3題:同僚コミュニケーション、危機感の温度差、歯磨き

  • 2019.02.22 Friday
  • 22:45

3つほど、質問をいただきました。

 

1)まずはエミ先生から、「支援が必要な子どもがあまりに多く、歯ブラシを使うのは危険と考え、今年は導入していない。歯磨きは必要か(3歳児)」というご質問をいただきました。
 歯磨きの必要性、これはけっこういただく質問です。私は歯科はわからないのですが、歯磨きの必要回数についてあちこち調べると、歯科に関係しているサイトであっても、言うことがバラバラです。「毎食後」「朝食後と就寝前」「1日1回」…いろいろ。

 日本歯科学会は、「少なくとも寝る前は必ず仕上げみがきは行ってください」と書いています。この答えをそのまま解釈すると、「寝る前に仕上げ磨きをすればいい」ということになります。同じ項に、まず「子どもの機嫌のよい時間帯や保護者の余裕のあるときに行い」と書いてありますから、保育園ではそもそも容易ではないことがうかがえます。

 保護者の質問でも、こういう回答がありますね(ちえぶくろサイト。下のほうの回答も読んでいってください)。

 つまり、保育園でしているのは「歯磨きの習慣づけ」であって、歯そのものをきれいにする(=仕上げ磨きの役割)ではないというところ。これは保護者もわかっている(わかっておくべき=入園の時点から伝えておくべき)点ではないかと思います。

 そう考えたうえで、子どもが立ち歩くなかで安全を確保できないと保育士さんが思うのであれば、「静かに歯磨きをするという習慣づけの価値」「喉つき事故のリスク」を天秤にかけて、「今年はしません」または「私たちの園では歯磨きをしません(うがいだけです)」と保護者に伝えるのは理にかなったことだと思いますが…。皆さん、いかがですか? ご意見をお聞かせください。私もちょっと聞いてみます。

 あ、喉つき事故については、こちらに東京都消防庁の記事があります。
 つまり、保育園では、このページにある「事故防止ポイント」の3が徹底できないから歯磨きを(今年は)しない、という説明になると思います。

 

2)次は、あい先生へ
 内容は非公開ということで、回答だけ。心配しないでください。同じような内容で悩み苦しんでいる保育士さんはたくさんいますから、この文章だけで先生が特定されることは絶対にありません。
 どうしても話が通じない同僚。相手の年齢または相手の立場が上で(言いづらく、それでも)こちらがまじめに仕事をしようとしても高圧的に返してくる同僚。そのくせ、園長受けはいい同僚。保育の質も明らかに低い同僚。それを伝えても何も対応しない園長やリーダー層。はい、こんな話は過去10年間、無数に聞きました。今もこれを読みながら、「あ、うちのクラスにもいる!」「私もつらい」と思った先生が何人もいるはずです。
 上の文章を読んで「私もつらい」と思った先生、退職・転職していいですよ。というか、転職してください。先生の内容が正しいとするなら、先生がいる園は、そもそも子どもにとって良い園ではありません。「子どもと一緒に遊んでいればいい」は保育ではありませんから。
 今からでも4月からの仕事はあるはずです。都市部ではなく、転職できる園がないというなら、いまどき、都市部には数年間の期限つきとはいえ、住宅手当付きで雇用する園もあります。先生自身の保育の質は私にはわかりませんが、先生が心をつぶすほどの我慢をあと数年、する必要はありません。転職してください。先生自身の保育の質を高めるほうに時間を使いましょう。
 もちろん、転職した先が先生に合うかどうかはわかりません。どんなに良い園でも、どんなに良い保育士さんでも、やっぱりお互いの「相性」はありますから。だから、保育士というのは「手に職」なのです。先生がしている保育の質が高ければ、あるいはまだ足りなくてこれから伸びるのだとしても、先生に伸びる気持ちと努力があれば、必ず「自分に合った園」に出会います。特に今は、まだまだ保育士不足なので、職はいくらでもあります。10年後にはもう仕事はなくなるかもしれません。だから、今のうちに「自分に合う園」をみつけて、しっかり育ってください。
 絶対に無理をしないでくださいね。「保育という仕事が好き」という気持ちが、たったその数人の人たちのせいでつぶれないように…。

 

3)最後は、シモママ先生、この事例も詳細は公開できませんが、要するに「けっこう重大なヒヤリハット/事故が起きているのに、その後も慌てない他の保育士に「温度差」を感じるという内容です。

 危険に対する「温度差」(感情や認知の差)は個人の間で大きいものです。たとえば「心配性の人」と「心配性じゃない人」、これはまず生まれつきの性格の差でもあります。でも、保育士である以上、「これはちょっとおかしい」「これは危ない」という感覚を後付けで身につけてほしいわけです。看護師の中にも心配性の人と心配性じゃない人がいますが、医療現場にいれば何が命にかかわるか、何をすべきかはわかっていく、そういう部分で「身につける」ことです。ただ、医療現場はそもそも命を助ける/守る場所なので、かなりマニュアル化できますが、保育現場はそうはいかない。「もっと、子どもたちにさせてあげよう」「これ以上は危ない」は、マニュアル化ができません。

 シモママ先生がおっしゃっている同僚の方は、もともと冷静で、心配性ではないのかもしれません。そのうえで、「ただわかっていない」のかもしれません。あるいは、「たいしたことじゃないから、どうでもいい」という考えかたの人かもしれません。いずれにしても、「これは保育として危ない」という感覚を身につけていってほしいと思っていらっしゃるのでしょう。でも、その先生だけを対象にしても無理です。「例」がなければ、「ああ、こういうことは危ないんだ」「これは心配しなきゃいけないんだ」ということは学べないからです。

 なので、ぜひ、「安全のトピックス」の1−1にある「気づき」を園全体でしてみてください。最初は、気づく人だけしか気づきませんし、報告もしません。それが当然です。でも、そこで園長や主任の先生が「気がついてくれてありがとう」「報告してくれてありがとう」を繰り返すことで、「気づくことはいいことなんだ」「報告するのはいいことなんだ」という空気が生まれていきます(1−1に書いてある通り、報告に「反省」や「対応策」を書かせるとこの空気は生まれないどころか、報告しない空気が強くなります)。

 健康や安全の感覚に関して、すべての人を一気に同じレベルにすることは絶対にできません。これは健康心理学の鉄則のひとつですらあります。まずは1−1とそこに置いてあるリンク、PDFをお読みになってください。

保育をしない、話もできない同僚

  • 2018.12.12 Wednesday
  • 22:40

あい先生からお尋ねです。内容は非公開ということですが、とにかく同じようなお尋ねはいつもいつもいつも(!!!!)いただきます。要するに、「保育をしない」「保育をできない」、コミュニケーションもしない(できない)、こちらがなにかを指摘すると「そんなつもりはない」「なぜ、私/僕がそんなことを言われなきゃいけないのか」という同僚をどうしたらいいか、という話です。後輩だと泣かれてしまったり、先輩だと「若いくせに」と言われたり…。

 

私が今、唯一できる答えは、「私/僕はこういう保育士にならないようにしよう」(反面教師にする)と思って、あと数年間、耐えてください、ということだけです。施設長が問題を理解していても、「今は保育士の数が足りないから、とにかく辞められては困る」と言うことがあります(実は、そういう保育者を野放しにすることで、他の「できる」「育つはずの」保育者が辞めてしまうという実害が発生するのですが)。今、日本の保育界はどん底です。国も保護者も「質」なんて考えていない。でも、これではダメだという日が数年のうちに必ずきます(そもそも子どもは減っているのですから、数年後に保育園も保育士も淘汰の時代に入ります)。その時のための訓練だと思って、「こういう人にはなるまい」「こういう人がいても、少しでもいい保育ができるように努力できる人間になろう」と思ってください。その時、そういう保育士は辞めざるをえなくなります。

 

自分の行動や言動を意識して反芻して、必要なら変える。これができない人は、保育でなくとも「プロ」にはなれません。ましてや、保育は子どもという一番、繊細で大事な存在と関わる仕事なのですから、自分の行動や言動を意識できない人、他人に指摘やアドバイスをされて「ありがとう。そうしてみるね」と言えない人は就いてはいけないのです。保育は、社会の未来をつくる仕事なのですから、本来、人間としても知識・技術・スキルの面でもきわめて高いレベルの人が就くべき仕事です(特に、日本のように保護者が子育てを担えなく/担わなくなっている社会では)。

 

あい先生、どうぞ、その先生のようにはならないでください。愚痴をこぼす友達、同僚をみつけて、そこでストレスに対処しながら、ご自身の保育を育てていってください。お願いします。愚痴はいつでも書いてください。先生の文章はとてもしっかりしているし、わかりやすいし、論理だっています。どうぞ、先生がつぶれないように、あい先生自身の支援を身のまわりにしっかり作って、サポートし合って、よい保育をできるように育っていってください。

h先生に(回答だけです):保護者対応

  • 2018.11.17 Saturday
  • 19:40

h先生から、お尋ね自体は「非公開で」というご質問をいただきましたが、同じような悩みをお持ちの園、先生がたはたくさんいると思いますので。

 

園として対応しきれない保護者さんがおいでになる場合、自治体に毎回、報告をしてください。会話を録音して自治体にも聞かせてください。精神的・肉体的にこちらが危険を感じる言動、行動を保護者がするなら、動画を撮って自治体に報告してください。力を行使されそうになったら、冷静に「警察に電話します」と言い、電話をしてください。

 

もちろん、自治体は何もしないでしょう。でも、こちらが泣き寝入りをしないためです。そして、園の弁護士、自治体の弁護士に絶対、相談してください。

 

いいですか、泣き寝入りをしてはいけません。保育園、保育者の専門は子どものケアと成長・発達の支援です。保育指針になんと書いてあろうと、子どものケア及び成長・発達に関わる以上の保護者対応を園がする必要はありません。それによって、保育者がつぶれてしまうのは本末転倒です。

 

いまどき、自治体は何もしません。でも、保育園側、保育者側に実害が生じた時、「私たちは自治体に言い続けた」という証拠を残すのです。ファックスとメールで毎回、報告してください。録音も録画も残しておいてください。そして、警察と弁護士に相談!です。

 

よろしくお願いします。

衣服の紛失について(回答のみ) & 研修会のお尋ね

  • 2018.10.14 Sunday
  • 22:22

1)11日の研修会にご出席くださった先生から「睡眠中は横向きもダメ」という絵はどこ?とお尋ねいただきました。おっしゃる通り、「保育の安全シート」の1−2です。「丁寧な絵」というのはございません。私が「横向き」の姿勢をして、お見せしたので、そのことかな?と。つまり、a) 両手が横に出ている、b) 下側の手が体の下に入った状態になっている(うつぶせになる直前)、c) 体はまだ斜め下を向いているが、手は体の左右に出ている(=うつぶせ)の違いです。bやcの姿勢になってしまうと、あおむけにするのも難しいので、aの時にあおむけにしてあげればよいのでは?ということです。

 

2)衣服の紛失についてお尋ねをいただいていましたが、現在、ご要望をいただき、非公開にしてあります。ですが、かな先生から早速コメントをいただきましたので、掲載しておきます。

(かな先生のコメント)

小学校ではお漏らし、水濡れなどでよく衣服を貸与します。返却しない家庭が結構あります。元々が新品衣服でもないため返して!と強くも言えず、可愛い今時っぽい衣服から無くなっています。時代遅れの衣服は戻ってきます(^^;)下着は新品を貸与し新品での返却となっていますが一向に返してもらえず・・・衣服購入予算もないため100均で自腹購入し、何とかやり過ごすという感じです。世知辛い世の中だなぁと思っています。

(掛札のコメント)

かわいい、あるいはブランドものの靴や服が紛失することは、稀ではありません。自分の子どもにはさすがに使えなくても(同じ園ですから)、リサイクル店にでも売るのかもしれませんが…。

 ひとつは、「コミュニケーションに関するトピックス」のB−1の「感染症時期の衣服に関するお願い」と同様に、「衣服は入れ間違いや紛失の危険がどうしてもありますので、園で着る服は『たとえなくなってもよいもの、汚してもよいもの』をお勧めします」としてはいかがでしょうか。行き来はきれいな服でということであれば、棚に朝、しまっておいてもらう、夕方、持ってきてもらうということですむと思うのですが…。

 

 

「保育士の母親」について

  • 2018.07.30 Monday
  • 11:14

皆さま、「抹茶のカフェイン」以降のご質問について、コメント、ありがとうございます! 掛札、まだ「暑さ」関係で手をとられておりますので、皆さんがやりとりしてくださっていること、とっても嬉しいです (^^)v  引き続き、どんどんお願いいたします。私もコメントしますね。

 

さて、もうひとつ、由紀子先生から嬉しい投稿が!

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 掛札先生おあつーございます。先生の「ニュース」を日々確認して勉強しています。

 先日、電動自転車が転倒する事故について先生は、なぜ「保育士」と書くのか?と仰っていましたね。私も疑問に思います。ちょうど7月22日神奈川新聞の朝刊にこの事故のことが詳しく載りました。やはり「保育士の母親(38)・・」と書いてあります。そこで神奈川新聞のお客様相談室に電話をかけてみました。職業を書く必要があるのか? 単に「母親(38)」では、いけないのか?と。
 警察の発表が、そうなっている時もあるので・・とのお話でしたが、変にイメージされても困るので、職業を書かなくての良いのでは?と伝えました。「紙面担当にご意見として伝えます」と言われ電話を終了しました。

 連日の猛暑です、先生も体調に気をつけてお過ごしくださいませ。掛札先生いつもありがとうございます!

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 由紀子先生、ありがとうございます!! こういうニュースで、たとえば「会社員の」「医師の」「看護師の」「保育士の」「介護士の」って書かれますけど、「会社員の」以外は「人をケアする仕事なのに…」的なニュアンスがこもってしまいがちなんですよね。「母親が」どころか、「女性が」で十分ではないかと。いや、うちのニュースを読んでいただくとおわかりの通り、暴力・事件関係以外はすべて、おとなも子どももほぼべて性別を消してあります。これは、性別をもとにした思い込みや偏見を助長しないため、です。それこそ事故だって、「男の子だから」「女の子だから」と読み手に思われかねませんから。

 

では、熱中症注意!です。おとなも子どもも。

「行事の3日前に中止を決定」

  • 2018.07.25 Wednesday
  • 21:55

何某先生からの投稿です。皆さんも、この暑さの中で、「急に中止!」ということがあったのではないでしょうか。まずは皆さんのご意見を書いてくださいませ(掛札)

 

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掛札先生、こんばんは。
今回は、私の失敗した事例を皆さんにお伝えして、似たようなことが起きないようにと思い投稿します。
この後に書く事例を経験し、保護者の方とのリスクコミュニケーションが、いかに大事か。また、対応が遅ければ(悪ければ)すぐに不信につながってしまうか。痛感しました。
これから(明日からでも)、今回の事例を生かして保育園を運営していきたいと思います。また、情報提供することで、少しでもお役に立てればと思います。

<伝えたいこと>
事前のリスクコミュニケーションの大事さ

<今回の事例>
夏祭り(乳児の部)の中止を、開催日3日前に決定した。
そのことで、乳児クラスの保護者からご意見(苦情)をいただいた。
これまで、良好な関係を築いてきた(であろう)保護者の方に、保育園に対する不信感を抱かせてしまった。

〇元々の計画
・7月末開催の夏祭り
・全園児が対象。(親子で自由参加、事前に出欠を確認するため半強制と考える保護者もいるかもしれない)
・会場は、晴れ:園舎+園庭 雨天:園舎(狭いので、乳児クラスの部と幼児クラスの部に分けて開催)
・時間は、晴れ:16時〜

〇対応
・乳児の部は中止
・幼児は室内開催(雨天時のタイムスケジュール)とする。
※上記内容を3日前に手紙として配布した。

〇理由
。各前の段階で、夏祭り当日(15時〜18時)の暑さ指数が31℃である。
∋間帯『15時〜18時』の前後の時間帯においても、それぞれ厳重警戒、警戒となっている。
室内開催スケジュールにおいて、乳児の部は登園降園それぞれが、暑さ指数31℃(危険)にあたる。

〇保護者の方からのご意見(要約)
・この状況(異常な暑さ)なので、中止の決定は妥当。
しかし、その情報の伝達に問題がある。
・夏祭りを3日後に控えての中止の決定は、急すぎる。
・もしかしたら行政などからの通達のタイミングかもしれないが、そもそもこのような状況は予想ができたのではないか。
・子どもも楽しみにしていた。どう説明すればいいのか。

〇ご意見に対し、私(園長)の回答(要約)
・おっしゃる通り、急な決定であった。申し訳ありませんでした。
・今回のことは、次の行事に生かしていきたい。
・ご意見ありがとうございました。

<私の心の中>
・熱中症を引き起こす恐れがある行事を中止にしたことは、間違っていない。(間違っていないはずだ…。)
・しかし、中止の判断に至るきっかけは、今週の小学生の死亡事故の報道と、掛札先生の注意喚起。確かに私自身の暑さに対する考えが甘すぎた。遅すぎた。
・園児とその保護者の方につらい思いをさせてしまった。本当に申し訳なかった。
・度の行事においても、予想される悪いシナリオを事前に描いておき、(リスクを想定し)、最初の保護者への案内に盛り込んでおくべきだった。(これからはそうしよう。)

以上です。
何かアドバイスをいただけると、とてもありがたいです。

お尋ね3つ。特に、ホクナリン、組体操

  • 2017.09.21 Thursday
  • 14:05

 遅くなってしまって、またしてもごめんなさい。

 

1)まずは、たまるん先生から。

(お尋ね)

 昨日の資料3ページのスライド「寝た子を起こすではない。寝ていない保護者はたくさんいる」という文は、どのような意味でしょうか。すでにお話頂いていたら二度手間にしてしまい申し訳ありません。

(お答え)

 お尋ね、ありがとうございます! 「寝た子を起こすな」は、ご存じの通り、「気がついていない(であろう)人に、わざわざ気がつかせる必要はない」という意味で、知らないでいいことは知らなくていいという、きわめて東アジア的な態度です。

 しかしながら、今の保護者の中には、保育施設のリスクについてわかっている人もたくさんいます。かといって、わざわざ「これは危ないのでは?」「どうやって対応しているんですか?」と聞く人も少ないでしょう(そう訊くこと自体、「クレーマー」扱いする園がありますから)。

 じゃあ、保育園側は言わなくていいか。ダメです。だから、「寝た子(親)を起こすな」ではなく、「起きている(けど何も言わない)親に向けて、しっかりリスク・コミュニケーションをしましょう」という意味です。このあたりのリスク・コミュニケーションについては、こちらのページの特にB-1、最初の「概要」をお読みください。

 

2)スナフキン先生からです。ホクナリン・テープについて。

(お尋ね)

 保育所に勤めています。先日、保護者の方に、投薬は医療行為なので断られるのはわかるけど、ホクナリンテープは親が貼るのに、なぜダメなのか?と言われました。薬、ホクナリンは無くす方向でお断りしている状況なので、どのような対応策があるでしょうか。

 

(掛札の答え。皆さん、ご意見をお願いします!)

 お医者さんも、「誤飲したら責任とれないからじゃないか」とおっしゃっているわけですよね。その親御さんのかかりつけ医なのか、園医なのかにもよりますが…。ということは、このリンク先のB-1の中、「シールやパッチを体につけてきた時」の所からリンクを貼ってある手紙を貼って、ご説明してはいかがでしょう。

 それでも貼るという保護者はいるでしょうし、医者によっては「保育園でも、貼っておいていいだろう」という人もいるでしょう。そうなったら、それはそれでしかたありません。医者が「やれ」と言っていることを保育園がダメということはできない…(?)でしょうから。園に言わずに貼ってくる人もいると思います。

 ですから、この手紙を貼って、渡して、「なにかあったらあなたの責任ですよ」と伝えておく。そして、責任の所在を明らかにするため、必ずテープには名前と日付を書いてもらうということです(ホクナリンテープはけっこう園内に落ちています)。もし、名前のついていないテープが落ちているのがみつかったら、全保護者に向けて、再び報告、呼びかけ!です。

 

3)そして、はなまる先生から…。これは…、うーん、うーん。

(お尋ね)

 ご相談ですが、今年も運動会で年長(14名)が組み体操をします。本番に向けてもう特訓中ですが、練習を見ていると1段目の子どもからグラグラしていて、危険を感じてしまいます。スポーツ庁では「安全が確保できない場合は中止にすべき」と言っています。大人の手は入りますが、未就園児に4段はとても危険な事にしか見えないのです。
 職員にいくら話しても、「子どもにやらせたいから」「親が期待しているから」「体操教室の成果を見せないといけないから」で、危険を認識してもらえません。スポーツ振興センターでは小学校以上の事故内容しかわからないので、どれだけ保育園で組み体操の事故があるかは分かりません。どのように伝えたら、組み体操を中止若しくは縮小してもらえるのか、悩んでしまいます。一体、誰のための運動会なのでしょう。

 

(掛札の答え。皆さん、ご意見をお願いします!)

 先生方の言うことはある意味、ごもっとも、です。園が「組体操をやめる」と言っても、保護者が「やめないで」と言うケースは多々あります。

 唯一、私がお伝えしている(お伝えできる)のは、「万が一、深刻な事故が起きた時に、『あれだけ報道されていたのに、まだ組体操をしていたの?』と言われる、そのリスクを背負う覚悟があるのなら…」という点です。それこそ、上の「寝た子を起こす」ではありませんが、たとえば5年前なら、何か起きてもさほどのニュースにもならなかったのかもしれません。けれども、今は違います。明らかに糾弾されます。社会的責任も問われるかもしれません。その時、「保護者の人たちも、やりたいと言ったから」と言っても、保護者の中には心配していた人がいるでしょうし、そういった人たちは「私たちは心配してたのに」と言うはずです(マスコミなどに)。

 保護者の方たち全員に、「組体操をこれまで通り、続けてもいいですか?」というアンケートをとってはいかがでしょう? そのためのアンケートもここ(「組体操・アンケート」)に作ってはありますが、ただ「続けてもいいですか?」でもかまいません。一人でも「やめるべき」「やめたほうがいい」という人がいたら、やめるか、そのお子さんは組体操に入れない。そうしないと、何か起きた時の代償は非常に大きくなってしまいます。

 今年、組体操をなさっても(たぶん)何も起こらないでしょうし、「だから、はなまる先生が心配性なんだよ」「大丈夫って言ったじゃない」と言われるだけです。そして、先生の園ではこれから先、何十年も何も起きないかもしれない。でも、逆に今年、先生の園で死亡事故が起きるかもしれない。あるいは、「やっぱり大丈夫だったよね」と思って続けた、来年。

 私個人は、「高さを伴う競技」という点では、保護者が乳児を抱えて走ったりするものも恐怖なのですが、組体操は「高さ」だけではありません。「上から下を押しつぶす」という要素も加わります。つまり、つぶされた本人の被害だけではなく、つぶした子どもたちの心の傷も考える必要があります。

 先生たちも、組体操の報道についてはご存じだと思います。「これだけ報道されている」という点のリスクを考えていただきたいのですが、いかがでしょうか…。

 

ご参考までに、2016年3月25日の新聞記事の要約を載せておきます。

〔組体操で死亡9人〕 スポーツ庁は3月25日、組体操について国として初めての指針を公表した。学習指導要領に定められた項目ではないため、「確実に安全が確保できると判断した時以外は見合わせる」といった内容で、危険な種目の禁止や高さ制限などは盛りこんでいない。
 指針を定めるにあたり、日本スポーツ振興センターが組体操事故に関連して災害共済給付を支給した事例を分析した。2014年に医療費を給付した8592件中、立ち上がった状態で組む「タワー」が1241件(14%)、手と膝をついた状態で組むピラミッドが1133(13%)と上位を占めていた。6289件を小学校が占め、中学校が1885件。また、2095件が骨折。負傷部位は、頭と首を合わせた割合が、肩車で27.8%、タワー25.6%、倒立13.2%、ピラミッド10.9%と、いずれも学校における運動事故全体の平均5.5%より高い。また、1969年以降、組体操の事故で9人(小学校3件、中学校5件、高校1件)が死亡していたこともわかった。障害が残った事故は92件で、タワーが29件と最も多く、ピラミッド14件、肩車11件、倒立6件等だった(各紙、3月25日)。

〔掛札コメント〕 私が一番びっくりしたのは、わざわざ調べるまで過去の死亡の数がわからなかった、という点です。「確実に安全が確保できると判断」の部分は、単なる責任逃れですね。ケガが起きたら、「判断を間違った施設の責任」と言えばすむのですから。これは今さら驚くことではありません。高さを伴っているので頭と首のケガは当然増えますが、それだけでなく、複数の人間で組むため、全体が崩れると落下だけでなく圧迫も起きます。転落死だけでなく、圧死も起こるということです。

研修会で行っている「絵を描くワーク」のフォローについてお尋ね

  • 2017.02.15 Wednesday
  • 23:18

うっちー先生からご質問をいただきましたので、お答えします。ここに出てくるワークは、今年に入ってから研修会で実施しているもので、まだNPOのサイトには書いていませんが、年度の真ん中あたりには書こうと思います。いずれにしても、年度の初めにしても意味のないワークなので。「ワークがわからない」という方は、飛ばしてください。

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 研修会で長時間にわたって大切なお話をユーモアを交えてお話しくださいましてありがとうございました。とても良い勉強ができました。今日の経験を自分だけで終わりにせず、園内や同市内の保育園とも共有していきます。
 お忙しいところすみませんが下記の件につきまして教えていただけるとうれしいです。最後におこないました「絵を描くワーク」を私が園内で行った場合、各保育士が伝えているつもりでもなかなか伝わっていないことなどを共有できたとしてまとめとして、どのように締めくくればよいのかをより良い方法がございましたら教えてください。
 絵を描き終わり、それぞれうまく伝えられた人、うまく伝えられなかった人などいろいろ出てくると思います。それを人によっては、なかなかうまく伝えられないこともあるんだねということで終わってよいのか、それとも、だからこうしましょうやこういうことに気をつけましょうというような文章などがありますでしょうか。
 ご返答をどうぞよろしくお願いいたします。
 

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1)うまく伝わって、原画が複製できるグループ、できる人、できない人、それぞれです。「できてよかったね」「できなくてがっかり」ではありません。うまくいかないのが当然。うまく複製できたとしても、「今日は、このグループではうまくいった」というだけのことだよ、という点を確認してください。なによりも「ああ、説明ってうまくいかないんだなあ」「自分では精一杯伝えているつもりなのに、伝わらない」「思い込みで描いちゃった」ということを実感することが大事です、と。

 

2)「説明だけ」「質問だけ」ではうまくいかない。「説明と質問をお互いにしていくこと」が鍵。この文化ではどうしても、質問することをためらいがちです。「聞いたら怒られるかも」「うっとうしいと思われたらやだな」「きっと、こういうことだろう」が、結局、「質問しない」「間違って伝わる」「後で大変」を生むのです。

 行動のポイントは、「質問する」。でも、質問はなかなかしづらい。だから、その場で上の立場にいる人が積極的に「質問ない?」「なんでも聞いて」と(やわらかく明るく)声をかけること。これが、質問しやすい環境をつくる第一歩です。ただ、『命の守り方』にも書きましたが、「わかった?」と聞いてはダメです。この文化では「わかった」と聞かれたら、さっぱりわからなかったとしても「わかりました」と答えざるをえないからです。「わかった?」ではなく「質問ない? 私の説明、うまくないから…」「お願い、聞いて。後で『違ってた!』ってなったらみんな、困るから」といった声がけを。

 行動としては…、あとは復唱でしょうか。それは、NPOサイトの「コミュニケーションに関するトピックス」のC−2「園内コミュニケーション(口頭)のルール」をお読みください!

 

 まずはこんな感じでいかがでしょうか、うっちー先生。

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