ヒヤリハット。嚥下のアニメ。おむつ児さんのプール

  • 2019.05.26 Sunday
  • 12:53

大津・市原の交通事故でバタバタ更新していたら、熱波(heat wave、「安全」の8−1と8−2)が始まってしまい、バタバタバタバタバタバタ…。遅くなってごめんなさい! お2人からご質問です。

 

1)まずは、りさ先生から

 研修で拝見した、人が飲み込むときを現したアニメーションが探せません。どこから見るのか教えてください。
 オムツ児のプールに関して、「プール用のオムツがダメとは書いてないのにダメなのか?」と医療職から質問がありました。プール用のオムツは尿がもれることがないとメーカーが応えているが、それは信用に値するのか疑問です。しかし、ガイドラインにも、プールオムツなら可能ともかいていないし、不可とも書いていません。どう説明しようか迷っています。
 

2)そして、青華先生からです。

 ヒヤリハットの事で質問なのですが、職員には「毎日必ず、ヒヤッとしてハッとすることがあると思うから、ヒヤリハットは簡単でいいので、必ず書いて」と伝えていますが、受け入れてもらえていないのか、ほとんど書いてもらえません。どうしたら、理解してもらえ、ヒヤリハットを書いてもらえるようになるのでしょうか? 「あなたの施設長としての力不足」と言われたラそれまでなのですが…。

 

1)りさ先生に。

 まず、嚥下のアニメは、「安全のトピックス」の1−7の中、「誤嚥窒息は大きく2つ:喉か気管か」の項にある「こちらのアニメ」というものです。

 おむつ児さんについてですが、その先生のご質問が逆です。「水に他児と入れるなら、プール用のおむつをはきなさい」とガイドラインに書いていないからダメ、なのです。厚生労働省が「これなら良い」と考えるなら「良い」と書きます。感染症ガイドラインではあちこちに「こうしなさい」と書いてありますよね。それが「良い」から「こうしなさい」と書いてあるのです。「良い」と書いていないということは「ダメ」ということで、「書いていないのだから良いではないか」と解釈して集団感染が起きたら園の責任になります。いかがでしょう。メーカーはもちろん漏れないと言います(熱中症予防には、イオン飲料を飲ませろと飲料企業が言うのと同じです)。では、それをうのみにして園が「ガイドラインには『良い』と書いていないのにプール用おむつをはかせて他児と入れ、集団感染が起きたら?」、「ガイドラインには『ダメ』と書いていなかったから」では負けます。

 

2)青華先生に。

 「施設長として力不足」なんて言いませんよ〜。ヒヤリハットは職員(保育士、看護師、調理師、管理栄養士等)みなにとって、「自分の失敗」と思われがちなので、出てこないだけです。失敗を自分から言いたいという人はいませんよね。そこの認知を変えていかなければいけないのです。

 「安全のトピックス」の「1-1. 日常の「気づき」を深刻な結果の予防に活かす」を全部お読みいただき、「落ちているもの」だけでもなさってはいかがですか? これはヒヤリでもハッとでもないから、出しやすいのです。

オムツ児さんのプール。監視に関するコメント

  • 2019.05.18 Saturday
  • 15:44

交通事故の記事書きばかりしていて、こちらがお留守になりました。ごめんなさい。

 

ーーー

まず、なおちゃん先生から、です。

「質問内容ですが、『オムツをしている児はプールに入れない件に関して』保護者への説明をする為に資料を集めていますが見つかりません。良き資料がありましたら、よろしくお願いたします。」

 

★NPOのサイトの1−7の一番最後のほうにあります厚生労働省の「感染症対策ガイドライン(2018改訂版)の30ページの一番上です。または、1−3の一番上の項目。この件は、いろいろ説明する必要はありません。「2018年に改訂された厚生省の感染症対策ガイドラインで〜となりましたので、水がたまった中には入れず、水遊びをします」で十分です。

 

ーーー

もうひとつ、さゆ先生から。

「私が就職した園では園長、主任、事務長が以上児用プール(実施はクラスごと)、2歳児用ビニールプールを分担して監視してくれています。保護者にはプール予定日であっても人手がないときは中止や泥遊びになると伝え、園長先生は自分が休みや出張の日は人手があっても泥遊びと言っています。(主任や事務長がいても)ありがたいです。
その分、掛札先生の記事で裁判で保育士に責任を押し付けた園長の話を読み、悲しくなりました。」

 

★園長先生が自ら監視をしているとのこと、「私/僕が責任をもってする」という態度をご自身で示しているわけで、素晴らしいと思います。ただ、園長先生がすれば監視は万全ではありませんし、園長先生が熱中症になる危険性もあります。園長先生、どうぞご無理なさいませんように…。

 

プール、暑さの質問2つ

  • 2019.04.28 Sunday
  • 14:14

連休が始まりました〜。先生たちも少しはお休みくださいね。

 

まずは、ふみこ先生から。

 園で研修内容の報告をした中で、プール活動を行う時の外気温について質問がありました。当園では、園庭の外気温が35度以上でもプールの上に日除けが設置してあるため35度以下になっていることがあります。子どもたちには直射日光はあたりません。その場合は、どちらの気温で考えたらいいでしょうか?

 

そして、ミミ先生から。

 園でもプール活動をどう考えるか話し合っています。その中で、「夏ならではの活動だから」「小学校はプールがあるので、経験させないと」「命を守るための経験として水に慣れるためにも必要(小学校では着衣水泳をしている)」という意見が出ています。これらの意見を私は理解できないのですが、うまく反論出来ないでいます。

 

ふみこ先生に。

 8−2の「外遊び、屋外活動の基準は?」以降に書いた通り、自分の園で明確に決めてください。どちらでもかまいません。両方をそれぞれに使ってもかまいません。とにかく決めて、それを守り、保護者にも伝えるということです。ただし、私は「35度」を判断の値にするというのは、あまりに高すぎると思いますが。8−2に書いた通り、私は「気温に5度足した温度が、子どもの気温」というのが一番簡単だと思います。よって気温35度は40度です。

 もちろん、それでいいと決めるなら、それでかまわないかもしれません。保護者には「高すぎる」と思う人もいるでしょうから、これまた8−2に書いた通り、「暑さカード」を作って「うちの子は入れないで」「出さないで」を言えるようにするべきです。

 逆に「とにかく外に出して」「プールに入れて」という保護者もいます。でも、その保護者の子どもたちに万が一のことがあったら? 「え、さすがに今日は出さない(プールに入れない)と思ってた」と言われます(人間の「後付けバイアス hindsight bias)です。だから、「出して」「プールをして」という保護者にも「あなたが許可した」という証拠をもらっておく必要があるのです、暑さカードで。

 

ミミ先生に。

 「夏ならでは」…はい。8−2の「暑さに人間は慣れていくのでは?」に書きましたが、アラビア半島の国では1年中、冷房を切りません。40度、50度で「暑さならでは」の活動を外でする人などいないのです。「夏」というものが変わりつつあるのです。今までの「夏」は6月や10月になるかもしれません。ですから、皆さんで8−2をお読みいただき、「夏」の定義を考え直してくださいとお伝えください。

 「小学校にはプールがあるので」…、昨年も、暑さのためにプールをやめた小学校が日本じゅうにあります。水のリスクや老朽化から学校でプール自体することをやめている自治体もあります。ミミ先生の自治体はそうではないのでしょう…。では、教育委員会、小学校は、「保育園、幼稚園で必ずプール活動をしてください」と言っているでしょうか。言っているなら、「小学校のために」という先生方のご意見は正当化されますし、プールで万が一のことが起きた時の責任の一端は教育委員会にもあることになります。教育委員会、小学校が「必ずしてください」と言っていないなら、保育園側が忖度(そんたく)してリスクを冒す必要はない、と考えることができます。

 「命を守るため」…保育園のプール活動は「泳ぎを教えるため」ではないと思いますから、「水に慣れる」という意味では水遊びでも、家庭で風呂に入ることでも、なんでも一緒です。プール活動はそのひとつにすぎません。そして、大事なポイントですが、水で死ぬのは「泳げない人」ではないということ。さらに、着衣水泳は特別な泳法ですから、水に慣れていさえすれば問題ありませんし、着衣水泳をできているからといって水に落ちた時に死なないわけではありません。

 

…と、まあ、論理的にはこの通りなのですが、要するに先生たちは「プール活動をやめたくない」わけです。ミミ先生のお立場がどのようなものかわかりませんが、あとはミミ先生が「ごめんなさい、私は絶対に自信がありませんので監視はできません」と言うしかないでしょうね。事故が起きた時には監視者の責任になりますから、「できない」「責任をとれない」人に監視をさせてはいけないので。それは4−4に書いてあります。

 

 2つのお尋ねをいただいてつくづく思うのですが…。人間は楽観バイアスの生き物ですから「うちでは熱中症死もプール死も起きない」と思うわけです。一方、人間はとにかく「これまでしてきたことを変えるのが大嫌い!」(現状維持バイアス、status quo bias)。

 でも、断言します。あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園でプール死亡が起きたら、あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園で熱中症死が起きたら、状況は突然変わるでしょう。この文化は、なにかあったら突然「右にならえ」なので(これはこれで大問題な文化)。プール死亡、熱中症死が起きる園が、私が知っている園、私がうかがったことのある自治体の園でないことを祈るばかりです。事故は確率的な事象なので、いつどこで誰に起こるかわかりません。でも、プールをやめればプール死亡という、園にとっても監視をしていた先生にとっても大きな責任になるできごとのリスクはゼロになります。そして、暑い日に外へ出さなければ、プールをしなければ、基本、熱中症死は起きません。睡眠中の異常や食事中の誤嚥よりも、予防はずっと容易なのです。「とてもじゃないけど、命の責任はとれない」、その気持ちのほうが「遊ばせたい」「プールをさせたい」より大きくなってくださいますように。

 

プールに関する心配。ロッカーのハサミ

  • 2019.04.10 Wednesday
  • 10:17

新年度、皆さん、お忙しくなさっていることでしょう。今日あたり、東京はかなり寒いのですけど、これが突然、暑くなり始め…るんじゃないかと心配しております。あ、うさぎNS先生、下のスレッドにお返事、書きました。

 

さて、2つ一緒に。

1)園のプールが心配な保護者の方から。いずれもありがちな条件ですが簡単にまとめると、「小学校低学年も使うプールなので、胸ぐらいまで水位がある子もいる」「2クラス50人近くが、自由に遊んでいる写真を見た(年中と年長が合同)。先生は2人写っていた」。年末の園のアンケートにこうした内容を書いたところ、「気をつける」という回答だった。具体的な対応を聞こうと思うのだが…ということでした。

 

2)ゆー先生から。自分のロッカーに置いてあるハサミで、ロッカーにあった友達の服を切った子がいる。切られた子どもの保護者に弁償をするべきか。

 

1)まず、プールについて心配なさっている「保護者」さんへ。

 監視は「指導とは別に置き、監視にのみ専念する」と決められているだけで、人数までは決まっていません(内閣府のガイドラインも、その後の通達も)。水位は深ければリスクは上がるでしょうけれど、鼻と口を覆える深さなら、水深数センチでも息はできなくなりますので、「浅くしたから安心してください」と言われても、安心はなさらないほうがいいと思います。

 問題は、とにかく人数です。低学年が使うサイズのプールを想像して、そこに45人が一緒に入っていると考えたら、おとなが何人かかって外で監視に専念していても、みつからない時はみつからないでしょう。それは、こちらの「ライフガードの実験」に書いてある通りです。また、こちらのページの最後にある「うわの空になる自分を体験するゲーム」を見ていただければ、45人なんていうのはとんでもないということがおわかりいただけると思います。これまで、お子さんが亡くなったり、亡くならないまでも溺れたりした事例は、ほぼどれも30人前後を入れています。20人でも、監視1人、指導1人では足りないでしょう。それに、そもそも2人では足りないのです。「トイレに行きたい」と言い出す子もいますし、プールの外で遊び出す子どももいるでしょうから。

 「じゃあ、何人なら安全?」「何センチなら安全?」としょっちゅう聞かれますが、私はいまや「プールは、園長、理事長、監視者が責任をとりきれないと思うなら、やめていいです」と申し上げていますので、「何人なら」「何センチなら」は言いません(それで亡くなったら私の責任も問われかねないからです)。まして、去年のように暑かったら…。

 もしも私が同じ立場にある保護者だったら、「人数を〇〇人に減らす。指導は〇人、監視は〇人。監視は内閣府のガイドライン通り、監視に専念する」という具体的な説明がない限り、「うちの子はプールに入れないでください」と言うでしょうね…。そして、その説明は、万が一の時のために紙に書いて「これでいいですね」と園に見せるか、「録音させてください」と言って録音するか、どちらかをすると思います。

 

 水位が高くても、50人で入っていても、監視ナシでも、たいてい深刻事故は起きません(だから、その園も「大丈夫」と思ってきたのです)。でも、水位が低くても、30人でも、監視がいても深刻事故は起こり得ます。そして、プール事故の場合の生死は、「早くみつけるかどうか」だけにほぼかかっています。私は、「保護者」さんがおっしゃっている心配は杞憂でもなく、過剰反応でもないと思います。2年に1度は、園のプールで死亡事故が起きているのですから。

 

 あ、そうか。この例を出しましょう。子どもと一緒に外出する時、子どもにリード(綱)をつける親御さんがいます。それを見て、通りがかりの赤の他人が「犬みたいに子どもを扱って。ひどい親!」と言うことがあります。そう言われるのが心配でリードを使いたいけど使えないという保護者の方には、「私の子どもの命を守るのは私です。あなたにとやかく言われる筋合いはありません」と言って、とお伝えします。こちらの5−4の第4回。

 お子さんを園のプールに入れなければ、お子さんが園で死亡事故に遭うこともないので、「私が考え過ぎだったのかな」と卒園の時には思うでしょう。でも、入れていたら、どうなっていたかわからない(たいていは大丈夫ですが、運を天に任すかどうかは、保護者次第。まして、園が運を天に任せてはいけない)。これが、不慮の事故の怖いところです。

 

2)はい、ゆー先生がおっしゃる通り、まだ年長さんではないから、ハサミは集めて先生が管理しておいたほうがよかったのかもしれません。でも、「弁償をします」とこちらから言うべきではありません。子どもにとっては、ハサミというのはおもしろいものですし、きっとクラスで「切る」をしていた後だったのでしょう。子どもの活動を説明して、「ハサミは担任が管理します」と言うだけにとどめるべきです。

 なぜか。こちらのB-1の「感染症時期の衣服に関するお願い(2017年12月21日)」にも書いた通り、園では泥遊びも色水遊びもし、嘔吐でもなんでも起きます。それはどこの子も、です。だから、汚れても切れても、最後は捨ててもいい服で保育時間を過ごせるようにすることが大事なのです。「帰り道に出かけるから、帰りにはこの服を着せたい」というのであれば、袋か何かにしっかり入れてロッカーにしまうか、保護者が持ち歩くかすればよいことです(この事例について説明する掲示を作り、そのように保護者全員にお伝えすることをお勧めします)。

 もうひとつ。弁償は前例になります。「うちの子の靴がなくなった」「タオルがなくなった」…。前例は次の事例を生みます。

プール活動中に地震が起きたら…

  • 2018.09.02 Sunday
  • 10:08

緑先生からのお尋ねです。

 

以前、掛札先生の研修を受けさせて頂き、初めてコメント致します。プール活動中の地震についての質問です。

 

ニュースで、地震でプールが津波のように大きな波がたって危険だということを見て知り、プール活動中の地震を想定した訓練が必要だと感じております。今年度はもうすぐプール活動も終わってしまう為、危険があることを想定するのが遅かったと職員間でも反省しておりますが、来年度に向けて今のうちに考えておきたいと思っております。(先生からプールの危険性についてお聞きしたので来年以降のプール活動についてはこれから相談し、中止する可能性もあるとは思いますが。)

現時点では幼児プールは水位がある為、波立つ危険が高く、いち早く子どもをプールの外に出すことが必要だということになりましたが、プールの外に出してもらう間にできることがあるのか(ある園では縁につかまるということにしていると聞きました)。プールの外に出ても、プールの水をかぶる可能性がある等様々なことが想定され、プール活動の難しさを改めて感じたところではありますが、プール中に地震が起きた際に行うべき対応があれば教えて頂きたいです。

宜しくお願い致します。

 

------ 

緑先生、ありがとうございます。

この話でしょうか(ネパール地震

あるいは、こういう話も(鳥取西部地震)。 

 

保育園にあるようなプールでも、共振すれば同じようなことになるのかもしれません。とはいえ、地震の揺れは5分も10分も続きません(もちろん、次の地震はすぐに来るかもしれませんが)。1)先生たちが「落ち着いて!」と自分たちに言う、2)子どもたちに「じっとして!」と言う。子どもたちは状況がわからないでしょうから、「縁につかまっていて!」でもよいかと。3)揺れがおさまったらすぐに、全員を出す、それしかないと思いますが…。とにかく、一番こわいのは、先生たちがパニックにおちいることです。

 

いかがでしょうか。まあ、幼児プールの「水位がある」がどれくらいなのか、別の意味で心配だったりもしますが… (^^;;;

 

かけふだ

「丸のミニトマト」と「プールに水を残しておくこと」

  • 2018.07.25 Wednesday
  • 22:23

下の何某先生からの事例共有にも、ぜひ皆さん、書き込んでくださいませ!

 

こちらはご質問が2つ。

 

まずは、蘭子先生からのお尋ねです。

「先日、先生の研修を受講させて頂きました。その中で、保育園でミニトマトを丸ごと出す事は、いけない。と言う事で、園に帰り栄養士と話す中 決められたものがあるのか?と、討論し続けています。周りの園も、出している。栄養士は、知ら無い、聞いた事無いと言われました。定められているものがあれば、教えて下さい。」

 

(お答え)

サイトのこちらのページになります。2016年の内閣府のガイドラインに、「過去に、誤嚥、窒息などの事故が起きた食材(例:白玉風のだんご、 丸のままのミニトマト等)は、誤嚥を引き起こす可能性について保護者に説明し、使用しないことが望ましい。」とあり、それに対し私は、「ガイドラインに掲載された以上、丸のままのミニトマトや白玉(風の団子)で誤嚥窒息し、死亡や後遺障害が起これば、社会的責任を強く問われかねません。ですから、食事のミニトマトは半分に切る(面倒なら大きいトマトを角切りなどにする)、白玉(風の団子)は避ける、です。」とそのページに書きました。

 

「ガイドラインは法律ではない」と言われれば、それまでです。けれども、ガイドラインに書かれているということは、「国としてはリスクを認識して園に伝えた」ということになります。よって、万が一、誤嚥窒息死亡が起きたら、「国がすでに伝えたのに、なぜ園は出していたのか」という話(園の社会的責任)になるわけです。この点において、白玉と丸のままのミニトマトは、他の食物とは違ってしまっているということなのですが…。いかがでしょうか。言ってみて伝わらないようでしたら、またおっしゃってください。

 けっこう、丸のままのミニトマトは大変なのです。一度はやめても自治体の管理栄養士さんが替わると復活したり、「かわいいから」と出すようになってみたり…。形状的には超危険なスーパーボールと同じで、最高に詰まりやすいものなのですが。あ、スーパーボールの誤嚥窒息はこちらのページの「玩具等による窒息事例」項の後半に事例が載っています。

 

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もうひとつ、あいす先生からのお尋ねです。

 

「保育園で日中使用したプールの水が、夕方まで残っていることについてです。
 現在、保育園に子供(3歳)を通わせております。その園の一角に、コンクリートでできた、タイル張りのプールがあり、園児は毎日水遊びをしています。このプールには、柵や塀などは一切無く、物理的には、よちよち歩きの子でもプール際まで歩いていくことができます(実際は、0〜1歳児クラスは園庭内の頑丈な柵の中で、遊んでいます。しかし3歳児以上クラスが園庭で遊んでいる場所とプールを隔てるものは何もありません。3歳児以上クラスが園庭で遊んでいる場所の隅っこにプールがある状況です)。また、プールから3〜4メートル離れた場所に門があり、門付近では当然、大人・子供が行き来します。
 このプールには16:00頃まで水が張られており、16:30頃には空になっています。排水に難があるわけではなく、夕方、プランターに水やりする目的で、わざとプールに水を入れたままなのだそうです。
 親として、この状況に不安を感じています。担任の先生には、「プールに水を残しているのが心配」と率直に、明るくさらりと伝えましたが、「猛暑のため、園庭で遊ばせていないので、大丈夫ですよ〜」とのことで、話は終わってしまいました。しかし、猛暑日で無くなったら、プールの水を抜くのかどうかは、わかりません。それに不測の事態が起こるのが、事故ではないかとも思います。そう思う一方で、他の保護者に話してみると、気にしていない人が多く、私が神経質なのかな?とも思いました。
 掛札先生は、上記のような状況は、危険だと思いますか?すぐにでもやめていただくべき状況でしょうか?

 

(お答え)

 2012年8月23日、茨城県五霞町で水を張ったまま放置されていたビニールプールで3歳のお子さんが亡くなりました(こちらで 五霞町 で検索してください。その後、2014年と2015年のニュースにも訴訟等の話が載っています)。2013年10月16日、静岡県富士宮市で水が張られた状態のプールで1歳4か月のお子さんが亡くなっています(こちらで 富士宮 で検索してください)。

 ですから、私はあいす先生の懸念が「神経質」だとは思いません。園庭で遊ばせていなくても、なにかの拍子に園庭に出てしまう子どもはいますから(2016年11月、福岡市で起きた雨水ますの溺水事故も)。まずは、「こうした事故も起きていますけど、園庭で遊ばせるようになったら、水をもっと早く抜きますか?」と、先生がおっしゃる通り明るくさらりと(←大事です!)聞いてみてはいかがでしょうか? その後の話もお教えください!

 

アタマジラミとプールの帽子

  • 2017.06.15 Thursday
  • 12:12

下のスレッド、「3歳児ママ」さんからもコメントをいただきましたので、ご覧ください。

 

そして、サボコ先生から質問をいただきました。

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さて、先日の研修で教えて頂いた、プール活動の際の配慮について、質問があります。確認の為に番号を付けた帽子を子どもに被らせる、というのがありましたが、、とても良いアイデアだと思ったのですが、帽子の共用はアタマジラミの感染のリスクがあるのでは、と。これはどうすれば良いかな、と一緒に聞いていた後輩と話しておりました。アドバイス、よろしくお願い致します。

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(「番号をつけた帽子」の話は、「安全に関するトピックス」の4−1に写真入りで載っています。)

アタマジラミですが、はい、「アタマジラミがいたら、その子はプールに入らない」が原則ですよね。よって、サボコ先生のご質問は杞憂です。それでも、アタマジラミがいるかもしれない? それはみつからなかっただけのことで、じゃあ、誰がもとのアタマジラミかはわかりません。よって、これまた杞憂です。もちろん、使い終わった共用帽子はしっかり洗って、干しましょう! いかがでしょ? サボコ先生。

 

私もネットで調べました。アタマジラミが水の中をぷかぷかしてうつるようなことはないそうですが、やはりタオルや帽子の共用ではうつるようです。

 

掛札

プールの排水システムの件

  • 2016.04.20 Wednesday
  • 09:22
ひろりん先生から、「プールの排水システムの件はどうなったの?」とお問い合わせをいただきました。

はい! 製品化はしていませんが、方法をお伝えします! どこででもできる方法ですから(製品化するほどのことではないことが判明…)。少々お待ちを…。

掛札

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