです。「除菌」は、「殺菌」でもなければ「消毒」でもありません。また、インフルエンザやノロはウイルスであって、菌ではありません。「除菌・消臭」と銘打った清浄機の広告には、あたかも対ウイルス効果があるかのように書いてあるものもありますが。
(「除菌」に対するイメージはこちら。静岡県環境衛生科学研究所のリーフレット)
(同研究所はいろいろな商品テスト情報のリーフレットを出しています)
つまり、「これは消毒をするものですか?」と聞いて、「そうです。消毒です」という返事が返ってこなかったら、それは厚生労働省レベルでは効果が保証されていないということになります。
1)清浄器や置き型の製品の宣伝には「効果」を示す論文等が示されている場合が多いのですが、こうした研究はほぼ実験室実験であり、実生活中において疾病等のリスクを下げる事実を示す研究ではありません(実生活の中の効果を示すには、多数を対象にした長期実験が必要です)。「効果を信じて」清浄機や置き型の製品を使うこと自体は、問題がないのかもしれません。ですから、掛札も並木先生も「使用してはいけない」とは言っていません。
2)けれども実は、公衆衛生学上は問題があります。塩素系その他の化学物質が空気中にミスト(霧)化されたもの、蒸散されたものを、日常的に、かつ長期的に肺へ吸い込み続けることの危険性は、明らかになっていないからです。こうしたミスト化清浄機や蒸散型の置き型製品が普及し始めたのはここ数年ですから、現状、私たちは未就学施設において人体実験をしていると言うことすらできます。
もちろん、たとえば20年後、一部のおとなの中に呼吸系の問題を抱える人たちが出てきた時、「保育園で吸い込んでいた化学物質がいけないのではないか」と因果関係を言うことは困難でしょう(タバコの健康被害の立証に何十年もかかったことを考えてください)。ですから、今、こうした清浄機や置き型製品を使うことで、園やメーカーが将来、なんらかの責任を問われることはないのかもしれません。ですが、もともと公衆衛生出の者として、掛札はこの健康リスクを念頭に置くべきであろうと思います。
同様の清浄機は歯科医院等に設置されているようですが、医院の待合室は、毎日、長時間、過ごす場所ではありません。一方、園は、まだ発達途上にある子どもが毎日、長時間、過ごす場所です。
ちなみに、夏、効果があるとして使われている吊り下げ型の虫忌避剤については、消費者庁が「表示されている効果を裏付ける科学的根拠が示されていない」としています。商品テストでも、標榜されているような効果は期待できない一方、拡散した成分で体調を崩す場合もあるとしています。
3)上に述べた「除菌・清浄」のための清浄機や置き型の製品については、厚生労働省のレベルでは効果があるとは考えられず、一方、長期的健康リスクも不明です。
しかし、これとは別に明確な点があります。ピューラックスやキッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム)のミスト(霧)化されたものを呼吸器に吸い込むことは、呼吸器に障害をきたす危険性があるため、これらをテーブルや室内、嘔吐物に噴霧するのはやめてください。噴霧は、噴霧した局所にしか効果がなく、一方、そこにある病原体を噴霧によってわざわざ巻き上げてしまうリスクもあるからです(巻き上げるという意味では、アルコールの噴霧も同じです)。
(ピューラックスのサイトにも書いてあります)
では、どうするか。厚生労働省のガイドライン(抜粋)に書いてある通り、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックスやキッチンハイター)に浸したふきんを絞り、それで拭きましょう。そして、ふきんを消毒しましょう。
]]>
午睡に関して。
1)日替わりの派遣職員が、0歳児をうつ伏せにしてタオルでくるんで寝かせていたそうです。別の職員が、「仰向けで寝かせてください」と声をかけたのですが、「大丈夫です。この方が寝るんで」と言われたそうです。何が大丈夫かさっぱりわからないのですが、これだけ「仰向けで」と言われている中、初めてのクラスでうつ伏せで子どもを寝かせる保育者に驚きました。もちろん、その後、こちらで仰向けにしました。
2)午睡チェックの際は、顔色や呼吸とともに、子どもに触れて異常がないか確認しています。0歳の保育士の配慮に「子どもに触れ」という言葉を入れたところ、「必要あるのか」との意見をもらいました。「お腹の動きを見れば、呼吸をしているかわかる」。「自分は触れることをしていない」と。
近くで呼吸や顔色を確認することに触れて、冷えてないかや熱が高くないかも確認する、そこも含めて「異常がないか」確認するのでは、と話したのですが、腑に落ちていない様子でした。何度も0歳を担任している職員だったので、いままでどうしてきてたんだろう、という疑問もわきました。どう伝えたらよいか、助言をいただきたいです。午睡チェックの仕方をクラス内でも再度確認をして周知ができればと思います。
ーーー
お答えです。
1に関しては、「2016年に内閣府が出した安全のガイドラインに書いてありますから、仰向けにしてください」しかありません。それでも、見ていない時にはうつぶせにしていたりすることがあります。それに気づいたら、「あなたが個人的にどう考えようとかまいませんが、決まりには従ってください。お子さんが亡くなったりした場合、検査すれば上を向いていたか下を向いていたかはわかります。うつぶせで亡くなったら、それはあなたの責任になりますよ」です。
ちなみに、「うつぶせのほうがよく寝ているように見える」理由は、こちら(3−2)に書いてあります。でも、この理屈を説明しても、「このほうがよく寝る」の人たちは変わらない可能性が高いと思います。ですから、「ガイドラインに書いてある決まりです」のほうがはっきりします。「従わないのでしたら、派遣会社さんにお伝えします」でしょう。
2は、先生のおっしゃる通りです。「睡眠チェックは、呼吸をしているかどうかだけを見るものではありません。熱が急に高くなった、逆に低くなった、呼吸が荒いといったことが異常の発見につながることはありますし、早く異常に気づければ気づけるほど、そのお子さんのためになりますから」です。園長が「これは園のルール」と言っているのであれば、「とにかく、これがうちの園のルールです」で終わらせることもできます。
いかがでしょうか? 理屈を言ってもなかなか通じないものです。「子どもの命と、職員の仕事を守るための決まりですから、守ってください」が最もシンプルです。
さて、月子先生、どちらのお尋ねも、どうお返事しようかとけっこう悩みましたが…。2のほうは答えにもなっていません。ぜひ、皆さん、ご意見をください!
1)現場の保育者がいくら掛札の話を聞いても、施設長や保育所を管轄する課の職員が理解していないと、「ケガはダメ」「預かった状態のまま返すのが鉄則」のままで、状況は変わらない。
〔お答え〕
はい、その通りです。ですから今はまず、「新卒や新しい保育士だけを対象にした研修会」は一切、お断りしています。「施設長や主任が聞くようにしてください」「課の人も呼んでください」と言うようにもしています。新しい職員が「そうなんだ…」と思って園に持って帰って、「うちは違う」「危ない」と思っても言えないし、つらくなるだけですから、と。もちろん、実際に肝心な人たちが来るかどうかは別ですし、そもそも安全に興味のない人ほど、「ケガはダメ」「預かったままの姿で…」をおっしゃるので…。掛札なりに努力はしています。まあ、私の話を聞いたからといって、「あんなのきれいごとだ」で終わらせる人はいると思います(←けっこう悲観的)。
掛札がいくらお話をしても、実際には園に持って帰れるわけではない。なので、せっせと文章にしております…。園長や担当課の方が文章を読まない人だと、もうどうしようもないんですが。ケガに関しては、『ぜんほきょう』あたりに書いた文(1−8)であれば、「全保協のニュースレターに載ったものだから」というあたりで説得力が…ないんですよね…きっと(←ずいぶん悲観的)。
2)もうひとつのお尋ね。内容は要点だけにしてあります。
ひとりで歩けるようになった1歳児が、床の上にも何もない、壁も棚も遠い所で、何も持っていない状態で、ただ歩いているだけで一人で転び、やわらかい床シートの敷いてある床に口をぶつけ、口内にケガをしました。これを「不適切な保育」と言われ、とにかくケガのないようにと言われました。「成長の機会を多少奪ってしまっても、とにかくケガをしないことが大切。口の中にケガしてばかりでは、保護者も安心して預けられないでしょう?」と。
もちろん、歩いていたら壁や柵のそばで転んで激突しないよう、オモチャにつまずいて転ばないよう、オモチャを持って歩くことで余計なケガにならないよう、気をつけてはいます。何もない所で歩いている子は、多少距離をとって見守れるからこそ、ある程度は自由に歩かせられるのであり、絶対に、どこでも転ばないようにとなると、職員が2人(子どもは計6人)とも手のあいている時に一度に1人までしか歩かせることができません。ハイハイで顔をぶつけて唇をかんでしまうこともありえるので、ハイハイも制限しなくてはいけません。今、子どもたちは歩くのが何より楽しく、自宅ですら、オモチャより何より歩き回ってニコニコしているとノートに書いてあるような時期です。
それでも、この子たちをひとりで歩かせることは不適切な保育なのでしょうか? 極力危険は取り除いていますが、床すら結果、ケガをしてしまうなら危険というなら本当に何もできないと思ってしまうのですが、それは私がうまく保育できていない未熟な保育士だからなのでしょうか?
〔お答え〕
まぜ返すわけでもなんでもなく、人間が二本足で歩く以上、転ぶんです。おとなだって、もちろん歩き始めの子どもだって。『ぜんほきょう』に書いた通り、転ぶ、つまずくといったできごと自体が悪いわけではないし、二本足でうまく歩けるよう育てていくなら、こうしたできごとが起きないようにするわけにはいかないのです。「成長の機会を多少奪ってでも」というのはその通りで、歩かせなければ歩けるようにはならない(成長の機会を奪っている)、結果、歩けるようになるべき時期に歩くことを学びきれない、それでいいのか、という話ですよね。
これを園長が保護者にきちんと話し、保護者の「家でも、ただただ歩いてニコニコしています」というノートに対し、「そうですよね。転びながら育っていくんですよね」と言えるのが当然なのですが…。それが先生の園ではできない、リーダー自身が「成長の機会を奪ってでも、ケガをさせるな」と言うと。
ごめんなさい、なんと答えようかと考えていたのは事実です。答えの一つが『ぜんほきょう』の内容でもあります。でも、これ以上は何も言えません。言いようがないのです、そのような考え方をするリーダーをどう説得できるか…。
あとは、組合でこの話を挙げてみることでしょうか。「これでは保育士が働けないし、子どもも育たない」と、そちらで問題提起をしてみるというのはいかがでしょうか? 公立だから、異動を待つか…。
皆さん、いかがでしょう? ぜひご意見、ご経験をお聞かせください。これ以上は私にはなんとも言いようがありません…。長時間保育、無償化、配置が少なすぎる、一方、「ケガすらさせるな」。親が子どもともっと時間を過ごせば、「ああ、子どもって転ぶんだ」「どこでも蚊に刺されるものなんだな」とわかるはずなのですが。今の子育てと保育は、悪循環の中にはまりこんでいると思います(←とても悲観的)。
掛札
]]>
ーーー
以前、給食について質問した者です。
先生に教えていただいた情報をもとに市にメールを送りました。「ガイドラインにあるように丸い物は給食に使わないでほしい。保育士が配置基準ギリギリのため安全が保たれていない状態で、窒息の恐れがある食材を使わないでほしい」ことを伝えたのですが、「栄養士の方針としては『よく噛んで食べること』を一つの目標にしているので食材の変更はできません」と言われました…。ガイドラインに沿わない給食を作ることはいいのでしょうか。
栄養士は、どうして、かたくなに丸こんにゃくや白玉や餅を使おうとするのだろうと不信感を持ってしまいました。市へのメールには、先生から教えていただいた「兵庫県のヒヤリハットの資料」をつけたり、「ブドウの窒息事故」の資料をつけたりしましたが理解していただけませんでした…。メールの後、市の担当者との面談も行いましたが、市としては栄養士の言うことなので…という感じで報告を受けました。市が栄養士を指導する立場なのではないかと思いました。
また「大きすぎる食材は保育士にキッチンバサミで切ってもらってください」と言われたのですが、年少20人を1人で見ながら、イカフライや煮物に複数入っている丸こんにゃくを小さく切り刻みながら、子どもたちによく噛むように指導しながら、トイレ補助などを行うことを市は想定しているのだろうかと不安に思いました。
質問は
?学校給食はガイドラインに沿って作らなくても良いのか?
?栄養士の指導を市で指導しなくてもよい立場なのか、です。
市内では昨年度、園児が園舎から1人で出るというヒヤリハットが2件も起こっています。市からは管理職に「職員と自分で探してください」「増員してほしい等の要求が多すぎる」「無理をしてください」などと指導が入っているようです。
市はできるだけ人件費を抑えて、少ない人数で園を運営しようとしているようです。そんな中、一番コストが掛からず、園児の安全を守れるためには給食の内容の変更がいいと思ったのですが、ご理解頂けずとても残念に思っています(園内の事故で多いのが「食う・寝る、水遊び」だと聞いたので)。
来年度から年少(3〜4歳児)クラスに下の子供を通わせるかどうしようか悩み始めました。私に何かほかにできることはあると思われますか? よろしくお願いします。(心配な保護者、9月25日)
ーーー
心配な保護者さん、ご心配は理解してます…。はて、どうしたらいいのやら…。
一瞬、あら?と思ったのですが、その園だけでなく、公立の幼保施設(3歳以上児)の給食すべてを、学校給食と同じメニューで作っているということでしょうか?(まさか3歳児以下は違うと思いたい)。お読みする限り、そのように読めるのですが、それはあり得ないと思います。兵庫県の事例集(「安全」の5−3)をお読みになっておわかりの通り、3歳以上児であっても誤嚥は起きています。それをすべて「よく噛まないで食べたからだ」と子どものせいにするわけにはいかないですよね。まして、未就学児で。
もちろん今でも、「よく噛んで食べるように促したい」から食べ物の規制をしたくないとおっしゃる保育士、幼稚園の先生たちはいらっしゃいます。ガイドラインができる前は「丸のままのミニトマトや白玉団子、こんにゃくのような、つるん、んぐっといくリスクの高い食べ物を使ってまで、噛んで食べることをわざわざ教える必要がありますか?」とお伝えして理解をお願いしてきました(丸こんにゃくはこの種の食べ物です)。ガイドラインができてからは、「丸のままのミニトマトと白玉団子のたぐいのものは、『避けることが望ましい』とガイドラインに書いてあります。つまり、この食べ物で死亡・脳障害が起きたら園の責任だということです」とお伝えしています。ガイドラインに丸こんにゃくは入っていませんが、ご存知の通り、こんにゃくゼリーでさんざん問題になったのがこんにゃくです。丸こんにゃくに限って言えば、死亡・脳障害が起きたら、「またこんにゃく? それも丸こんにゃくを未就学児に?」とマスコミが書くであろうことは間違いがありません(たとえハサミで切っていても)。
でも、「保育園、幼稚園については、内閣府のガイドラインがあり、丸いもの、飲み込む時に詰まりやすいものは避けるよう書かれている」とおっしゃっても、ダメだったのですよね…。このガイドラインは学校給食には適用されませんが、未就学児施設には適用されます。うーん。
ひとつ、現実的なことを書かせていただくと、自治体でメニューを作っている栄養士さんの力はかなり強いようです。そして、実に興味深いことに、担当の栄養士が異動すると、方針がまったく変わることもあるのです。もちろん、事故が起きても、突然、方針は変わります。保育担当課がなにかを言って栄養士の姿勢が変わったという話は聞いたことがありませんが、園長会から栄養士に伝えて、リスクの高い食材をやめたという事例はあります。
心配な保護者さんにできることがあるとすれば、とにかく(入園予定の)園に伝え続けることです。市は動かなくても、園の中にはあなたと同じ心配をしている保育者、幼稚園教諭がいる可能性はあります。私がこれまで書いたこと、サイトに書いてあることをお伝えいただいてもちろんかまいません。「あの人はうるさい」と思われても、お子さんの命には代えられません。大変なことになってから、「言っておけばよかった」と思っても遅いのです。言い続けてください。そして、ひっかかりがあったら、いつでもお尋ねください(返事が遅くなってしまっていますが…。ごめんなさい)。
もうひとつ、「市は『イカフライなどはキッチンばさみで保育士に切ってもらって』と言った」と園に必ず伝えてください。それを言った市の人、面談の日付等は記録してありますよね。おっしゃる通り、園でその人数の給食の刻みをできるわけがありません。でも、「市がそう言った」と園に伝えておかなければ、何か起きた時に「これでよかったんだ」と言われかねませんから。
最後に…。市、ひどいですね。担当課の言葉、市長に伝えていいくらいですよ。「無理してください」なんて、ありえない。今、私たちが「1歳児を3対1に」と言っているような話は、自治体さんとしては「なに、わけのわからないこと言ってるんだ」っていう感じなのでしょう。山中先生たちが言い出した通り、「食う、寝る、水遊び」が一番危険です。特に、「食う(誤嚥窒息)」は、同じ「息ができないできごと」の中でも特に危ない。でも、食べ物自体の加工と食べさせ方で予防できる可能性も高いのです(安全の1−7、または1−8)。
精神的にもおつらいとは思いますが、言い続けてください。なにかありましたら、いつでもおっしゃってくださいませ。
掛札
]]>おむつ替えに「広告紙を使う」という件で、「広告紙なんて汚い」と感じる先生がいるようです。
並木先生に確認したところ、広告紙を推奨してくださったのは、国立感染症研究所の先生だそうです。
]]>
保育園NSさん、「おむつ替え」のコメントありがとうございます。その後の秘密コメントは、並木先生にも送りました。努力すれば、少しずつでも改善されていく部分はあるのだと思います。なんか、すべてが崩れていっているようにすら感じるけど。
新潟の3対1の実験結果、11月上旬には出します。分析自体は?木先生(花園第二こども園園長。「親心を育む会」事務局)が一人で、その分析のまとめは?木先生と私がします。でも、データは新潟県の先生たちが自分たちで撮影・録画してくださったもの。「1歳児3対1」を守りたいから。日本じゅうを「1歳児3対1」にしたいから。子どもたちがおかしくなっている姿を、これ以上、見ていられない。日本じゅうでそう感じている先生たちがいます。
京都市の先生たちも京都新聞に全面広告を出しました。あの全面広告を貼り出している園は、京都市の外にもたくさんあります。
結局、どんな努力をしても「預けっぱなし」の状況はよくならないのかもしれません。子どもたちの状態、親子の状態はどんどん悪くなるだけかもしれません。でも、「これじゃダメだよ」と言って結局ダメなのと、「何を言っても、何をしても、何も変わらないから」とあきらめて結局ダメなのとでは、違います。
だからもう少し頑張る。ブログのお返事も書きます。一両日中には次を書けると思います。
]]>
どこの「コメント」欄でもかまいません、開いて、ペンネームと質問をお書きください。その後、「コメント送信」を押してください。「コメント送信」を押してもコメントは表示されません。掛札だけが裏で質問を読みますので、質問そのものが表示されることはありません。他の人の質問に対するコメントは、表示してよいと判断したものだけ表示させます。現在、1か月分ぐらい、お返事が遅れております…。ごめんなさい。)
(はまゆげ先生、コメントありがとうございます・下。被害がなくてよかったです!)
22日にお尋ねくださった東京のTAN先生へ。内容はここに一切書けませんが、はっきり言います。お書きになっている内容をすべて自治体の保育課に伝えて、「園長をきちんと指導してください」と伝えましょう。そして、先生は辞めてください。そして、園長が
「保護者のほうを見て、クレームを減らしたいだけの」「一方で、熱中症や食中毒のリスクも理解しようとせず」「ただ、自分がしたいからというだけで、必要な処理すらしない食べ物も子どもに出していいと言う」ような人であることに問題を感じている職員が他にいるなら、その方たちも一緒に辞めてください。
その園にいるのは、先生の努力の無駄遣いです。これまで起きたもの以上の大きな事故が起きるかもしれませんし、起きないかもしれません。こればかりはわかりませんが、結局、「死なないとわからないような園長」なのですから、ごめんなさい、どうしようもありません。先生のスキルと知識は、別の園で活かしてください。
保育課の指導係の先生たちに無視されたら、また、ここにお知らせください。
掛札
]]>
さて、時節柄、感染症がひろがるのを防ぐのはとても大事なので、保育園Ns.さんのお尋ねを先に。並木由美江先生がすぐにお返事をくださいました。ありがとうございます。
並木先生のお答え以外にも、皆さんの工夫をお知らせください!
(次は、9月22日にいただいたお尋ねです。)
ーーー質問ーーー
もうすぐ嘔吐下痢の流行の季節ですが、オムツ替えシートの消毒を皆さんの園では、どのように対応しているのかが知りたいです。私のところでは「お尻がシートに直接ついたら、ピューラックス溶液に浸して絞った布で拭く」となっています。これについて、はっきり、「めんどくさい」と言ってくれた先生がいます。
必要な作業とはいえ、一度に10〜20人のオムツを替えていれば、お尻がつく機会は何回もあります。見ていると、お尻がついた後の対応は先生によってまったく違います。そんな中で「めんどくさい」と勇気を持って声をあげてくださった先生がいることは、改革のチャンスだと感じています。
コストがかかる方法は上から許可がおりないので、最低限のコストでてきる方法、かつ保育者が「めんどくさい」と感じない方法を模索中です。
アルコール入りのウエットティッシュで拭いたらダメか?とも聞かれたので、以前使っていた物はアルコール入りといっても濃度が低い(安い)物だし、そもそもアルコールはノロウイルスやアデノウイルスには効かないとお伝えしました。
他の園の皆さんの対応を知り、流行前に色々試して、より良い方法でやっていきたいと考えています。よろしくお願いいたしますm(_ _)m
ーーー回答ーーー
並木先生のお答えです。全国保育園保健師看護師連絡会のDVD『保育園における感染症対策』にも入っているそうなのですが、このDVDは現在、品切れ、再度制作準備中だそうです。
(以下、並木由美江先生)
オムツ交換の流れは、★尿の場合★、まずズボンを脱がせたら、汚れたオムツをつけている状態で新しいオムツをお尻の下に敷き込み、汚れたオムツを内側に丸めるようにはずします。お尻は新しいオムツの上に乗ってる状態になりますから、そのままオムツをあててテープで止めれば交換終了。あばれてしまわない限り、シートにお尻を乗せることはないと思います。
でも、学生などに、何も言わないで「オムツ交換してください」と言ったら、ほぼ全員が汚れたオムツをパッと取って、お尻は一度シートに触れます、そして新しいオムツをヨイショと差し入れていました。そうではなくて、最初に新しいのを差し入れておくことで、シートにお尻も触れず、スムーズに清潔に交換できますね。
★排便の場合★は、DVD(現在品切れ・制作準備中)でも紹介してるように、新しいオムツを防水紙(※)ではさんでから、排尿時と同じようにしてお尻の下に敷き込みます。汚れたオムツと新しいオムツの間にある防水紙で、汚れたオムツを包みます。排便の場合は、お尻がシートに触れてなくても、使用後は次亜塩素酸ナトリウム希釈液を雑巾などに浸したもので消毒します。
こうすれば、排便の時と、排尿でお尻がついてしまった時だけの消毒ですみますから回数はそれほどではないかと思いますが、いかがでしょう?
(※)防水紙とは、ツルツルした光沢紙面の広告紙や、生協等の光沢のある製品案内紙です。予算があればペット用シートなども使えます。私は生協を使っている職員に協力していただいて、ゼロ円ですませてました。なお、新聞紙では防水効果無しなので感染防止にはなりません。
…だそうです。並木先生、ありがとうございます。「防水紙ってなに? 高いんですか?」と思わず聞いてしまった掛札に、ちゃんとお答えくださってありがとうございます!
]]>
「週明けの平日に延期になった運動会のため、明日日曜日、職員が集まって打ち合わせをすることになりました」
とのこと。
現状からすると、あちこちで洪水や停電などの被害が出ます。電車は日曜日の昼まで動きません。打ち合わせをできるとは思いませんが…。それぞれの家庭(保育士)が被害対応をしなければいけない明日や月曜日に打ち合わせというのは、ありえないと私は思います。「無理です。行けません」ではダメですか?
]]>
運動会での組体操の危険は少しずつ共通認識が出来てきたと思うのですが、飛び箱はどうでしょうか? そもそも子どもにとって、練習させられてできるようになることはすごいことではないです。危険が伴うことも頑張らせる保育に疑問を持つのは私だけでしょうか?
ーーー
お答えというよりは、掛札の個人的意見ですが。
跳び箱はじめ、「体育」と言われるものがすべて限りなく嫌いだった元・子どもとしては、「その通り!」と言いたいところですが、今の趣味が筋トレという私にとっては、悩むところでもあります…。
まず。LISKO先生、ちょっと考えてみてください。組体操、鉄棒、雲梯、ジャングルジム、跳び箱は、それぞれリスクが違います。どう違いますか?
組体操(人が積み重なるもの)は、下の人が巻き添えになるリスクがあります。他の4つには、まずそれがない(もちろん、遊ばせ方がへたなら誰でも巻き添えになりますが)。次。鉄棒、雲梯は、そこにつかまることができない子どもには、ほぼリスクがない。跳び箱も「跳ぶ」という行動の練習が必要。ジャングルジムは一段のぼれたら上まで行けてしまう。私は、組体操(巻き添え)、ジャングルジム(一段=一番上=落ちたら死ぬ可能性)は危険だと言います。でも、ジャングルジムも外側に子どもがいるぶんには、おとながつくことができる。鉄棒も雲梯もつくことができ、落ちそうならおとなが手を出せる。跳び箱は、練習中、横につくことはできるけれども、実際、「跳ぶ」となったら横についているわけにはいかない。だから、落ちる時は落ちる。鉄棒も雲梯も落ちる時は落ちるけれども、跳び箱と比べれば「横についている」ことができる可能性も高い。
このように考えると、確かに跳び箱は危険です。じゃあ、跳び箱をやめるか。そうなったら、鉄棒も雲梯もやめるっていう話になっていくような気がします。運動嫌いだった元・子どもとしては、「跳び箱なんてないほうがいい!」と思いますが、指導者つきで筋トレをしていると、「あの時、教え方がもっとうまかったら、私も体育嫌いにならなかったかも」「私もできたかも」と思ったりもするのです。
なにより、こちら(『ぜんほきょう』の記事)に書いた通り(「安全」6-1や「コミュニケーション」のA-1にも別の見方で書いてありますが)、ケガの程度は、そこに至るできごとの良し悪しとはほぼ無関係なのです。ずっと、すいすい、跳び箱5段を跳べていた年長さんが、ある日、手をすべらせて落ちて骨折するかもしれない。一方、私は小学校でもぎりぎり4段しか跳べなかったへたくそだったけれども、体育でケガをしたことは一度もない。
『ぜんほきょう』に書いた通り、人間、かすかな段差でつまずいて頭を打つことも、腕の骨を折ることもあるわけで、二本足で歩き、とんだりはねたりしている以上、ケガ自体を恐れていたら、どうしようもない。特に子どもは、です。
やりたくない子、できない子にむりやり活動をさせるのは危険ですし、本人が恐れているからリスクも上がるでしょう。でも、子どもの「やってみたい」「できるようになった」は大事じゃないかと。LISKO先生がおっしゃっている「頑張らせる保育」は、たぶん、「やりたくない子」「できない子」にむりやり…のほうをおっしゃっているのかなと思いますが。
いかがでしょ?
]]>
次は9月14日のLISKO先生のご質問にお答えします。私のつたない回答に「役立った」とおっしゃってくださった先生方、ありがとうございます! 保育園Nsさん、ご質問の件、並木先生に「めんどくさくない方法」をお尋ねしています。
では、お2人の声から。
(はな先生)
幼稚園、小中学校は休校、場合により会社もお休みになるのに、保育園は「危険のないように」みたいな掲示や連絡で協力を求めるだけ! 保育園こそ事前にはっきりお休みを示してほしい、行政側から。小さな子を連れて園に向かうのもおかしい。働く職員も交通機関が止まれば勤務できない,行けないという罪悪感につながります。
台風の季節になるとドキドキします。いかがでしょうか?
(はまっこ先生)
Twitterで、停電中の保育園で働く保育士のつぶやきを読み、自分がその立場だったらと、とても不安になりました。保護者と子どもを少しでも助けてあげたいという思いと、熱中症の不安、自分自身ふらふらの状況での保育で事故が起きないかなど、頭の中でぐるぐるしてしまいました。この思いを今現在している保育士さんがいることに胸が痛みます。
もうひとつ、断水の場合についてもアドバイス頂きたいです。
ーーー
なんてお答えしようか、むちゃくちゃ悩みましたが…。保育園が「福祉」の枠組みの中で運営されている以上、枠組みとしては「開所してください」になります。こればかりはどうしようもありません。トップページ下「最新情報と大切な情報」の中室さんの記事(日経。今は上から3つめ)の最初のグラフにある通り、保育園に子どもを預けている保護者の大半は、今、「(少なくとも経済的には)福祉を必要としない人たち」なのですが、法律的な位置づけはいまだ、「保育園=福祉」です。
ただ、8-1に書いた京都市の事例の通り、自治体も変わってきています。無理に「開所しろ」と言って人的被害が出たら自治体にも責任が生じかねないからです。特に、日本列島の西半分は、昨年、複数回起きた気象災害で態度がかなり変わったようです。最も公共的なサービスである鉄道がきっぱり「動きません」と言うようになったから、というのは大きいと思います(鉄道で通勤している人はとても少なくとも)。
日本列島の東半分、特に関東周辺が台風の大きな被害に遭ったのは、今回の台風がほぼ初めてです。そして、今回は、予防的対応も遅れ(鉄道は中途半端に運休して状態を悪化させた。職場は「通勤は自己責任で」的な呼びかけ=「出勤しろ」)、被害把握も遅れ、その後の対応も遅れ、さんざんでした。
次の台風害、水害が起これば、状況は変わるでしょう。災害対応に関しては、この文化はそれなりに学ぶので。特に、自治体や企業は自分たちの責任を避けようとします。鉄道が普通に一日全面運休するようになれば、関東周辺は「保育者も出勤できません」と言うことができます。
今回の千葉県や神奈川県の被害をもとにして、(8-3に書いた通り)「広い地域で停電や断水の可能性があります。保育者も出勤が困難です。安全に保育をできる状況にはありませんので、登園を見合わせることをお勧めします」と言うしかないでしょう。ここではっきり、「安全に保育をできる状況にはない」と明言すべきです(8-3に書き加えました)。
はまっこ先生が断水についてお尋ねですが、断水だけでなく、停電(エアコンが使えない)、雨漏りなどすべて、要するに保育者が保育に専念できない状況を生む被害が生じた時には、一斉メールで「〜のような状況です。保育に専念して安全を確保できる状態にありません」と伝えることが肝要かと…。むろん、「安全に保育をできない」と言っても登園する保護者はいるでしょう。でも、「こういうリスクがあります」と言っておいたかどうかは、万一、深刻事象が起きた時の説明として不可欠です。
そして、先生方が不安を感じるのは当然です。「なにがなんでも、保護者のためにうちの園は保育します!」と言える人たちのほうが、心理学的には不思議です。災害は自分の命にも影響を与える危険性があるのに、その恐怖を無視できる人たちなのですから、生き物として不思議(自治体や法人/企業本部が「開所しろ」と言うのは、そもそも他人ごとなので当然)。
数年前と確実に違うのは、今回のような被害がこれからは増えるという点です。となれば、「とにかく開所!」は変わるはずです。人的被害が出る前に変わってほしいところですが…。
さて、お答えになっているかどうか…。
]]>
(これで8月末までにいただいた質問、コメントにはお答えし終わりました! 今日の時点であと4つ、お尋ねをいただいていて、うち2つは台風関係。台風に関しては9月15日に加筆したこちらもお読みください。)
ーーー
そして、Kasu先生からのお尋ねです。夕方の時間、16〜17時の延長保育を外ですることについて、どうか?という内容。特に、「降園する子や保護者の把握が難しい」とのことです。
降園する親子と、まだ保育中の子どもたちが園庭で混ざることのリスクですよね。その話だと思って書きます。書いていらっしゃる状況からすると、園庭で遊んでいる子どもたちと、降園する親子が混ざるように認識しました。とするなら、危険です。
1)保護者対応をしている職員は、他の子どもを見ることができない。でも、園庭にいるから「見ているつもり」になる。危険。
2)保護者が園庭にいるのだから見ているだろう、になる。実際には、皆さんご存知の通り、保護者は見ていないことが多い。危険。
3)帰る親子にくっついて出ていってしまう(他の)子どもがいる危険性が高い。
昼食前や午睡後に遊んでいる時は、「遊んでいる子どもたち」だけですから、先生たちの注意の払い方は1種類で済みます。ここに「保護者がいる」という要因が加わり、注意の払い方が2種類必要になります。保護者との会話に没頭してしまうことも往々にしてあります。さらに、「降園時、自分の親がいることで保育時間中とは行動が異なる子どもがいる」ことによって、注意の払い方が3種類、必要になります。私は、この状況で園庭遊びさせることはお勧めしません。
では、降園する親子は園庭とはまったく無関係な所を通る場合は? 降園が多い時間帯に園庭遊びをすることは、もともと私は賛成しません。職員が保護者対応をしていて、手をとられているからです。これは、登園時も同じです。先生方が、子どもの活動にのみ集中できる時間帯に園庭遊びをさせる、それだけでは不十分なのでしょうか。
ちなみに、園庭で保護者が子どもを遊ばせていることもあります。これはいっそう危険です。これについては、「コミュニケーションのトピックス」のB−1に「送迎時に園庭で遊ばせない。安全は保護者の責任」があります。
]]>
まずは、マーちゃん先生からです。すごく遅くなってしまってごめんなさい!
ーーお尋ねの要点は以下の通りですーー
夏休み、年長児が園外施設に行き、山登りや沢登りをする。今年は前夜が大雨警報、土砂災害警戒情報、市内は避難勧告。でも、翌朝の天気予報は晴れで、実際に快晴。その施設からは「朝の時点で警報が出ていなければ大丈夫、朝の判断」と言われた。
その翌日に合宿に連れていったのは、正解だったのか? 園の判断基準の一つに、「中止にしたら保護者からクレームが来る!」という点があり、その判断基準はおかしいと(掛札の講義から私は)確信していた。
もちろん、沢登りも山歩きも変更して最低限の危険は施設の職員さんと相談して避けたが、結果オーライでよかったものなのか。
ーーお答えですーー
1)今回に関しては、施設側が「朝の時点で警報が出ていなければ大丈夫」と言った(=責任の一端を背負った)ので、まあ、それは良しとするべきかと。施設側が「ダメ」と言ったら、園も中止するでしょうし…(しないかな?? いや、すると思いたい…)。あ、施設側が「大丈夫」と言った、その記録は絶対に残しておくべきです。あとで「そんなこと、言ってません」と言われかねないので。
2)とはいえ、ここ数年の雨は過去のものとは違いますので、警戒情報が出ていなくても、増水や土砂崩れが起こるリスクはゼロではありません。川遊びをしなければ増水は関係ないかもしれませんが、土砂崩れはわかりません。
3)1も2も、最終的な判断基準にはなりませんね…。では、どうするか。鍵になるのは「中止にしたら保護者からクレームが来る!」という部分です。その通りです、わかります。でも、ここで重要なのは、常にこの逆を考えなければいけないという点です。ちょうど「8−3」を加筆したので、そこにもまたちょっと書き足しますが、これはすでに「1−2」の例5(最近加筆分)にも書いた内容です。人間は自分が責められたり、批判されたりするのがいやなのですが、その逆にいる「自分(たち)に同意する人たち」の存在は忘れがちです。
つまり、保護者の中には、愛媛県西条市で起きた死亡事故のようなことを知っていて、「昨日があんなだったのに、川に行くんだ。心配…」という人がいるはずなのです。この人たちは当然、「きっと大丈夫だろう」という感情も持っているので、事前にわざわざ「今日、本当に行くんですか?」とは言わないでしょう(ただし、重大事故が起きたら、「心配」と思わなかった人たちも一緒になって「危ないと思っていた!」と言うはずです)。この「心配している保護者たち」を無視することはきわめて危険です。
ですから、前日の段階で「施設はこのように言っており、晴れの予報ですから実施の予定でいますが、心配な親御さんのお子さんは園で過ごします。(お弁当はお持ちください。)」と掲示と一斉メールで伝えておくべきでしょう。もちろん、「右へならえ」のこの文化ですから、心配だと思っていても「うちの子は行かせません」と言う保護者は少ない(いない)でしょう。でも、「選択肢を出して、選んでもらった」ということにはなり、保護者も「園におまかせ」の態度を減らしていくかもしれません。
発熱や体調不良であれ、災害であれ、保護者が自分で決められないのでは…です。保護者はいろいろな考えと要求を持っています。園にできることは、「できること」「できないこと」「すること」「しないこと」をきっちり切り分け、保護者に伝え、選択肢の範囲内で保護者に選ばせること、です。
同じことは、暑い時期の「屋外活動カード」についても言えることです。「園の暑さ基準は緩すぎる、うちの子は出してほしくない」という保護者はいるのですから、その声を無視するのは危険です。
いかがでしょうか。
ーーーー
続いて、tiny先生とけい先生、コメント、ありがとうございます。お2人の内容がかなり似ていて、混ぜるとプライバシーの保護のためにも良さそうなので、まとめて。どの内容がどちらの先生に向けて書いていることかは、ご本人にはおわかりになると思います。
はい、どこの園も「暑さ」や「危なさの判断」をめぐっては、いつもいつも大変です…。
先生たちの園は暑さ指数が「危険」でなければいいということになったのですね。指数計をコンクリの日向に出して「暑くなりすぎるから」はないですよ。だって、それが子どもたちが感じている現実なのですから。まあ、それを言っても無理ですね、「とにかく外へ出すことが大事」と思っている先生たちには。しかし、指数計をしまい込んで、その場所の値を使うというのは…、いやはや。その先生はリスクの深刻さを理解していないとかではなくて、それ以前です。都合の悪いことは見ないようにする、見えないようにする、というのでは「他人の子どもの命を仕事として預かるプロ」として失格ですよね。
「1−1.気づき」にもチラッと書きましたが、人のリスク感覚はまったく違います。楽観バイアス(「私(たち)には悪いことは起きない」と感じる認知の歪み)の程度も、人によってまったく違います。何を危ないと思い、何を大丈夫と感じるかは、人によって違うのです。それは重要な多様性であり、たとえば特に、「なんでもさせてあげよう!」という保育士さんの仕事においては楽観バイアスがある程度、強いというのは価値でもあるのです。一方、看護師さんたちの場合、個人の楽観バイアスの程度とは別に、職業上(医療現場で働いたことがあれば)、「命の危険がある」という予測は持ちやすいのです(看護師や医師以外で、「これは死ぬかも」と平静に考えられる人はなかなかいません。看護師さんの価値については、拙著『子どもの命の守り方』に書きました)。
自分のクラスはある程度、「外へ出す」「出さない」を決められても、他のクラスには口出しできないと思います。力関係もありますから。でも、一応、「こういうことだとは思います」と伝えて(うちのサイトでもなんでも)、「それでも外へ出すなら、私にはどうしようもない」と線引きするしかありません。「こういうことだと思いますから、私のクラスはこうします」と伝えておかないと、もし万が一、他のクラスで重大なことが起きた時に「言っておけばよかった」というよけいな後悔が生まれるからです。もちろん、言っておいても後悔はすると思いますが、言っておかないよりは良いと思います。
保護者のリスク意識も楽観バイアスも、人によってまったく違います。上の答えにも書きましたが、心配している先生たちと同じように感じている保護者もいるのだということは、しっかり頭に入れておきましょう。人間は文句を言われるのがいやなので、文句を言ってくる人(たいていは、「外遊びさせて」「災害でも預かって」の側)の利益に傾いてしまいます。でも、実際には「遊ばせないほうがいいですよね」「私も仕事を休みにして、子どもと家で過ごしますね」という保護者もいる、そちらとしっかり手をつないでいきましょう。
私の悲観的すぎる予測だという希望を持って書いておきますが、来年が昨年の夏のように長期にわたって暑かったら、東京オリンピックではかなり大変なことが起きるでしょう(なんだかんだ言って、今年の夏は、8月しか暑くなかったのです)。そうなったら、この社会もさすがに「学ぶ」のかもしれません。
]]>
1)ペンネームでもちょっと危ないかもしれないので、名前は書かないでおきますね。新人保育士の対応に困っている先生からです。
先生、そういう人、少なくないですよ。「なんでも『はい』と返事をするのに、実はまったくわかっていない」「記録や事実を確認せずに、適当に答える」「指示通りの作業ができていないのに、しているふりをする」…、そして、こうした点について指摘しても、まったく悪びれず、謝ったとしても一向に変わらない。ここまではけっこう聞きます。ここから先は、2つの型に分かれるようですが。
1)仕事自体が散漫。
2)ひとつの作業には集中できるが、別のことが一切できない。
まあ、2つの型のうち、どちらであっても、結局、仕事は進まず、子どもたちの様子に合わせることもできず、先生がおっしゃるように、まわりの先生たちが疲れ果ててしまうのですが。
どうすればよいか。根本的には「辞めていただく」しかありません。保育の適性がないので。他のケースでも私、けっこう「それは改善の余地がありません。適性がない人ですから辞めてもらってください」と言います。そうすると必ず、「アタマ数が足りないのに、辞めさせることはできない」と皆さん、おっしゃいます。でも、私がこれまで見聞きしてきた場合ですと、まわりが本当に疲れてしまって、その一人のために周囲の数人が辞める、または辞めそうになるのです。それでは結局、アタマ数は足りなくなります(それも、質が下がる方向で)。もちろん、公立では辞めてもらうわけにいきませんが、その場合、異動を繰り返して、なんとか定年までひっぱるというのが現状のようです(役所に異動させて、役所が大変なことになった事例もありますけど…)。
保育士の適性(もともと備わっていなければならないもの)の中には、コミュニケーション能力があります(必要な適性とスキルのリストを、いいかげん私もサイトに載せればいいんですよね…。頑張ります)。それができない人は、そもそも保育士になってはいけない。実はこれ、高校の進路指導の問題なのです。高校の進路指導の人たちに「乳幼児をみるぐらい、誰にでもできるだろう」という偏見があるのだと思います。まったくの間違いです。高度なコミュニケーション能力、人の話を理解して実行する能力がなかったら、保育士、幼稚園教諭になってはいけないので。
「辞めていただく」がどうしても無理なら、とにかく子どもの命に関わることはさせない、他の職員の負担が増えるような作業もさせないことです。『心の仕組みを知る本』にも書きましたが、人間は誰でも、「これが自分自身の課題だ」「ここを変えたい」と意識できれば、少しずつ変える(変わる)ことができます。でも、「これが課題」「変えたい」と思わなかったら無理です。先生がおっしゃっている方も、あるいは、たとえば、子どもやおとなに対して怖い声を出していることに自分では気づかないという方も、保育士、幼稚園教諭の適性を欠いていますから。
園長先生は「アタマ数が…」と言うでしょう。その時は「そうしたら、他の先生たちが辞めますよ」と言ってください。早晩、保護者から文句が出てくるかもしれません。それも辞めていただく理由にしてください。
養成校に入学する人数が減り、にもかかわらず保育士のニーズは高い現状では、適性を欠いた人であっても「資格があるから」というだけの理由で雇われてしまいます。でも、あと5年程度、待機児童が多い地域でも10年ぐらい経てば、園も保育士も淘汰の時代に入ります。その時に質の高い保育をしているためには、全体を壊すような先生には早く辞めていただくしかありません。残念ながら、次に来る人の質の保証は誰にもできないのですが…。
----
2)クマ先生、園の仕事と家庭の両立、プラス、園の中でも主任の仕事とクラスの仕事の両立。読むだけで「大変そう…」と感じました。
はっきり言いますね。「クマ先生にとって、今、そしてこれからの数年、一番大事なことはなんですか?」。選びましょう。選んだら、「私が選んだんだから」と、一瞬迷ってもそのまま、行きましょう。でも、半年ごとに「今、大事なことは?」と考え、修正していきましょう。
保育士という仕事は、「手に職」ですから、ずっと同じ場所にいる必要はありません。家族を優先させて、今は辞めて、数年後、戻れるなら同じ園に(立場は下がっても)戻る、あるいは別の園に就職するという方法もあります。今の園がどんなに好きでも、「つらい」という気持ちが蓄積していったら、「好き」という気持ちがだんだん侵食されていってしまいます。保育自体がいやになってしまう可能性すらあります。
あるいは、「今の仕事を手放したくない」なら、とにかく犠牲には目をつぶって頑張る。でも、先生の健康がそれで害されるリスクはあります。10年前、20年前に比べると、書類や作業の量が格段に増えたと、私のまわりの先生たちは言いますから、かつては(別の誰かが)できたとしても、今のクマ先生にできるとは限りません。まして、その「昔の誰か」は、今、先生の目の前にいないのですから、比較のしようがないですよね。先生にとってつらいのですから、それは「つらいこと」なのです。他の先生と比べてはダメです。
私の立場からすると、「クマ先生の心がこれから先、つぶれてしまわないようにするにはどうすればいいか」を考えることがとにかく最優先だと思います。「この1年間、がむしゃらに仕事をする!」はできるかもしれませんが、「これから10年間、がむしゃらに仕事を頑張る!」は、私はお勧めしません。それによって、先生の心、家族が壊れてしまうリスクがあるからです。
いかがでしょう…? お聞かせください。どちらの方向に向かいたいとお感じですか?
1)まずは、「心配な保護者さん」からです。遅くなってしまって、ごめんなさい! こちらは幼稚園なのかな?とは思うのですけど、このような給食提供法というのを初めて聞いたのですが、他にも「小学校の調理室から給食が配食される」という園がありましたら、ぜひ教えてくださいませ!
ーーー
コメントありがとうございます。先生のホームページで今後も勉強をして、安全に育児をしていくために参考にさせて頂きます。もう一点、ご相談があるのですが、もしお時間がありましたら教えてください。
我が子の通う園では、給食が小学校との共同調理場で作られています。従って、提供される給食が小学生向けになっていて、内容に不安な点があります。以下です。
?煮物などに丸こんにゃく(一口大)のものが頻繁にでる
?1口ゼリーが出る
?ブドウ(皮付き)が出る
?ソーセージやイカフライが出る、です。
先生のホームページを参考に、以上のものは窒息の恐れがあるという旨を伝えようと思っています(一度、園長先生に直接尋ねましたが、共同調理場では対応できないと言われたそうで、直接、管轄の教育委員会管理栄養士さんに問い合わせてほしいとのことでした)。
小学校に隣接しているため、共同調理場からの給食の配給は仕方ないのかと思うのですが、共同調理場からの配給の場合は、給食ガイドライン(園児用)のものは適応されないのかな…などと思っています。
以上の点以外でも、小学生向けの食材や調理方法や量という面も気になっています。3歳児もいる園なので、先生方もキッチンばさみを使って小さく切ったりとして下さっているとは聞きました。年少は今年度も補助の先生がついての指導になっています。年中と年長は保育士1人で対応しています。
下の子どもが、窒息事故を起こしたこともあり、来年度の入園をどうしたら良いか悩んでいます。一度、教育委員会に問い合わせてみたいのですが、私の上げた食品の危険性を伝えて代替えしてもらうことが可能かを聞くことで十分でしょうか? 難しい場合、園でキッチンばさみを使って対応とのことですが、その場合は安全面で十分と考えて良いのでしょうか?
何度も質問してすみません。よろしくお願い致します。
ーーー
心配な保護者さん、何度お尋ねいただいても大丈夫です (^^)v お尋ねの件ですが、並木由美江先生にもお聞きしました。並木先生は保育園だけでなく、療育センターでも看護師をなさっていたのですが、弁当類は調理元では個人対応をしないので、療育の場合、施設に弁当が届いた段階でその子に合わせて切ったり刻んだりしていたそうです。先日、ニュースにも載せましたが、連携ミスで「切るはずの子どもの食事を切っていない」ということが起きないよう、非常に細かく確認をしていたとのことです。
?煮物などに丸こんにゃく(一口大)のものが頻繁にでる
?ひと口ゼリーが出る
?ブドウ(皮付き)が出る
?ソーセージやイカフライが出る
1〜3は自園給食の保育園でも幼稚園でも出ています…(イカフライは聞きませんが、ソーセージは出ているかも)。ですから、園で心配している先生たちもいます。こんにゃくは丸じゃなくても、「んぐ」となるリスクはありますから、切ったほうがいいと思います。
ひと口ゼリーは、小さいカップのものですよね。こんにゃくゼリーほど弾力性がないのでいいのではないかと言われますが、あれはスプーンですくって食べられる大きさではないために、どうしても、顎をあげて上を向いた状態で口の中に落とすような食べ方になりがちです。そうすると…。はい、ご心配はごもっともです。心配だからひと口ゼリーをやめたという園はあります。園でわざわざ食べなくてもかまわないタイプの食べ物ですから。死亡事例は聞いたことがありませんが…。
ブドウは山中龍宏先生たちの「傷害速報」(日本小児科学会)を見ると、巨峰で死亡事例があります。ミニトマトと同じ材質、サイズですから(半分に切るべき)。デラウェアはけっこう先生たちが心配します。さやに入った枝豆同様、口の中に「飛ばす」ような形で食べるからです。かといって、幼児さんの場合、デラウェアを全部、皿に出してから食べさせるというわけにはいかず…。悩むところです。
ソーセージは皮が噛み切りづらいという問題があり、小さく切っても詰まるリスクがあります(英国の保育園で輪切りのソーセージで死亡例あり)。その点ではイカ(フライでもなんでも)も同じです。
「過去に誤嚥窒息を起こしたことがあり、咀嚼と嚥下にまだ不安があるので」とお伝えになって、「切ってください」と言う以外には方法がないと思います。代替えが可能とはあまり思わないので…。そもそも未就学児の食事を小学校の給食施設で作っているという時点で、自治体は安全や質ではなく、別のことを優先させているのでしょうから。
おまけですが、小学校低学年にも誤嚥窒息のリスクはあります。学校給食のウズラの卵で亡くなった事例、白玉で亡くなった事例など。小学校低学年は歯の生えかわりで、それも奥歯が替わる時期です(年長時は前歯中心)。そうすると、奥歯で噛もうと思ったら奥歯がない…(本人もびっくり、ですよね)。この頃、ようやく「小学1年生の事故のリスク」が言われるようになってきましたが、それは誤嚥窒息も同じ。小学校に入ったとは言え、心理的にはまだ未就学児に近い。でも、環境は小学校で、本人も周囲のおとなも小学生の気持ち。この年齢はややこしいのです。
もちろん、人間、いつかは必ず、丸こんにゃくも食べますし、ウズラの卵も丸のまま食べるようになります。「だから、園で出してもいいだろう」という理屈はありますが、私は「他人から預かっている子どもの命に対して、責任を負う危険をおかしてまで『練習』をする必要はないですよね」と言います。ただし、心配な保護者さんもずっと読んでいておわかりの通り、クラスの先生たちや看護師さんたちが(数人や一人)心配していても、園はそう簡単に変わりません(私立園であっても)。「安全」の5−3にも置いてあるこの兵庫県の事例集も参考に、園と話し合っていただけるとよいかなと思います。
いかがでしょうか? また、結果をお知らせくださいね。
ーーー
2)さて、次、はまゆげ先生、お待たせしました!
ーーー
いつも大切な情報をありがとうございます。自園での具体的な取り組みにつなげています。今回は、とってもモヤモヤすることがあり、ご意見を伺えればと思い書き込みました。大津市での交通事故の裁判報道のことです(私自身、この事故には衝撃を受け、深い悲しみを感じています)。
裁判の様子については、テレビをはじめ、様々なメディアでの報道がありました。そこで加害者(になってしまった)被告は、「罪の意識薄い」とも言われて(報道されて)います。
以下、2019/7/18付日本経済新聞 朝刊より引用
「罪の意識薄い」 保護者ら悲しみ
検察官が事故に巻き込まれた園児らの名前を1人ずつ読み上げると、法廷にすすり泣きが漏れた。保育園児ら16人が死傷した事故で17日に開かれた大津地裁の初公判。新立文子被告(52)は手元の資料に目を落とし、終始うつむいたままだった。
白い薄手のシャツに黒っぽいズボン姿で出廷した新立被告は傍聴席を向いて一礼し、証言台へ。裁判長から起訴内容に間違いがないか問われると、小さな声で「ありません」と答えた。
保護者らの代理人弁護士によると、遺族や保護者ら少なくとも25人が傍聴した。新立被告は被害者参加制度を利用して検察側に座った遺族らと目を合わすことはなかった。
「罪の意識が薄いのでは」。代理人弁護士は閉廷後に記者会見し保護者の声を紹介した。重傷を負い入院中の女児(3)の両親は「反省が見受けられない。言葉を交わせないなら態度で謝罪の意を示してほしかった」と話したという。
(引用終わり)
社会的にとても大きな事故であったということは、もちろん承知していますが、この裁判に関する報道内容は、被告を抹殺(社会的にも、もしかしたら本当の意味での抹殺…自死?)してしまうものに思えます。こうすればよかった(これも無茶な話ですが)というものではなく、ただただ責めるだけの報道。大きな違和感を感じます。
今回の事故は、罪の意識よりも、激しい後悔と申し訳ないという気持ちが出るのではないのでしょうか。(推察ですが。)
登戸での殺傷事件は、明らかな殺意があっての”事件”。今回は不注意での”事故”です。日々交通事故・死亡事故の報道はされています。中には小さいお子さんが亡くなってしまった事故も少なくありません。が、今回ほど加害者を抹殺するような責め立てる報道はされていないように感じます。こんな、失敗をしてしまった人を責め立てる風潮に乗っかってしまっていいのでしょうか? (テレビ報道を目にした時にも感じましたが、決定的だったのは、この裁判の記事が当園を運営する本部から、わざわざメールで送られてきたことです。)
ぜひご意見をお聞かせください。
ーーーー
以下、まったくの私見ですが…。大津の交通事故自体、当初は社会と報道側の不勉強ゆえに「物語」に仕立てあげられそうになりました(「なぜあんな所に子どもたちが?」「園庭がないなんて」等々)。そこらへんはネットの力のおかげで取り下げられました。記者会見で園長を泣かせるような質問をし、園長の号泣シーンを報道が撮って、「物語」が終息しました(それ以外は「交通事故」以外の物語性が報道の立場としてなかったからでしょう)。その後、「加害者」のほうへ報道の関心は移ったわけです。その後の市原の事故もあって、「保育士さん、ありがとう」という不気味な物語になりかけましたが、さすがに保育士さんたちがゾッとしたのでしょう、これも短めに終わりました。
今は必ずしも「報道=マスコミ」ではないので、ネットも含めて「報道」と呼びますが、報道はとにかく「物語」がほしいのです。物語を読みたがっているのは、報道を読んでいる私たちも同じです。そして、物語に必要なのは、「悪者」ですよね。今回の「悪者」は、右折した車の運転者です。それだけのこと、と言ってしまったら悪いかもしれませんが、実際、それまでのことです。
はまゆげ先生、ちょっと考えてみてください。この右折車の運転者が55歳の男性だったら、このニュースを読んであなたは同じように考えましたか? これが22歳の女性だったら? 22歳の男性だったら? おそらくはまゆげ先生の感じ方はそれぞれ違うはずです。実際、今でも私のまわりでは話題になりますが、あの記者会見で号泣した園長先生が男性だったら、社会はどう感じたでしょう? 逆に、あの女性の園長がまったく涙も見せず、理事長、副理事長と同じように淡々と回答したら? あるいは、同じ理事長、副理事長が号泣していたら? 「物語」に対する感情的な反応は人(=解釈の背景をいろいろ持った人たちそれぞれ)によって違うので、このようにひとつ条件を変えるだけで、はまゆげ先生の感じ方も、私の感じ方もまったく違うのです。
ちなみに、交通事故は「事故」ですが、どんなに自動車自体の安全設備が良くなっても、対歩行者、対自転車に対する安全を確保する最後の砦は運転者です。そして、自動車は高速で走る鉄の塊であり、乗っている側には人を殺す力さえ与えるハザードです。右折で焦れば、あるいは注意を欠けば、玉突きで歩行者や自転車に害を及ぼすことを運転者は理解していなければなりません。私自身、米国で左折車(=日本で言う右折車)にぶつかられていますから、この点ははっきり言います。私がぶつかられていなかったら、こんなふうには言わなかったかもしれません(ね、違うんですよ、解釈する側の条件によって、人の認知は)。
ところが、運転者は「大丈夫だろう」(楽観バイアス)を強く持って運転をしている。「大変なことになることもある」という事実を理解してもらうために、報道は重要です。
最後。本人に「罪の意識が見られない」という部分ですが、心理学の視点からすると、本人もいまだに現実感がないのかもしれません。特に今回の場合、右折車は直接、子どもたちの中に突っ込んでいませんから、よけいにそうなのかもしれませんが、それ以前に、人間は非常にショックなことを体験すると現実感覚を失いますから(心が破綻するのを防ぐためのシステム)。この部分は、私の推測でしかありません。
いかがでしょう?
]]>
1)なえ先生から「暑さ指数を下げるために、ミストを使用したり、打ち水をして、暑さ指数を下げてまで、プールにする必要があるのでしょうか」。
2)すう先生から「水をまいたり、日陰をつくったりすることで、市内の観測地点のWBGT指数よりも園のWBGT指数のほうが若干、低くなる。それならプールや水遊びをしてもいいのではないかと言われるのだが、どうか。市の観測地点をもとに、市からは注意のメール等が来るのだが」。
3)tiny先生から「実測で暑さ指数が『危険』なら戸外遊びは中止としているが、水をまけばよいだろうと責任者が判断して、クラスが遊んでいた。保護者にも『計測は水をまいた直後に行う』と掲示している。自園に近い観測地点が『危険』でも、一時的に自園の環境が下がればいいという判断だが、これでいいのだろうか」。
4)下の「暑さ2題」にkana先生から「寒気」についてコメントをさらにいただきました。kana先生、ありがとうございます。体温調節機能が変調をきたすのでしょうね…。
ーーー
では、お答え。というか、お答えにはならないと思いますが。
掛札に書けることは、8−2の内容だけです。実際、「熱中症とみられる症状で子どもが搬送された」という園からの報告も聞いていますが、命には別状がないのでしょう、ニュースにもなりませんし(「園児を熱中症で搬送」というニュースはない。事実は起きているのに)、私が詳細を書くことも当然できません。
私に書けることは、8−2の本文の最後、「『子どもが遊びたがるから』で死んだら?」以上にはありません。人間には「楽観バイアス」があります。「私たちの園は大丈夫」、そう思わなかったら保育なんてできるか!という状況なのはわかります。でも…。私と同じようにひどく心配している先生たちの園で、熱中症による死亡事故(やプールの水死←熱中症が原因で倒れたのかもしれない)が起きた時、ひどく心配している先生たちの心はもちろん、「きっと大丈夫」と進めた先生たちの心もつぶれるのが予想されるだけに、どうしていいのか、まったくわかりません。地球は暑くなっていますから、状況は悪化します。今年でなくても、いつか間違いなく、園でお子さんが熱中症で亡くなります。それまで、皆さんが(私も)心配しながら夏を過ごすのかと思うと…。
1)なえ先生、そう考える先生もいるでしょう。人間の「価値とリスクの判断」には一人ひとり、大きな差があります。
2)すう先生、観測地点よりも自園のほうがWBGTが低くなるというのは珍しいように思いますが、それは逆に、市に訊いたほうがいいと思います。市は、市の観測地点を元に話をしているわけで、実際に事故が起きた時には「どうして?」と言われるでしょう。その時に説明しても遅いですから、「私たちの園はこうなのですが」と、毎日の実測値を市の保育課に示してみてください。
3)tiny先生、8−2に書きましたが、「それでよい」と言う保護者の子どもは良い、とみなすしかないかもしれません。だから、「屋外活動カード」のようなものを作って「うちの子どもは、園の判断基準を下回ったら外へ出していい」と表明してもらうべきなのです。「心配だな」と思っている保護者はカードに丸をつけない、という消極的意思表明ができるのです。
ただ、「厳重注意なら大丈夫」と書いていらっしゃるようにお見受けするのですが、下の項に書いた通り、救急医学会は「厳重注意でも、子どもの外活動は原則中止」としています。「それでも、『危険』ではないのだから、外遊びをする」と園が言うなら、それはそれまでです。私に言えることは。
以上、「そもそもプール活動自体をするの?」という部分(1−7の後半)は不問に付して、暑さに関してだけお答えしました。暑さの中で、通常よりも体力を消耗するとわかっているにもかかわらず、どうして外遊びをさせようとするのか、私には理解ができません。8−2に書いた通り、気温が体温に近づけば体温調節は(おとなでも)できず、熱中症になります。一方、気温を28度かそれ以下に下げた室内で活動すれば、汗もかき、体温調節もできます。子どもの発達にとってはそれで十分です。「夏ならではの遊び」とか「夏はプール」「外で汗をかかなければ」といった「これまではそうだったのだから」では、急速に変化しつつある地球の気候のもとで子どもを守ることはできないのですが…。
お答えになっていませんが、以上です。
]]>はまゆげ先生、考えてます。少々お時間をください。むちゃくちゃ難しいテーマだ…。
さて、本題。
与薬について研修会でお尋ねをいただきました。ネット上でいろいろ調べたうえで、並木由美江先生(全国保育園保健師看護師連絡会前会長、日赤幼児安全法指導員)にも確認しましたので、お返事します。
お尋ねを要約すると… 「抗生物質の与薬は(与薬すると)決まったものだからいいのだけれども、アレルギー用の錠剤(レスタミン等)や点眼薬、点鼻薬は『症状に応じて』と言われるので断っている。それでよいか」。
ーーー
1)まず根本的な条件は、なんであれ「医師が処方し、投与を指示したもの」であること。
2)抗生物質に関して。抗生物質は抗菌薬であり、ウイルスが原因となる手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱/プール熱、RSウイルス感染症等には効きません。ですが、いまだ医師の中には、「かぜ=抗生物質」という人がいるのも事実です。
一方、黄色ブドウ球菌(とびひ)や溶連菌などは、菌に合った抗生物質を決められた期間つかうことで効果が得られますが、耐性菌も増えてきているそうです。また、急性中耳炎の場合、耐性菌がすでにかなり蔓延しているそうです。つまり、菌感染よる疾患であっても、どの菌なのか、耐性菌かどうかを確認して抗生物質を投与しなければ。意味はないということになります(この内容を保護者、医師に伝えられるかどうかは別として、事実は以上の通りです)。
3)(菌が合っていて、効果がみこまれるという条件のもと、)抗生物質は確かに、投与すると決められた時間に投与するという点が明確です。では、「症状に応じて」という薬(例:食物アレルギー用の錠剤、点眼薬、点鼻薬)は投与・使用するべきではないのか。
これもまた、今、掛札が研修会でお話ししている「価値とリスクを天秤にかける」です。以下の通りに考え、私も並木先生も、「(抗生物質は朝晩投与で断ったとしても)アレルギー用薬は投与・使用してよいし、すべき」と考えます。
・アレルギー用薬を投与・使用する価値:かゆみや発赤を軽減することができる。
・アレルギー用薬を投与・使用することに伴うリスク:副作用。投与・使用する子どもを誤るリスク。
・アレルギー用薬を投与・使用しない価値:「これくらいなら使わなくてよかったのに」と言われるリスクがない。
・アレルギー用薬を投与・使用しないことに伴うリスク:子どもがかきむしったり、こすったりして状態を悪化させる。
子どもはかゆみを我慢できませんから、かゆければかきますし、こすります。その症状を緩和する目先の価値は、(おそらく抗生物質と比べても)大きく、使用しないことに伴うリスクも大きい。一方、医師に処方されている薬ですから、その子どもで深刻な副作用が出ないということはわかっているはずです。もちろん、眠気などの一般的な副作用はありますが、価値を考えれば受容することのできるリスクです。
では、投与・使用する子どもを誤るリスクは? 医師でも看護師でも薬剤師でも調剤・投薬ミスはします。保育園の職員がミスをしないなどということはありえないと社会は理解すべきです。かつ、保育園で預かる薬は、万が一、投薬ミスがあっても危険が大きくないものであるはずです(誤って飲んだ子どもにとっても、結果的に投薬されなかった子どもにとっても)。
よって、「症状に応じて」という条件下で預かるアレルギー薬は、「価値>>>リスク」です。
4)問題があるとすれば、アレルギー用の錠剤や点眼薬・点鼻薬を処方されている子どもがアナフィラキシー様の症状を呈した時に、「この子は薬を処方されているし、アナフィラキシーではないはずだ」と考えてしまうことでしょうか。
これまでアナフィラキシーを起こしたことがない子どもでも、突然、アナフィラキシーを発症することはあります。ですから、症状が強かったり、口のまわりや呼吸に異常がみられたりした場合でエピペンがないという時には、すぐに搬送すべきです。
アレルギー用の錠剤等は症状の寛快までに時間がかかるものですから、アナフィラキシーの場合に使用するものではありません。
今回は、特にアレルギー用の薬の話でしたが、以上のように理屈で考えてみればたいてい解決できると思います。
近々、発熱などの体調不良時のコミュニケーションのポイントについても、サイトのほうに書きますね…。熱が何度ならお迎えを要請するのかとか、熱がなくてもとか、医者が「登園していいと言っているけど」…とか、いろいろありますので。
]]>
さて、タナカ先生からいただいた質問です。
3歳児が食材(スープの具材のえのきか、鶏肉の香味焼き)をのどに詰まらせた時に保育士がおこなった処置についての質問です。
保育士は2名いました。児に「口を開けてごらん」を声をかけると児は開口し、大きな声で泣き続け、顔色が真っ赤だったとのこと。保育士は児の喉に白色の塊を発見、児の背中を叩いたところ、食べた物を全部吐いたとのことでした。吐いた食材が喉に詰まって窒息した事例がある、と伺ったので、今回のような場合、どのような処置が適切だったのでしょうか。赤十字社の指導教本によれば咳を促すことになりますが、その男児の母親は、男児が食材をよく詰まらせる、といいます。男児の口腔内の形状、機能、嚥下の機能等を診ていただく必要もあるでしょうか。
ーーー
並木先生にいただいたお答えです(つまり、息はできている(泣いている)ようだがむせていない(咳をしていない)という場合は、息はできていても「自分で出す」反射ができていないのだから、頭を下げて背中をたたくということになるようです。ここで大事なのは、気道内異物除去の方法通り、「頭が下がった姿勢にする」という点でしょう。
(以下、お答え)
咳はしていない、むせていない、泣いている、ということでしたら、乳児の場合、のどに詰まっている以外の可能性も考えられます。たとえば、口の中にワカメなどがへばりついたなどの違和感です。これでも泣くことがありますの
お尋ねのケースは3歳児、顔を赤くして泣いていたということですので、
]]>
続いて4人の先生方から。ひとつひとつお答えさせていただきます。
1)カナ先生からです。
いつも沢山の情報ありがとうございます。気持ちが緩みかけてしまうことも…。しかし新たな情報やニュースに気を引き締める毎日です。
朝の食べ物について、何を食べたか、どれだけ食べたか、は子どもの様子を考える指標の一つだと思います。アレルギーの遅発反応や運動誘発性アレルギーについても何時頃に何を食べたのか、は大切な情報です。★牛乳アレルギーで朝コーンフレークにかけて食べてきて軽く症状がでた★という経験があります。保護者の方は大したことない等と暢気でしたが、預かる側としてはドキドキしたまま、お迎えを待ちました。「軽い症状」というのがとても厄介だと思っています。こんな程度で、文句を言われてもお迎えをお願いしていますが・・・。遅発症状というのか、その時は発疹・発赤程度でも後ほど下痢症状が止まらない等ということもあります。事例を知るほどにコワさを感じる食物アレルギーです。
お答え:はい、おっしゃる通り、家で食べている食事(食材)の情報はきわめて重要です。だから、私はてっきり、以上児さんたちも食事の内容を書いてきているものだと思っていたのです(8−2の中にある「午前の脱水」の話ですよね?)。牛乳アレルギーでコーンフレークに牛乳かけるなんて、たとえ遅発型でも危険なんですが、なんでそういうことをするのか…。理解できません。
でも、のんきに「牛乳を口にしました」と言ってくれるだけよいのかも。発症して「家では食べていません」「園でしょう?」だったら、冤罪になりかねませんから。そのうち、そういう事例が出てくるんじゃないかと危惧している今日この頃です。園と違って、家でできあいの惣菜や弁当を食べていたら、実際、何を摂取しているかなんて、保護者もわかっていない可能性がありますし。
2)アキ先生です。再投稿、ありがとうございます!
お忙しいのにお手間を取らせて申し訳ありません。質問を簡潔にする訓練と思って、再度送らせていただきます(汗。)昨年12月より、先生のHPを参考にした気づきボードを導入して参りました。件数はかなり集まっています。職員の意識も変わってきているのを感じています。その中で、よりよい集計の方法を教えていただけないでしょうか? 現在、トラブル・非トラブルに分け、単純集計をしています。先生方がもっと書きたい!となるような集計方法があればご教授願います。宜しくお願いいたします。(先生の睡眠、お食事の時間を優先してご返答ください。全然急ぎませんので…ご自愛くださいね)
お答え:アキ先生、「件数がかなり集まっている」とのこと、ぜひ一部だけでも拝見させてください。「こういうふうに分けるんですよ〜」ということをお伝えしますから。この視点がわかると、がぜん、「気づき集め」(1−1)はおもしろくなります。あとでメールしますから、気づきの個人名の部分を全部消して、スキャンしておいてください。場所(クラス名)は残しておいてください。同じ場所で同じことが起きているというのは、非常に重要な情報なので。
他の園の皆さんも、気づきが集まったらおっしゃってください。これは実際に集めたものをもとに分類して考えるのが、最も効果的ですので。
3)おおしろ先生からです。
乳幼児の睡眠時の横向き寝について質問をさせていただきます。私たち保育園では睡眠時うつぶせ寝・横向きはあおむけにするようにと職員会議などで決めて実施をしていましたが。勤務している看護師が「乳児の睡眠時ミルクなどの嘔吐などがあった場合は横向きで寝ている場合が安全なので、あおむけ寝と横向き寝は両方いいのではないか? 医療の現場では右位と左位という医療用語もあるので、横向きは危険ではないです」との意見を頂きました。
色々とネットなどで情報を収集してみましたが、医療現場を経験している看護師に意見を言われてしまい、困惑している状態です。掛札先生のお書きになったトピックを活用させて頂き園内研修を行っていますが、上記の件について掛札先生のご意見を頂きたくコメントを送らせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。
お答え:まず、子どもを寝かしつける時の体位は「あおむけで」というのは、欧米でそもそも家庭向けの突然死予防の呼びかけ(Back to Sleep。このbackは「背中」という意味)として始まったということをご理解ください。家庭で子どもを寝かしつける場合、その後、保護者も眠るわけですから、睡眠チェックはできません。横向きにしていたら、その後、うつぶせになる確率が上がります。だから、「横向きでもダメで、とにかく周囲に何もない状態で、タオル等もかけずにあおむけに寝かせましょう」と言っているのです。そして、もちろんこれは自分で自由に寝返りが打てるようになるまでの赤ちゃんの話です。自分で寝返りが打てるようになれば、自分で横も向くでしょうし、うつぶせにもなるでしょう。でも、家庭の場合、亡くなるのはたいていが寝返りのできない0歳児なので、寝返り後に何か起きても、そこはしょうがないわけです(保護者が眠れなくなってしまいます)。
保育園では、保育士が一緒に眠ってしまうわけではありませんから、逆に横向きでもよいのかもしれません(睡眠チェックを確実に、5分おきにしているのであれば)。けれども、東京都の監査ではすでに「横向きはダメ」と言われているのです。これは、上の「家庭向きのアドバイス」をうのみにしたもので、確かに道理には合わないかもしれません。ですが、監査で指摘されているという事実を考えると、お子さんが横向きで寝ていて亡くなった場合、保育者、園の責任を問われかねない、そういう意味で、私や並木先生は「横向きも原則、ダメ」とお伝えしているのです。
「うちは東京都じゃない」…、でしたらぜひ、ご自身の自治体の保育課にお問い合わせになることをお勧めします。自治体の言質をとっておくのです。看護師さんが医療の現場でどのように学ぼうと、残念ながら、今、保育の現場で言われていることは違う場合があります。自分たちで判断せず、自治体にお尋ねになるほうがいいと思います。
「嘔吐している時や咳き込んでいる時は横のほうがいいのでは」とおっしゃる方は多いのですが、米国国立研究所のサイトには、「あおむけにしたからといって誤嚥や嘔吐が増えるわけではない」と書かれています(こちらのページの下のほう、赤ちゃんのイラストの真上)。
この点で私がいつも申し上げるのは、「嘔吐していたり、せきこんでいたりしたら、集団の中で寝かせず、先生の横に置いたり、職員室に寝かせたりして、5分どころではなく、こまめにチェックしますよね。だから、その時にその子が自分にとって楽な体位(うつぶせ以外)をとることは当然だと思います」です。
4)最後、とやと〜先生です。2点。
1つは職場の残業についてです。普通勤務で17:15に終わるところ、18:30、19:00....大きな行事が近くなると20:00......21:00.........22:00ということもあります。もう疲れきっていて、日中に事故が起こらないことを祈るばかりです。昨年度末には、早番7:00(実際は6:30に出勤)から22:00まで働き、残業代は2時間でした。やる気がなくなります。
2つ目は、子どもたちを怒鳴る保育士がいることです。気に入らない行動をする子どもは怒鳴られます。誰もいない遊戯室で怒鳴って、そのまま子どもをひとりで暗い遊戯室に残します。何か事故が起こったらどうなるのか不安です。子どもたちは怯えており、隣のクラスに逃げてきます。廊下からその保育士の声が聞こえると物陰に隠れます。怒鳴る保育士は、もしかしたらどこにでもいますか? どうしてあれほどまで怒鳴るのか。一度壊れた子どもの心を修復できるのか心配です。
お答え:1については、労働基準監督署に労働時間の実態を報告することをお勧めします。報告しなければ、組織の問題は何も変わりません。もちろん、「誰が報告したんだ!」ということにはなりますが、不満を持っている職員はたくさんいるのでしょうから、その点は問題になりません。
報告しても自治体が動かないというケースもあります、「職員で上司と話をしろ」と言われて終わり、というケースもあります。その場合、自治体に伝えた上で、不満を持っている先生方で一斉離職することを常に私はお勧めしています。そのような園は子どもにとっても保護者にとっても職員にとっても悪い園です(安全の側面だけでなく)。集団離職する日に、玄関に理由を書いた紙を貼るなり、保護者に配るなりしてください。マスコミは「一斉離職なんて!」と書き立てていますが、それは保育者のわがままではない、ということがそろそろ理解されつつあります。今なら、(よほどの過疎地でない限り)仕事はあります。たとえば、NPOの今年のニュースページで、「沖縄県読谷村」と検索すると、離職→保育園設立のニュースが出てきます。
2については、その先生の音声を録音し、SNSのアカウント(適当に作ってください)で公開することをお勧めします。たとえば、NPOサイトの今年のニュースで、「SNS」で検索すると小倉で録画して投稿した事例、「録音」で検索すると熊本で録音して証拠として使った事例が出てきます。その保育士が運営者の親族だったりすると、運営者に言っても聞かないでしょう(この手のケースは山ほど聞きます)し、自治体も動かないでしょうから、最後の手段は「公表する」です。
1も2も、いずれの方法も難しいことはわかっています。でも、運営側がそのような事態を放置していて、先生方が「これでは子どもにとってよくない」と思うのであれば、園を存続させることに加担するべきではありません。重大事故や職員の自殺、過労死といった事態に至った時、「なぜ、私たちは声をあげなかったのか」と後悔するだけですから…。
]]>どのスレッドのコメント欄でもかまいませんので、コメント欄を開いてください。スマホの場合、画面の下のほうの見づらいところに「コメントを読む、書く」があります。探してくださいませ〜。
名前を書いてください、あくまでもニックネームで。本名でもかまいませんが、新しい質問スレッドにする際は、掛札がニックネームにしてしまいます。誰かの投稿に対するコメントの場合は、本名ではそのまま「公開する」を押せませんので、ぜひともニックネームで。
コメントに質問を書いて、送信ボタンを押してください。すぐには表示されませんし、すぐには回答できませんので、数日、お待ちください。
]]>
遅くなってしまって、申し訳ありません。並木由美江先生からお答えはいただいていたのですが、掛札にまったく時間がなく…。吹田の事件、昨夜の地震など、その場その場で情報提供することや対応することがこのところ多くて…。今も夜中過ぎです。最近、睡眠時間と食事時間がきわめて圧迫されています…。
そしてこのブログ、お尋ねにこちらがお返事をしても、その後、「答えを読みました」や「ありがとう」が近頃ほとんどありません。私も並木先生も、このブログやNPOのサイトに関しては完全にボランティアです。「でも、そのぶん研修会等でお金をもらっているのだろうから、返事をするのは当然」とお思いになるのかもしれませんが…。疲れてくると、だんだんキレてくる掛札です。ある日突然、この質問ブログやNPOのサイトがなくなったら「そういうことか」と思ってください。
ーーーまず、きむ先生からいただいたお尋ねです。−−−
発熱の子どもの対応についてです。現在は、発熱したらアイスノンをしていますが、横になっていなかったり、嫌がったり、また、0才児など、バウンサーで寝ている場合、逆に危ないのかなとも。園内研修をする予定ですが、何が正しいのかわかりません。
脇を冷やすバンドもありますが、これは熱性けいれんを持っている子のみ、対処策で使用することがあります。
アドバイスをよろしくお願いします。
ーーー並木先生のお答えです。−−−
アイスノン等を使う目的には、2つあります。熱を一時的に下げるためと、気持ち良くしてあげるためのもの。
熱を一時的に下げるには、クーリングポイントである脇の下、首の両側、足の付け根のあたりにあてますが、保育園では脇の下にクールパックなどを当てるのが一般的かと思います。「気持ち良い」と感じるためのものは、背中やおでこに当ててあげますが、本人が嫌がっている場合は無理に当てる必要ありません。
熱性痙攣の既往の有無にかかわらず、本人が身体が熱くて冷やすのが気持ちよければ冷やしてあげましょう。ただし、発熱前、寒気がして手足が冷たいときは、まだ冷やしません。また、熱があっても横になっていなくても良いです。子どもにとっての「安静にする」ということは、その子の過ごしやすい時間の過ごし方ですから、絵本でもオモチャでも。
もし、眠っているときは、貼っているものがはがれて鼻口をふさいでしまわないよう気をつけましょう。
アイスノンを当てるときは、肩や背中の下になって身体を冷やしすぎないように当てますが、眠ってしまったら外しても良いです。頭を冷やすの同じ。こちらは「気持ちが良い」と感じるためのものですから。
ーーー次に、そら先生からのお尋ねです。−−−
(掛札の研修会で)「のどに詰まり泣いたり、咳が出ているなら息をしている。だからまず観察して。いきなり背中を叩いたりすると息を吸い込んで、奥に入るから」と聞きました。私も、いままではすぐ背中を叩くようにと伝えていたので、目からウロコの情報でした。(掛札注:この1−7の中にある「誤嚥窒息時の注意」のことです。)
その園内研修後、ベテラン保育士から「観察しているよりも先に、背中を叩く等の処置をがベストだと考える医療関係者数人から確認をとって来た」と。背中をたたくことで物は奥に入らない。観察ファーストは処置が遅れるので、それは違うのでは?と聞かれました。
ここで、大事なことは子どもの命を守ること。それは互いに認識してます。
◯観察
◯具体的な処置
どちらも必要ですよね。
さて、そこで先生にお尋ねいたします。
誤嚥の救急救命の、まず、することの行動を時系列で細かくご教授ください。
ーーー並木先生のお答えです。−−−
観察は大切です。
子どもが、食事中に、または遊んでいる時に急に咳き込んだら、異変に気づいたら、物がのどに詰まったかもしれないと疑い、まずすることは、他の人を呼ぶことです。
この時、強い咳き込みができていれば、
?本人に咳き込ませる
自分で取ろうとしているのを妨げないこととして、この時は(背中等を)叩きません。
強い効果的な咳き込みができない(弱まってきた)場合、次に救助者(保育者等)が行う救命処置として、以下の2つの方法に移ります。この時119番通報もします。
*この観察と判断は速やかにします
?背中を叩く:ポイントは頭を低くしてたたくこと、ただし足をもって逆さにしては危険なのでやってはいけない。
?腹部突き上げ:へその上でみぞおちの下あたりを瞬間的に突き上げる。乳児や妊婦では、危険なのでやってはいけない。乳児は胸部突き上げ(胸骨圧迫)をします。
?と?を繰り返し、異物が取れるまで行い、取れても医療機関に受診させる。
取れないまま意識なしになったら、心肺蘇生を開始し、救急隊に引き継ぐ。
この一連の救急処置において、なにより「観察あり」で初めて、速やかな手当てにつながることになります。乳児では、最初の観察から強い咳き込みができず、咳も出せないまま「ウッ」となっていたら、すぐに??を行うことになります。今、どの状態なのか観察、判断し、今すべきことを知ってください。
「流れ」に関するお答えとして、赤十字社の指導教本をお示しします(下の画像)。私たちはこれに基づいて指導しています。
(掛札補足:指導教本にある通り、「自分で咳をできる」場合は、「自分で咳をさせる」、つまり、咳き込むという人間の体が持っている自然な行動のじゃまを「叩くこと」でしてしまわない、ということです。後ろから背中を叩かれて驚き、その時に口に入れていたもの〜この場合はホットドッグの中のソーセージでした〜が喉に詰まり、植物状態になった子どもの事例も米国にあります。「背中を叩くことでモノは奥に入らない」という意味はよくわかりませんが、驚いた(または、驚いたのと同様の)状態になった結果、喉や気管にモノや食べ物が詰まった事例は多々ありますから、咳き込むことでせっかく出てきていたモノや食べ物が、背中をむやみに叩いていることでもう一度、喉や気管に入る可能性は否定できません。なにより、むやみに叩くことで観察がおろそかになる危険性があります。)
]]>
がみ先生、「プールをやめ、外遊びも暑さ指数を考慮して中止する」という内容に対する保護者の方の反応についてですが、一部の保護者の方が「残念」「やらせてほしい」「別の園にいる下の子はしているのに」とおっしゃるのは、当然のことです。人間にとっては目先の益(この場合は「子どもが楽しい」)が基本もっとも大切であり、そもそも起きるかどうかすらわからない害(熱中症や水死)は無視できるのです、認知上(『保育者のための心の仕組みを知る本』に書きました)。
でも、その親御さんのお子さんが亡くなったら? その親御さんは「私があれだけ言ったからいけないんです」とおっしゃるでしょうか? おっしゃる方もいるとは思います。でも…。そのお子さんが亡くなったこと、それも他人である保育園の責任下で亡くなったという事実は変わりません。子どもの命は失われ、保護者も保育士も傷つき(「傷つき」どころではありませんよね)…。
「価値とリスクのバランス」は常に重要です。ですから、私がお話をしたとしても、今でも大多数の園は「プール活動をする価値」「30度を超えても外遊びをさせる価値」を優先させているのでしょう。それがダメだという権利は私にも、誰にもありません。でも、ここ数年間の動向を考えた時に、保育園でお子さんが亡くなることのリスクが命以上に大きくなっていることは認識するべきだと私は考えます。そのリスクを、園が、先生たちがどうお考えになるか、です。子どもの成長と命に最終的な責任を負っているのは、保護者です(虐待等がない限り)。ですから、プールや暑熱下の外遊びという、子どもの命に園の責任が関わってくるリスク(と価値)は、保護者が自分の判断と責任下ですべきことです。
「このお母さん/お父さんを悲しませたくないから」、プールをする、暑熱下の外遊びをする、という選択は合理的でしょうか、子どもの命と育ちを保証するうえで。
もうひとつ。これはどんなことにでも言えることですが、人間は「これまで続けてきたことが変わること」に心理的な抵抗を示します(これも確か『心の仕組み』本に書いたこと…)。「ステイタス・クオ・バイアス(status quo=現状)」と呼ばれる認知の歪みです。入学、進学、就職、転職、結婚、離婚、なんでもそうです。人間は(生き物は)「変わること」が大嫌いなのです。一方、人間は変わってしまったら、けっこう早くその状況に慣れます。もちろん、このバイアスの強さも慣れの速さも個人差がありますが。
いかがでしょうか。
]]>
1)まずは、りさ先生から
研修で拝見した、人が飲み込むときを現したアニメーションが探せません。どこから見るのか教えてください。
オムツ児のプールに関して、「プール用のオムツがダメとは書いてないのにダメなのか?」と医療職から質問がありました。プール用のオムツは尿がもれることがないとメーカーが応えているが、それは信用に値するのか疑問です。しかし、ガイドラインにも、プールオムツなら可能ともかいていないし、不可とも書いていません。どう説明しようか迷っています。
2)そして、青華先生からです。
ヒヤリハットの事で質問なのですが、職員には「毎日必ず、ヒヤッとしてハッとすることがあると思うから、ヒヤリハットは簡単でいいので、必ず書いて」と伝えていますが、受け入れてもらえていないのか、ほとんど書いてもらえません。どうしたら、理解してもらえ、ヒヤリハットを書いてもらえるようになるのでしょうか? 「あなたの施設長としての力不足」と言われたラそれまでなのですが…。
1)りさ先生に。
まず、嚥下のアニメは、「安全のトピックス」の1−7の中、「誤嚥窒息は大きく2つ:喉か気管か」の項にある「こちらのアニメ」というものです。
おむつ児さんについてですが、その先生のご質問が逆です。「水に他児と入れるなら、プール用のおむつをはきなさい」とガイドラインに書いていないからダメ、なのです。厚生労働省が「これなら良い」と考えるなら「良い」と書きます。感染症ガイドラインではあちこちに「こうしなさい」と書いてありますよね。それが「良い」から「こうしなさい」と書いてあるのです。「良い」と書いていないということは「ダメ」ということで、「書いていないのだから良いではないか」と解釈して集団感染が起きたら園の責任になります。いかがでしょう。メーカーはもちろん漏れないと言います(熱中症予防には、イオン飲料を飲ませろと飲料企業が言うのと同じです)。では、それをうのみにして園が「ガイドラインには『良い』と書いていないのにプール用おむつをはかせて他児と入れ、集団感染が起きたら?」、「ガイドラインには『ダメ』と書いていなかったから」では負けます。
2)青華先生に。
「施設長として力不足」なんて言いませんよ〜。ヒヤリハットは職員(保育士、看護師、調理師、管理栄養士等)みなにとって、「自分の失敗」と思われがちなので、出てこないだけです。失敗を自分から言いたいという人はいませんよね。そこの認知を変えていかなければいけないのです。
「安全のトピックス」の「1-1. 日常の「気づき」を深刻な結果の予防に活かす」を全部お読みいただき、「落ちているもの」だけでもなさってはいかがですか? これはヒヤリでもハッとでもないから、出しやすいのです。
]]>
ーーー
まず、なおちゃん先生から、です。
「質問内容ですが、『オムツをしている児はプールに入れない件に関して』保護者への説明をする為に資料を集めていますが見つかりません。良き資料がありましたら、よろしくお願いたします。」
★NPOのサイトの1−7の一番最後のほうにあります厚生労働省の「感染症対策ガイドライン(2018改訂版)の30ページの一番上です。または、1−3の一番上の項目。この件は、いろいろ説明する必要はありません。「2018年に改訂された厚生省の感染症対策ガイドラインで〜となりましたので、水がたまった中には入れず、水遊びをします」で十分です。
ーーー
もうひとつ、さゆ先生から。
「私が就職した園では園長、主任、事務長が以上児用プール(実施はクラスごと)、2歳児用ビニールプールを分担して監視してくれています。保護者にはプール予定日であっても人手がないときは中止や泥遊びになると伝え、園長先生は自分が休みや出張の日は人手があっても泥遊びと言っています。(主任や事務長がいても)ありがたいです。
その分、掛札先生の記事で裁判で保育士に責任を押し付けた園長の話を読み、悲しくなりました。」
★園長先生が自ら監視をしているとのこと、「私/僕が責任をもってする」という態度をご自身で示しているわけで、素晴らしいと思います。ただ、園長先生がすれば監視は万全ではありませんし、園長先生が熱中症になる危険性もあります。園長先生、どうぞご無理なさいませんように…。
]]>
まずは、ふみこ先生から。
園で研修内容の報告をした中で、プール活動を行う時の外気温について質問がありました。当園では、園庭の外気温が35度以上でもプールの上に日除けが設置してあるため35度以下になっていることがあります。子どもたちには直射日光はあたりません。その場合は、どちらの気温で考えたらいいでしょうか?
そして、ミミ先生から。
園でもプール活動をどう考えるか話し合っています。その中で、「夏ならではの活動だから」「小学校はプールがあるので、経験させないと」「命を守るための経験として水に慣れるためにも必要(小学校では着衣水泳をしている)」という意見が出ています。これらの意見を私は理解できないのですが、うまく反論出来ないでいます。
ふみこ先生に。
8−2の「外遊び、屋外活動の基準は?」以降に書いた通り、自分の園で明確に決めてください。どちらでもかまいません。両方をそれぞれに使ってもかまいません。とにかく決めて、それを守り、保護者にも伝えるということです。ただし、私は「35度」を判断の値にするというのは、あまりに高すぎると思いますが。8−2に書いた通り、私は「気温に5度足した温度が、子どもの気温」というのが一番簡単だと思います。よって気温35度は40度です。
もちろん、それでいいと決めるなら、それでかまわないかもしれません。保護者には「高すぎる」と思う人もいるでしょうから、これまた8−2に書いた通り、「暑さカード」を作って「うちの子は入れないで」「出さないで」を言えるようにするべきです。
逆に「とにかく外に出して」「プールに入れて」という保護者もいます。でも、その保護者の子どもたちに万が一のことがあったら? 「え、さすがに今日は出さない(プールに入れない)と思ってた」と言われます(人間の「後付けバイアス hindsight bias)です。だから、「出して」「プールをして」という保護者にも「あなたが許可した」という証拠をもらっておく必要があるのです、暑さカードで。
ミミ先生に。
「夏ならでは」…はい。8−2の「暑さに人間は慣れていくのでは?」に書きましたが、アラビア半島の国では1年中、冷房を切りません。40度、50度で「暑さならでは」の活動を外でする人などいないのです。「夏」というものが変わりつつあるのです。今までの「夏」は6月や10月になるかもしれません。ですから、皆さんで8−2をお読みいただき、「夏」の定義を考え直してくださいとお伝えください。
「小学校にはプールがあるので」…、昨年も、暑さのためにプールをやめた小学校が日本じゅうにあります。水のリスクや老朽化から学校でプール自体することをやめている自治体もあります。ミミ先生の自治体はそうではないのでしょう…。では、教育委員会、小学校は、「保育園、幼稚園で必ずプール活動をしてください」と言っているでしょうか。言っているなら、「小学校のために」という先生方のご意見は正当化されますし、プールで万が一のことが起きた時の責任の一端は教育委員会にもあることになります。教育委員会、小学校が「必ずしてください」と言っていないなら、保育園側が忖度(そんたく)してリスクを冒す必要はない、と考えることができます。
「命を守るため」…保育園のプール活動は「泳ぎを教えるため」ではないと思いますから、「水に慣れる」という意味では水遊びでも、家庭で風呂に入ることでも、なんでも一緒です。プール活動はそのひとつにすぎません。そして、大事なポイントですが、水で死ぬのは「泳げない人」ではないということ。さらに、着衣水泳は特別な泳法ですから、水に慣れていさえすれば問題ありませんし、着衣水泳をできているからといって水に落ちた時に死なないわけではありません。
…と、まあ、論理的にはこの通りなのですが、要するに先生たちは「プール活動をやめたくない」わけです。ミミ先生のお立場がどのようなものかわかりませんが、あとはミミ先生が「ごめんなさい、私は絶対に自信がありませんので監視はできません」と言うしかないでしょうね。事故が起きた時には監視者の責任になりますから、「できない」「責任をとれない」人に監視をさせてはいけないので。それは4−4に書いてあります。
2つのお尋ねをいただいてつくづく思うのですが…。人間は楽観バイアスの生き物ですから「うちでは熱中症死もプール死も起きない」と思うわけです。一方、人間はとにかく「これまでしてきたことを変えるのが大嫌い!」(現状維持バイアス、status quo bias)。
でも、断言します。あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園でプール死亡が起きたら、あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園で熱中症死が起きたら、状況は突然変わるでしょう。この文化は、なにかあったら突然「右にならえ」なので(これはこれで大問題な文化)。プール死亡、熱中症死が起きる園が、私が知っている園、私がうかがったことのある自治体の園でないことを祈るばかりです。事故は確率的な事象なので、いつどこで誰に起こるかわかりません。でも、プールをやめればプール死亡という、園にとっても監視をしていた先生にとっても大きな責任になるできごとのリスクはゼロになります。そして、暑い日に外へ出さなければ、プールをしなければ、基本、熱中症死は起きません。睡眠中の異常や食事中の誤嚥よりも、予防はずっと容易なのです。「とてもじゃないけど、命の責任はとれない」、その気持ちのほうが「遊ばせたい」「プールをさせたい」より大きくなってくださいますように。
]]>
さて、2つ一緒に。
1)園のプールが心配な保護者の方から。いずれもありがちな条件ですが簡単にまとめると、「小学校低学年も使うプールなので、胸ぐらいまで水位がある子もいる」「2クラス50人近くが、自由に遊んでいる写真を見た(年中と年長が合同)。先生は2人写っていた」。年末の園のアンケートにこうした内容を書いたところ、「気をつける」という回答だった。具体的な対応を聞こうと思うのだが…ということでした。
2)ゆー先生から。自分のロッカーに置いてあるハサミで、ロッカーにあった友達の服を切った子がいる。切られた子どもの保護者に弁償をするべきか。
1)まず、プールについて心配なさっている「保護者」さんへ。
監視は「指導とは別に置き、監視にのみ専念する」と決められているだけで、人数までは決まっていません(内閣府のガイドラインも、その後の通達も)。水位は深ければリスクは上がるでしょうけれど、鼻と口を覆える深さなら、水深数センチでも息はできなくなりますので、「浅くしたから安心してください」と言われても、安心はなさらないほうがいいと思います。
問題は、とにかく人数です。低学年が使うサイズのプールを想像して、そこに45人が一緒に入っていると考えたら、おとなが何人かかって外で監視に専念していても、みつからない時はみつからないでしょう。それは、こちらの「ライフガードの実験」に書いてある通りです。また、こちらのページの最後にある「うわの空になる自分を体験するゲーム」を見ていただければ、45人なんていうのはとんでもないということがおわかりいただけると思います。これまで、お子さんが亡くなったり、亡くならないまでも溺れたりした事例は、ほぼどれも30人前後を入れています。20人でも、監視1人、指導1人では足りないでしょう。それに、そもそも2人では足りないのです。「トイレに行きたい」と言い出す子もいますし、プールの外で遊び出す子どももいるでしょうから。
「じゃあ、何人なら安全?」「何センチなら安全?」としょっちゅう聞かれますが、私はいまや「プールは、園長、理事長、監視者が責任をとりきれないと思うなら、やめていいです」と申し上げていますので、「何人なら」「何センチなら」は言いません(それで亡くなったら私の責任も問われかねないからです)。まして、去年のように暑かったら…。
もしも私が同じ立場にある保護者だったら、「人数を〇〇人に減らす。指導は〇人、監視は〇人。監視は内閣府のガイドライン通り、監視に専念する」という具体的な説明がない限り、「うちの子はプールに入れないでください」と言うでしょうね…。そして、その説明は、万が一の時のために紙に書いて「これでいいですね」と園に見せるか、「録音させてください」と言って録音するか、どちらかをすると思います。
水位が高くても、50人で入っていても、監視ナシでも、たいてい深刻事故は起きません(だから、その園も「大丈夫」と思ってきたのです)。でも、水位が低くても、30人でも、監視がいても深刻事故は起こり得ます。そして、プール事故の場合の生死は、「早くみつけるかどうか」だけにほぼかかっています。私は、「保護者」さんがおっしゃっている心配は杞憂でもなく、過剰反応でもないと思います。2年に1度は、園のプールで死亡事故が起きているのですから。
あ、そうか。この例を出しましょう。子どもと一緒に外出する時、子どもにリード(綱)をつける親御さんがいます。それを見て、通りがかりの赤の他人が「犬みたいに子どもを扱って。ひどい親!」と言うことがあります。そう言われるのが心配でリードを使いたいけど使えないという保護者の方には、「私の子どもの命を守るのは私です。あなたにとやかく言われる筋合いはありません」と言って、とお伝えします。こちらの5−4の第4回。
お子さんを園のプールに入れなければ、お子さんが園で死亡事故に遭うこともないので、「私が考え過ぎだったのかな」と卒園の時には思うでしょう。でも、入れていたら、どうなっていたかわからない(たいていは大丈夫ですが、運を天に任すかどうかは、保護者次第。まして、園が運を天に任せてはいけない)。これが、不慮の事故の怖いところです。
2)はい、ゆー先生がおっしゃる通り、まだ年長さんではないから、ハサミは集めて先生が管理しておいたほうがよかったのかもしれません。でも、「弁償をします」とこちらから言うべきではありません。子どもにとっては、ハサミというのはおもしろいものですし、きっとクラスで「切る」をしていた後だったのでしょう。子どもの活動を説明して、「ハサミは担任が管理します」と言うだけにとどめるべきです。
なぜか。こちらのB-1の「感染症時期の衣服に関するお願い(2017年12月21日)」にも書いた通り、園では泥遊びも色水遊びもし、嘔吐でもなんでも起きます。それはどこの子も、です。だから、汚れても切れても、最後は捨ててもいい服で保育時間を過ごせるようにすることが大事なのです。「帰り道に出かけるから、帰りにはこの服を着せたい」というのであれば、袋か何かにしっかり入れてロッカーにしまうか、保護者が持ち歩くかすればよいことです(この事例について説明する掲示を作り、そのように保護者全員にお伝えすることをお勧めします)。
もうひとつ。弁償は前例になります。「うちの子の靴がなくなった」「タオルがなくなった」…。前例は次の事例を生みます。
]]>
さて、遅くなってしまってごめんなさい。はなまる先生、うさぎNS先生、はるみ先生からいただいた質問について、並木先生からお答えをいただきました(私がここに載せるのが遅くなったのです、並木先生にもごめんなさい)。長年、保育園看護師として働いていらした並木先生が一番わかっていらっしゃるのではないかと思ってお尋ねした次第です。あ、並木先生と作らせていただいた、救急の訓練用ビデオ(安全のゼロ番)、「保育の安全シート」の「睡眠」、4月に向けて、ぜひご活用ください。ぜひぜひ今のうちに救急救命の訓練を。
さて、並木先生からいただいた回答です。
1. ウオーターサーバーでの調乳について
使用する水の種類によって、自然のものと、
2. すいとんがグミのように硬かった。おやつなので、子どもたちは笑いながら食べてもいた
すいとんは、小麦粉を使った団子状態の食べ物ですよね。
(掛札の補足:「硬いのでは?」と伝えたことに対し、「必要に応じて切っている」といった答えが戻ってきたとのことでした。調理師さんたちの作りやすさも考えると、ある程度かたいほうがいいというのも理解できるのですが…。先生、この並木先生の感想を園で共有してみてください。)
3.
このズレは想定内だということを、まずは看護師の側も保育士の側も知っておくこ
子育て同様にどこまで待てるか。あせらないで、
(掛札の補足:看護師という、立場、見方の違う人がいることの価値と難しさについては、『子どもの命の守り方』に書きました。保育者は「どんどんやらせよう!」とプロ、看護師は「ここは危ないかも」と考えるプロ。違って当たり前ですが、双方がお互いに耳を傾けて初めて、意味があります。「看護師に保育のことなんかわからない」と断言する保育者、園長、リーダー層がいる園では、そもそも看護師を置くべきではありません。一人職場の看護師がつらい思いをするだけですから。一方、医療の現場から来たばかりの看護師の中には、医療的な「白、黒、はっきりさせる!」を保育者におしつける人もいないわけではありません。医療は、終末期医療やリハビリ以外は、白黒の世界。保育は白黒がない世界。それを、両方が理解してつきあっていくことが重要だと思います。)
4. 非正規の職員はヒヤリハットや事故報告を書かなくていい?
ヒヤリハット、事故記録は当事者が書くものです。
(掛札の補足:事故やヒヤリハットの報告は、長々と書かなければならない書式になっていたりして、正規職員でもいやになってしまうことがあります。ですから、まずは、「反省も何も書かなくていいから、事実だけを書いて」ということにするべきです(NPOサイトの「安全」の1−1)。並木先生が書いている通り、他人が書いたら伝聞になり、事実とは異なってしまう可能性があります。事実とはずれた報告をされて困るのは、非正規の先生。だから、簡単な事実を付箋に書くだけでかまわないから書いて、とおっしゃってみてはいかがでしょうか。)
]]>
まずひとつだけ言えることは、「子どもの命を守る」というのは、なにより「職員の心を仕事を守る」だということです。「睡眠の安全2019」や「息ができないできごと、プール、睡眠中の異常」(1−7)を、「読んでみて」と貼りだして、「今の時代、こういう考え方をしなかったら、深刻な事故が起きた時に、職員も園も責任を問われるんだから」という理解を広げることです。もちろん「読む時間がない」「そんなこと、現場じゃ無理」と言う人はいます。でも、日本じゅうたくさんの園(公立、社福、企業、なんでも)が、実際、こういったことに取り組めているのです…。私が勝手に叫んでいることじゃありません。
以前は誰も何も言わなかったこと、ニュースにならなかったことが、今はニュースになり、検証委員会の検証にのり、先生たちの心に傷を残しかねない、そこをわかってくださいと、「時間がない」「現場じゃ無理」とおっしゃる先生方にお伝えしたいのです…。
]]>
こちらのページにある「0.緊急事態時の訓練用動画と解説」が動画。その上の「保育の安全シート」にはイラストの解説があります。この2つの内容を作ってくださっている並木由美江先生の救命救急講習、衛生の研修会はとっても勉強になります!(そして、楽しい!)
]]>
1)まずはエミ先生から、「支援が必要な子どもがあまりに多く、歯ブラシを使うのは危険と考え、今年は導入していない。歯磨きは必要か(3歳児)」というご質問をいただきました。
歯磨きの必要性、これはけっこういただく質問です。私は歯科はわからないのですが、歯磨きの必要回数についてあちこち調べると、歯科に関係しているサイトであっても、言うことがバラバラです。「毎食後」「朝食後と就寝前」「1日1回」…いろいろ。
日本歯科学会は、「少なくとも寝る前は必ず仕上げみがきは行ってください」と書いています。この答えをそのまま解釈すると、「寝る前に仕上げ磨きをすればいい」ということになります。同じ項に、まず「子どもの機嫌のよい時間帯や保護者の余裕のあるときに行い」と書いてありますから、保育園ではそもそも容易ではないことがうかがえます。
保護者の質問でも、こういう回答がありますね(ちえぶくろサイト。下のほうの回答も読んでいってください)。
つまり、保育園でしているのは「歯磨きの習慣づけ」であって、歯そのものをきれいにする(=仕上げ磨きの役割)ではないというところ。これは保護者もわかっている(わかっておくべき=入園の時点から伝えておくべき)点ではないかと思います。
そう考えたうえで、子どもが立ち歩くなかで安全を確保できないと保育士さんが思うのであれば、「静かに歯磨きをするという習慣づけの価値」「喉つき事故のリスク」を天秤にかけて、「今年はしません」または「私たちの園では歯磨きをしません(うがいだけです)」と保護者に伝えるのは理にかなったことだと思いますが…。皆さん、いかがですか? ご意見をお聞かせください。私もちょっと聞いてみます。
あ、喉つき事故については、こちらに東京都消防庁の記事があります。
つまり、保育園では、このページにある「事故防止ポイント」の3が徹底できないから歯磨きを(今年は)しない、という説明になると思います。
2)次は、あい先生へ
内容は非公開ということで、回答だけ。心配しないでください。同じような内容で悩み苦しんでいる保育士さんはたくさんいますから、この文章だけで先生が特定されることは絶対にありません。
どうしても話が通じない同僚。相手の年齢または相手の立場が上で(言いづらく、それでも)こちらがまじめに仕事をしようとしても高圧的に返してくる同僚。そのくせ、園長受けはいい同僚。保育の質も明らかに低い同僚。それを伝えても何も対応しない園長やリーダー層。はい、こんな話は過去10年間、無数に聞きました。今もこれを読みながら、「あ、うちのクラスにもいる!」「私もつらい」と思った先生が何人もいるはずです。
上の文章を読んで「私もつらい」と思った先生、退職・転職していいですよ。というか、転職してください。先生の内容が正しいとするなら、先生がいる園は、そもそも子どもにとって良い園ではありません。「子どもと一緒に遊んでいればいい」は保育ではありませんから。
今からでも4月からの仕事はあるはずです。都市部ではなく、転職できる園がないというなら、いまどき、都市部には数年間の期限つきとはいえ、住宅手当付きで雇用する園もあります。先生自身の保育の質は私にはわかりませんが、先生が心をつぶすほどの我慢をあと数年、する必要はありません。転職してください。先生自身の保育の質を高めるほうに時間を使いましょう。
もちろん、転職した先が先生に合うかどうかはわかりません。どんなに良い園でも、どんなに良い保育士さんでも、やっぱりお互いの「相性」はありますから。だから、保育士というのは「手に職」なのです。先生がしている保育の質が高ければ、あるいはまだ足りなくてこれから伸びるのだとしても、先生に伸びる気持ちと努力があれば、必ず「自分に合った園」に出会います。特に今は、まだまだ保育士不足なので、職はいくらでもあります。10年後にはもう仕事はなくなるかもしれません。だから、今のうちに「自分に合う園」をみつけて、しっかり育ってください。
絶対に無理をしないでくださいね。「保育という仕事が好き」という気持ちが、たったその数人の人たちのせいでつぶれないように…。
3)最後は、シモママ先生、この事例も詳細は公開できませんが、要するに「けっこう重大なヒヤリハット/事故が起きているのに、その後も慌てない他の保育士に「温度差」を感じるという内容です。
危険に対する「温度差」(感情や認知の差)は個人の間で大きいものです。たとえば「心配性の人」と「心配性じゃない人」、これはまず生まれつきの性格の差でもあります。でも、保育士である以上、「これはちょっとおかしい」「これは危ない」という感覚を後付けで身につけてほしいわけです。看護師の中にも心配性の人と心配性じゃない人がいますが、医療現場にいれば何が命にかかわるか、何をすべきかはわかっていく、そういう部分で「身につける」ことです。ただ、医療現場はそもそも命を助ける/守る場所なので、かなりマニュアル化できますが、保育現場はそうはいかない。「もっと、子どもたちにさせてあげよう」「これ以上は危ない」は、マニュアル化ができません。
シモママ先生がおっしゃっている同僚の方は、もともと冷静で、心配性ではないのかもしれません。そのうえで、「ただわかっていない」のかもしれません。あるいは、「たいしたことじゃないから、どうでもいい」という考えかたの人かもしれません。いずれにしても、「これは保育として危ない」という感覚を身につけていってほしいと思っていらっしゃるのでしょう。でも、その先生だけを対象にしても無理です。「例」がなければ、「ああ、こういうことは危ないんだ」「これは心配しなきゃいけないんだ」ということは学べないからです。
なので、ぜひ、「安全のトピックス」の1−1にある「気づき」を園全体でしてみてください。最初は、気づく人だけしか気づきませんし、報告もしません。それが当然です。でも、そこで園長や主任の先生が「気がついてくれてありがとう」「報告してくれてありがとう」を繰り返すことで、「気づくことはいいことなんだ」「報告するのはいいことなんだ」という空気が生まれていきます(1−1に書いてある通り、報告に「反省」や「対応策」を書かせるとこの空気は生まれないどころか、報告しない空気が強くなります)。
健康や安全の感覚に関して、すべての人を一気に同じレベルにすることは絶対にできません。これは健康心理学の鉄則のひとつですらあります。まずは1−1とそこに置いてあるリンク、PDFをお読みになってください。
]]>
1−7にも「これなら安全、詰まらない、はない」と書きましたが、並木先生もやはり…
「完全に安全な形態は示せませんが、食品を提供する専門家の栄養士・調理員が安全に最も近い値を示して作り、
「1センチというのは咀嚼できるサイズでは?」と並木先生はおっしゃっていますが、何度でもくれぐれも言います、「1センチなら、なんでも詰まらないから大丈夫」ではありません。1−7に書いた通り、食道に行かず気管に入ってしまうような食べ(させ)方をしていたら、小さくても(気管に)詰まります。噛まずにどんどん飲み込めば、小さいものでも喉に詰まります。
海苔は並木先生が働いていた所では出していなかったようで、「子どもは海苔が好きなので、家庭では口を湿らせながら食べさせるようにしている」とのことです。
]]>
-------
青エプロン先生、貴重な情報をありがとうございます。
プラスチックは劣化しますが、直射日光に常にさらされたり、強い
磁石がなぜ抜けてしまったのか? 原因がわからないと不安ですから、ぜひ国民生活センターに商品テストの依頼をしてほしいです。
国民生活センターには、消費者から「これは危ないと思うから、原
<たとえば、このページの右側>
方法は2つあります。
「188」(局番不要)にかけると、最寄の消費生活センターに電
電話をかけると、氏名、住所、電話番号、性別、年齢、職業 が聞かれます。これはいたずらではないことを確認するためと、商品テストをすることにな
答える必要はありません。
伝える内容は次のとおりです。
・具体的な商品名を伝えます。
・いつ頃に購入したか、わかる範囲で。保育園で使っていることも
・商品がどのような状態だったかを説明してください(ブロクに投
・子ども用に安全対策がなされている玩具なのに磁石がとれた。と
子どもの磁石の誤飲は、国民生活センターが2018年度の10大
センターに連絡をしてください。
なお、この申し出ですが、園で事故等があると地方自治体を通して
からの申し出かが公表されることはありません。
「餅つきは良いすが、餅食べるの慎重派」先生、餅つきの項にコメント、ありがとうございます。なぜかコメントを「公開」にできないので、コピペして公開しました。…そうですね…。いまどき、「文化の継承」では、世の中、納得しないでしょう。
では、皆さま、今年もよろしくお願いいたします。
さて、青エプロン先生から大事な事例報告をいただきました。製品安全担当の所さんにも共有しますね! ありがとうございます。
ーーーー
いつも参考にさせていただいています。“保育の安全”にマグフォーマの記事が出ていたので事例として報告したいと思います。
私の勤める保育園でもマグフォーマはどのクラスにも大人気の玩具です。製品の対象年齢は3歳頃〜とのことですが、0歳クラスから黒板にパタパタくっつけたり繋げて電車に見立てたりして楽しんでいます。
しかし、あるときひとつのマグフォーマの磁石が抜けていることに気がつきました。なんと、磁石部分にヒビが入って中の磁石が抜けてしまっていたのです。大慌てで職員と全てのマグフォーマを回収し確認しました。幸い抜けた磁石は箱の中に見つかったのですが、他にも磁石部分にヒビが入っているもの、入りそうなものがたくさん見つかりました(特に六角形のものに多くありました)。
マグネット自体が強力なため、プラスチック部分にも負荷がかかっているのでしょうか。原因の特定まではできませんが、マグフォーマは高価なため、なかなか買い換えることもできず購入してから7年ほど経っていたようです。毎日のように遊んでいるので、プラスチックの劣化は相当あるものと思います。これを受けて、劣化している玩具は処分しようという動きになりました。
玩具の定期点検がとても重要だと感じる出来事でした。
なにかの参考になれば幸いです。
私が今、唯一できる答えは、「私/僕はこういう保育士にならないようにしよう」(反面教師にする)と思って、あと数年間、耐えてください、ということだけです。施設長が問題を理解していても、「今は保育士の数が足りないから、とにかく辞められては困る」と言うことがあります(実は、そういう保育者を野放しにすることで、他の「できる」「育つはずの」保育者が辞めてしまうという実害が発生するのですが)。今、日本の保育界はどん底です。国も保護者も「質」なんて考えていない。でも、これではダメだという日が数年のうちに必ずきます(そもそも子どもは減っているのですから、数年後に保育園も保育士も淘汰の時代に入ります)。その時のための訓練だと思って、「こういう人にはなるまい」「こういう人がいても、少しでもいい保育ができるように努力できる人間になろう」と思ってください。その時、そういう保育士は辞めざるをえなくなります。
自分の行動や言動を意識して反芻して、必要なら変える。これができない人は、保育でなくとも「プロ」にはなれません。ましてや、保育は子どもという一番、繊細で大事な存在と関わる仕事なのですから、自分の行動や言動を意識できない人、他人に指摘やアドバイスをされて「ありがとう。そうしてみるね」と言えない人は就いてはいけないのです。保育は、社会の未来をつくる仕事なのですから、本来、人間としても知識・技術・スキルの面でもきわめて高いレベルの人が就くべき仕事です(特に、日本のように保護者が子育てを担えなく/担わなくなっている社会では)。
あい先生、どうぞ、その先生のようにはならないでください。愚痴をこぼす友達、同僚をみつけて、そこでストレスに対処しながら、ご自身の保育を育てていってください。お願いします。愚痴はいつでも書いてください。先生の文章はとてもしっかりしているし、わかりやすいし、論理だっています。どうぞ、先生がつぶれないように、あい先生自身の支援を身のまわりにしっかり作って、サポートし合って、よい保育をできるように育っていってください。
]]>
季節がら、餅つきの件を再掲しておきます。餅つきは、とにかくノロウイルスの集団感染の原因になります。子どもたちがついた(さわった)餅は食べない! 家に持ち帰ったりしない! 鏡餅にするだけ。園でお餅を食べるなら、そのぶんは機械でつくか、検便を受けた人だけがつくか、してください。
]]>-----
開封された牛乳を翌日園児に飲ませる事は出来ますか。管理の仕方など、給食委託業者から受け取ってしまったあとは管理責任はどのようにすれば良いのでしょうか。
牛乳に関してのヒアリハット例聞きたいです。
----
管理は冷蔵庫に入れる、これはわかりますが、後はわかりませ〜ん、調理の先生、看護師さん、園長先生、お願いいたします! 私が知っているこの手のヒヤリハット(「ヒアリハット」ではなく「ヒヤリハット」)は、給食のワゴンの奥になぜか、古い牛乳が置き忘れられていて、それを飲ませそうになってしまっただか、飲ませただか…。それくらいですね。
]]>
あい先生からお尋ねです。
-----
ホースのポットン落としが乳児のおもちゃで良いとお聞きしましたが、うちの園でもチェーン・ホースのポットン落としがあり子供たちの大好きな遊びの1つなのですが、ホースもチェーンもトイレットペーパーの芯にはいってしまうので、危ないのでダメだと上司に言われました。トイレットペーパーの芯に入るものは全て保育現場からなくすべきなのでしょうか。手先を使って遊ぶおもちゃは、乳児には必要だと思うのですが。
-----
あい先生、はい、私は確かに「ペットボトルのフタを2つ、くっつけたポットン落としより、カラーのホースを5センチぐらいに切ったものを」とお伝えしています。フタをくっつけるなら3つ以上。でも、くっつけるのは面倒だから、ならばホース、と。チェーリングも「割れてるのを口に入れたら危ないけど、つながっているなら口に入れても」と言います。
こちら(2−1)の中でリンクしたこの文書にまとめた通り、実は「トイレットペーパーに入るかどうか」という簡単な話ではないのですが、確かに、喉の中に入ってしまうという意味では、「トイレットペーパーの筒程度の穴を通る」は重要です。でも、私がお伝えしているカラーのホースは長さが4センチとか5センチ。つまり、上の文書で言う「32センチ」の穴も通りますが、飲み込めない「長さ」を保証しています。チェーリングも32センチの穴を通りますが、先生たちはたいてい、オリンピックのマークのように横にもつなげたチェーリングを長い鎖にしています(1本だけのチェーリングでは切れやすいから)。そうすると、やはり「長さ」が保証されています。上の文書の2ページの真ん中にも絵入りで書いてありますが、飲み込みきれない「長さ」にするというのは大切です。
ですから、誤嚥、誤飲という意味で危険なのは、2−1の「保育士さんの『これは心配』を基準にして」に書いた通り、上に書いた「長さ」がない、球状または球状に近い、特に表面がつるつる系の、塊状のものです。時々、キッチン・スポンジを切ったものやフェルトを持っていらして、「これも飲み込めますか?」とお尋ねになる先生もいらっしゃいます。もちろん、1センチ角とかであれば「危ないかもね」と言いますが、3センチもあれば「これ、一気に飲み込めます?」と私もお聞きします。「絶対に飲み込めない」とは言いません。鎖につないだチェーリングだって、口に入れていた部分が切れて飲み込む可能性はゼロではありません。でも、チェーリングで窒息はできません…。長さ4センチのカラーホースを噛み切れる子どもはいません…。
うーん。いかがでしょうか。単純に「穴を通る」だけだとそういうことになってしまうのですが…。でも、そう思い込んでいらっしゃる先生に「そうか」と納得していただくのはなかなか難しいかもしれません。人間、一度、「こう」と言ってしまうと、「あ、違っていたのか」と思っていてもなかなか軌道修正できないので…。
あい先生、皆さま、お考えをお聞かせください。
]]>
園として対応しきれない保護者さんがおいでになる場合、自治体に毎回、報告をしてください。会話を録音して自治体にも聞かせてください。精神的・肉体的にこちらが危険を感じる言動、行動を保護者がするなら、動画を撮って自治体に報告してください。力を行使されそうになったら、冷静に「警察に電話します」と言い、電話をしてください。
もちろん、自治体は何もしないでしょう。でも、こちらが泣き寝入りをしないためです。そして、園の弁護士、自治体の弁護士に絶対、相談してください。
いいですか、泣き寝入りをしてはいけません。保育園、保育者の専門は子どものケアと成長・発達の支援です。保育指針になんと書いてあろうと、子どものケア及び成長・発達に関わる以上の保護者対応を園がする必要はありません。それによって、保育者がつぶれてしまうのは本末転倒です。
いまどき、自治体は何もしません。でも、保育園側、保育者側に実害が生じた時、「私たちは自治体に言い続けた」という証拠を残すのです。ファックスとメールで毎回、報告してください。録音も録画も残しておいてください。そして、警察と弁護士に相談!です。
よろしくお願いします。
]]>------
こんにちは。初めての質問です。
インフルエンザのことで質問だったのですが、どこから掛札先生に質問できるのか分からず、随分前の記事ですがここにコメントさせて頂きました。申し訳ございません。
少し急ぎの質問です。
うちの園では、家族の方(同居している、頻繁によく会う祖父母を含む)で、インフルエンザに罹った方がいる場合、本人が罹っていなくても保育園での感染拡大予防のためにお休みにご協力頂きたいと説明しているのですが、果たしてそれは感染予防になるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
]]>
2)衣服の紛失についてお尋ねをいただいていましたが、現在、ご要望をいただき、非公開にしてあります。ですが、かな先生から早速コメントをいただきましたので、掲載しておきます。
(かな先生のコメント)
小学校ではお漏らし、水濡れなどでよく衣服を貸与します。返却しない家庭が結構あります。元々が新品衣服でもないため返して!と強くも言えず、可愛い今時っぽい衣服から無くなっています。時代遅れの衣服は戻ってきます(^^;)下着は新品を貸与し新品での返却となっていますが一向に返してもらえず・・・衣服購入予算もないため100均で自腹購入し、何とかやり過ごすという感じです。世知辛い世の中だなぁと思っています。
(掛札のコメント)
かわいい、あるいはブランドものの靴や服が紛失することは、稀ではありません。自分の子どもにはさすがに使えなくても(同じ園ですから)、リサイクル店にでも売るのかもしれませんが…。
ひとつは、「コミュニケーションに関するトピックス」のB−1の「感染症時期の衣服に関するお願い」と同様に、「衣服は入れ間違いや紛失の危険がどうしてもありますので、園で着る服は『たとえなくなってもよいもの、汚してもよいもの』をお勧めします」としてはいかがでしょうか。行き来はきれいな服でということであれば、棚に朝、しまっておいてもらう、夕方、持ってきてもらうということですむと思うのですが…。
]]>
さて、(台風さえ去ってくれたら)10月1日から1週間ちょっと、日本を離れます。『3000万語の格差』のサスキンド博士のセンター(シカゴ)にもうかがってきます。なので、こちらもNPOサイトも更新が遅れる可能性大です。そのぶん、できる限り米国速報もお伝えしたいと思いますので、NPOサイトの「更新」の所を見ていてくださいませ〜。
台風、被害も少なく、さらっと通りすぎてね〜。
かけふだいつみ
]]>
すぎ先生から、コメントとお尋ねです。来週、シカゴのサスキンド博士のセンターへ行ってきま〜す。
え〜、すぎ先生、そのようなおんぶ抱っこヒモがあるのですね! 知らなかった。どなたか、お試しになっています?
----
掛札先生のトピックス、ニュースを毎月の会議に共有させていただいています。「3000万語の格差」、新保育指針の背景となることが全て書かれていてワクワクして読ませていただきました。外国本にアレルギーがある私ですが、掛札先生のお話の仕方が浮かんでくるような素敵な文章に頬が緩むのを感じながら読ませていただきました。子ども達に素敵な言葉のシャワーを浴びせたいなー、とともに、保護者の方にも伝えたいなー、そして何より職員同士が素敵な言葉の掛け合いが必要かなー、と思います。
自転車抱っこ死亡の話ですが、私の園にもいました。抱っこ自転車。危ないよーと声掛け、新聞記事も掲示しました。おんぶもやめるべきという方もいましたが…。いろいろ考えていたら、避難時に3人抱えるおんぶ抱っこ紐なんていくらなんでも危ないのでは。購入されてる園もあるのでしょうか。
Tga-先生からは「キッチンハイター」について、さらなるお尋ねをいただきましたが、どうなんでしょ。看護師さん、園長先生〜、ご存知ではありませんか?
さて、2つお尋ね。
まずはまさこ先生から、午睡時の横向きについて。
---
1.2歳児の午睡中の横向き姿勢について質問致します。
横向き寝は、基本無しということで理解しています。が、下側の腕を前に伸ばしうつぶせ寝にならないよう注意していれば、1,2歳児でもありという事でよろしいでしょうか。
万が一の場合、横向き寝ということで、安全対策を怠ったと責められることになるのでしょうか。
どうぞよろしくお願い致します。
---
もうひとつはhoikuen先生から、予防接種について。いただいた話は細かいので省略しますが、要するに「予防接種をまったく打っていない」という話です。もちろん、はしかも…。
----
まずまさこ先生の「横向き」ですが、東京都の監査では「横向き」もダメとなっています。NPOサイトに載せている「保育の安全シート」の1−2にもそのように記載しています。では、横向きは絶対にダメなのか。1歳でも? 2歳でも? 下側の腕がのびていれば? ごめんなさい、私あるいは並木先生がここで文章として「〜ならいい」を書くことはできません。なぜなら、そう書いてしまって、もし保育園で「横向き」でお子さんが亡くなり、「なぜ横向きにしていたんだ」「このサイトに『よい』と書いてあったから」になれば、私たちの責任になるからです。医者も誰も「〜なら良い」を言わないのは、「100%死なない」を誰も保障できないからです。
では、どうすればいいのか。先生の自治体の保育課に聞いてください。「横向きについて、私たちは判断に困っている」と言って尋ね、「園の判断に任せる」と言われたら園で判断し、自治体(尋ねた先)にも「横向きについては〜のように判断して行動していきます」と言っておくのです。そうすれば、万が一なにかが起きた時にも、「園はきちんと自治体に聞いた」ということになります(尋ねた日、質問内容、回答等はすべて記録しておくか、メールまたはファックスでやりとりをすることをお勧めします。証拠を残すため、です)。実はこの「園の判断」というのは、昨日書いた災害(休園)の話と共通するのです。
いかがでしょう、まさこ先生?
----
もうひとつ、hoikuen先生のお尋ね。むちゃくちゃ難しく、でも、この問題を抱えていない園はないぐらいだと言ってもよいかと。予防接種は強要できません。でも、集団保育ですから、接種していただきたい。園医さんはそうおっしゃってくださいますが、園医でないかかりつけ医の中には「接種しなくていい」と言うかたまでいます。
まず、「小児科学会からこういうパンフレットが出たようなので、お読みになっていただけませんか」とやわらかく、やわらかく渡してみてはいかがでしょうか。
日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」(2018年。総論と各論の両方)
特に総論の「個人防衛と社会防衛」のところ、また、「副反応」の解説と「副反応の救済制度」の部分が大事です。
予防接種はまだ悩んでおりますが、とりいそぎ。
]]>「早くも『保育園余り』時代:民間企業が競争を主導」(日経ビジネス、2018年6月11日号)
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/262664/060400247/?ST=pc
以下、冒頭から、私がちょこっと今日の話で触れた「2020年には、需要と供給が全体としてはバランスがとれる」という部分までコピーします。その先は、保育園の質の話なので。
ーーーー
セブン&アイ・ホールディングスやビックカメラ、J.フロントリテイリング、ゼンショーホールディングス、東京急行電鉄──。これら名だたる大企業に共通するのは、過去3年の間に保育園事業に参入している点。いまのところ社員の保育需要に応える目的の企業が多いが、待機児童の解消という社会ニーズの大きさを映している。今後も本格参入が増えそうだ。
「保育園落ちた日本死ね!!!」。2016年初頭に注目をあびた匿名ブログの言葉が象徴するように、保育園不足の問題は、日本社会の重要課題としてスポットライトを浴びている。将来への不安から、少しでも家計を助けようと働く女性が増加。政府は13〜17年度に「待機児童解消加速化プラン」を実行、18年度以降も「子育て安心プラン」を計画。保育の拡充に向けて、兆円単位の予算を計上している。
こうした施策の結果、みずほ銀行によると、全国の保育園の利用児童数は20年までの約10年で70万人増加するという計算になる。自治体が拠出する公費と利用者の負担額をあわせた園児1人当たりの保育費用をおよそ月12万円と推計し、これを前提に試算すると、10年間で1兆円を超える“新市場”が、保育サービスの分野に生まれていることになる。
保育園は⻑らく、市区町村や社会福祉 法⼈によって運営されてきた。00年には 株式会社による設置・運営が解禁された が、事業体によって補助⾦交付額に差があることなどが障壁となり、参⼊は進ん でこなかった。制度が改正され、ようや く名実ともに参⼊への道が開かれたのは 15年。厚⽣労働省によると、株式会社が 設置した保育園は16年4⽉に全国で1236 園。08年に⽐べて8倍以上に増えてい る。
⼥性の社会進出が加速していること で、量の不⾜ばかりが叫ばれる保育業界。だが0〜5歳を“主要顧客”とする保育園 は、⼈⼝減少と少⼦化の影響を真っ先に受けるため、保育園が余る時代は案外早く 訪れる。
保育園も選別される
みずほ銀⾏証券部・利穂えみり⽒の推計では、政府が掲げる⽬標の通りに保育園 を拡充すると、20年における保育の受け⽫の供給量(現在の利⽤児童数+今後の拡 充分)は282万⼈に達する。⼀⽅、⼥性の就業⼈⼝や出産後も仕事を続ける⼥性の 増加を考慮した保育需要は約280万⼈と推計され、「拡充される供給量でおおむね 吸収できる⽔準となる」(利穂⽒)。
すでに地⽅によっては保育園は⼗分に⾜りている。厚労省の調査によると、17年 4⽉1⽇時点の待機児童数は2万6081⼈に上るが、そのうち72.1%を占めるのが⾸都 圏、近畿圏の7都府県と指定都市・中核市だった。⼀⽅、北陸3県や⻘森県、⻑野県 など、⼈⼝が減少する地⽅では、待機児童数がゼロの地域もある。
以前、掛札先生の研修を受けさせて頂き、初めてコメント致します。プール活動中の地震についての質問です。
ニュースで、地震でプールが津波のように大きな波がたって危険だということを見て知り、プール活動中の地震を想定した訓練が必要だと感じております。今年度はもうすぐプール活動も終わってしまう為、危険があることを想定するのが遅かったと職員間でも反省しておりますが、来年度に向けて今のうちに考えておきたいと思っております。(先生からプールの危険性についてお聞きしたので来年以降のプール活動についてはこれから相談し、中止する可能性もあるとは思いますが。)
現時点では幼児プールは水位がある為、波立つ危険が高く、いち早く子どもをプールの外に出すことが必要だということになりましたが、プールの外に出してもらう間にできることがあるのか(ある園では縁につかまるということにしていると聞きました)。プールの外に出ても、プールの水をかぶる可能性がある等様々なことが想定され、プール活動の難しさを改めて感じたところではありますが、プール中に地震が起きた際に行うべき対応があれば教えて頂きたいです。
宜しくお願い致します。
------
緑先生、ありがとうございます。
この話でしょうか(ネパール地震)
あるいは、こういう話も(鳥取西部地震)。
保育園にあるようなプールでも、共振すれば同じようなことになるのかもしれません。とはいえ、地震の揺れは5分も10分も続きません(もちろん、次の地震はすぐに来るかもしれませんが)。1)先生たちが「落ち着いて!」と自分たちに言う、2)子どもたちに「じっとして!」と言う。子どもたちは状況がわからないでしょうから、「縁につかまっていて!」でもよいかと。3)揺れがおさまったらすぐに、全員を出す、それしかないと思いますが…。とにかく、一番こわいのは、先生たちがパニックにおちいることです。
いかがでしょうか。まあ、幼児プールの「水位がある」がどれくらいなのか、別の意味で心配だったりもしますが… (^^;;;
かけふだ
]]>
hiyoko先生、マツゴロウ先生、アキ先生、「保育園看護師の立ち位置」にコメント、ありがとうございます! 一人職場はとっても大変ですけど、その中で看護師さんの立場がしっかりできれば、園にとってもこれほどいいことはないですよね…。ああ、そうか。保育園さんもわかってほしいと思います。看護師は看護師という専門職で、その専門職が園にいるメリットを考えて! もちろん、保育園看護師さんの中にも「看護師〜!!!」を傘に着て偉ぶる人はいますけどね…(それはまた別の問題)。
何某先生、それ、バッチリです!(「行事の3日前に中止を決定」スレッド)。保護者の方たちの中には、一日、冷房の中で過ごしている方も多いでしょうから、外がどれだけ暑かったかってわからない部分もあるかもしれません。「今日、こんなに暑かったんですよ」「お父さん、お母さんも気をつけてくださいね」は、効果アリです (^^) まだまだ暑いですし、これから運動会の練習も始まるし…。
ということで、まずはコメント更新のお知らせでした。
かけふだ
]]>「『台所用漂白剤』と表示してあれば、塩素系の消毒剤ですから大丈夫。しかし、洗濯用のワイドハイターは酸素系なのでダメです。わかりやすく、『台所用』『漂白剤』というのが選ぶキーワードです。」だそうです。
ちなみに、泡のキッチンハイターについては、こちらにすでにあります通り、嘔吐処理用には適さないようです。
また、きのこ先生から泡キッチンハイターについては、次のようにも(下のスレッドに)コメントをいただきました。きのこ先生、ありがとうございます! 「ここにありますが」って、私、「ここ」にリンク貼ってなかったですね、ごめんなさい。上のリンクがそれです。
(きのこ先生から)
保育園看護師をしていて、園長より同様の質問があったのでメーカーに問い合わせした内容を共有します。
キッチン泡ハイターの嘔吐処理使用について、メーカー(アルボース)に問い合わせしたところ、キッチン泡ハイターなどの溶剤には含有内容に、次亜塩素酸ナトリウムの他に界面活性剤が含まれています。そのため、通常の嘔吐処理に使用するのは推奨していない。また、厚生労働省も次亜の希釈液の使用を進めていると回答がありました。
また、医療用の泡ハイター(花王、界面活性剤なし)も、嘔吐(酸性)に直接にかけること、塩素ガスの発生の懸念があるため嘔吐物を拭きとった後の消毒を想定しているとの回答でした。嘔吐物には0.1%次亜をかけるために希釈液を作成しなければならないのであれば、泡ハイターの使用意義も薄れるのかと思います。その都度希釈の必要がないので便利ではありますが、あくまで綺麗にして最後の消毒や、血液汚染後の消毒には適していると思います。キッチン泡ハイターでなはく、医療用泡ハイターに関しては、使用方法が区別しっかりできれば、使用しても良いのかもしれないなと思っています。ちなみに、開封後は2年まで使用可能なようです。
]]>
0)下の「行事の3日前に中止を決定」にもコメントをいただきました。
1)先日お尋ねいただいた「次亜塩素酸ではなく、キッチンハイターによる嘔吐物の処理等」については、少々お待ちください。あ、どなたでも書いてください! 園の場合、次亜塩素酸ではなく、キッチンハイターでもよいのでしょうか? 泡キッチンハイターはダメというのは、ここにありますが…。
2)うみ先生からお尋ねです。
---
冷房の設定温度について質問があります。
当園は、シャワーの後、部屋のエアコンは付けておらず、扇風機だけで正直暑いです。前の園長の教えでそうなっているのですが…。設定温度を上げて付けていても問題はないでしょうか。子どもにとってのシャワーの後の快適空間がわからなくなってしまいました…。
---
「熱中症」特集のあちこちに書いた通りですが、室温が30度よりもずっと上回っていたら、人間の生存に適した環境ではありません(保育室の中は湿度も高いですし)。ぜひ、室温を測ってください。「シャワーの後に冷たい部屋に入ったら…」というご心配なのだと思いますから、室温を29〜30度にして(設定温度ではなく測定した室温)おいて、その後、28度にしてはいかがでしょうか。ただ、「熱中症」特集にも書きましたが、室温を28度にしたら、動きまわっている先生たちには暑いと感じられると思います。扇風機やサーキュレーターを使って、冷気が下にたまらないよう、なおかつ先生たちが涼しく感じられるようにしてはいかがでしょうか。
どなたか、シャワー後の室温について、「こういうふうにしているよ!」を教えてくださいませ。
3)保育園における看護師さんの立ち位置について、R先生からお尋ねをいただきました。はい! 園長先生、保育園看護師の皆さん、どうぞ、ご意見、体験、アドバイスをお願いいたします!!
----
保育園看護師になってまだ数年です。
乳児クラスの担任に、この猛暑の中、遮光テントはあっても裸足では危険!と火傷についての文献をふまえて話しましたが、「現場をわからないのに理想ばかりいわないでほしい」。
また、睡眠チェックについても「仰向けにしたら子どもが起きる。私たちの連絡帳を書くのも大事な仕事。看護師にはわからない」との返事でした。
園長には報告しましたが…。子ども達の為、間違った考え方に負けるつもりはありませんが長い道のりになりそうです。このようなベテラン保育者の方たちには、どのように伝えていけばいいのでしょうか?
]]>
----
何年か前に浜松で受け、先日、中野でも研修を受けさせていただき、改めて実行していきたいとエネルギーをいただきました。
気づき、を大切にしていこうと思っていたところ、園舎裏口の外の電灯がついたままになっていたのを、今朝パートの先生が見つけてくれました。子どもに直接関わらないことですが、気づきとして大切にする意味で共有する必要性はあると感じヒヤリハットに記入しようかと思ったのですが、それはヒヤリハットにはならない、と判断する意見があり、困惑したところです。
分けて記録する方がいいのでしょうか?小さなことですが、、よろしくお願いいたします。
----
ありがとうございます。大事な気づきです! 「日常の気づきを深刻な結果の予防に活かす」のシートだと9番になります。シートの0番の最後に例が載っています。
この事例は「たかが電灯の消し忘れ」かもしれませんが、同じような「〜忘れ」や「〜ぱなし」を人間は実によくします。USB、カメラ、児童票、ドアの鍵、ガスの元栓、窓の鍵…。どれも「たかが」ではありませんよね。だから、カラー先生の園の定義ではこの事例、「ヒヤリハット」ではないにしても「気づき」として共有する必要があります。
そして、このような「気づき」は本人が反省しても意味がなく、本人を責めても意味がありません。誰しもがすることだからです。反省や追及ではなく、「気づいてくれてありがとう!」と言い、「園として、どうしたらこういう『〜忘れ』や『〜ぱなし』を予防できるシステムを作れるだろう」と知恵を出し合ってください。一人ひとりの「気をつける」じゃ限界があるんです、人間の脳には。もちろん、電灯ならいいけど、ガスの元栓ではダメ、かもしれない。でも、消し忘れ、閉め忘れを予防するシステム、誰かが忘れたとしても、他の誰かが早く気付けるシステムをつくる、という意味では同じです。「電灯だからいい」と言って無視したら、同じように「消し忘れる」ガスの元栓で命を落とすかもしれないのです。
…と、この私のコメントと上のリンクで説明してみていただけませんか? 結果をお待ちしています (^^)
かけふだいつみ
]]>