熱がない時の嘔吐、下痢(と、伝え方)

  • 2017.11.23 Thursday
  • 12:57

下の、かんこ先生のお尋ね、皆さん、お願いしまーす、ご自身の園の方法や考え方を書いてください。私、しつこく言いますよ、なにもかも「お互いさま」です。なんでもかんでも、もらいっぱなしは最終的に人生の大損につながります。自分ひとりですべてをすることができない以上、人はまわりからいろいろな助けをもらって生きています。だから、なんでも共有!です。

 

あ、あと、ブログのカテゴリーに「感染症、嘔吐、下痢」を足して、最近の感染症関係のスレッドをこのカテゴリーに移しました。

 

さて、「熱がない子どもが嘔吐、下痢をした時、保護者にいつ(例:何回嘔吐したら?)、どのように伝えるか」というご質問を研修会でいただきました。大事なのでこちらに。ただ、私にはわからない話なので、並木由美江先生(この保育の救急訓練のビデオを作った先生)にうかがいました。以下の通りです。後に私の意見(コミュニケーションの方法)もついています。皆さんのご意見も、ぜひお聞かせください。

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(並木先生の回答)

 いつもと違う症状があった場合の連絡についての質問についてのお答えですが、保育現場で毎日関わる悩みでもあります。

 『感染症対策ガイドライン』などでも、おおまかな目安でこのくらいなら保育可能、このくらいで保護者連絡、このくらいで病院受診など示されていますが、子どもは皆それぞれ年齢や体質、熱やお腹がデリケートなど、ありますよね。ですから、その日初めての嘔吐や下痢でも、その時に保育園がした手当てと経過を、午前中の症状であれば保護者の昼休みの時間あたりにお知らせしておくとよいと思います。そして、その後の経過で、保育の中で配慮できることも伝え、場合によっては受診を勧めたり、お迎えをお願いすることと、お伝えしています。こうすることで、保護者が仕事のやりくりをして、お迎え要請に対しても準備できます

 嘔吐下痢で熱はなくても、「お腹の風邪」といわれる感染性胃腸炎の流行するこれからの時期は、嘔吐下痢の症状から脱水、発熱、と症状が加わっていくことがあります。早めの適切な連絡は、保護者にとっても子どもにとっても助かることになると思います。

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 掛札のおまけ(感染症流行時期の前に伝えること、そして、電話で伝えること)。この手紙(B-1の「体調が悪化する/した時のために」)も今のうちに、下の2のひとつとして出すようになさってください。

 

1)熱や嘔吐、下痢などの体調不良(変化)を保護者に電話で伝える際、受診や早いお迎えを強く勧めることは、コミュニケーション上、避けてください1−8で安全行動における「目先」の話を書きましたが、仕事中の保護者も「目先(=今、している仕事)」に没頭した状態です(人間は常に「目先」優先)。そこに電話を受ければ、(心配であるからこそ)「今、している仕事」と「子どもの体調不良」の間で心理的に引き裂かれた状態になります。「迎えに来てください!」と強く言われれば、感情的にもなります。

 ですから、並木先生が書いている通り、「体調がおかしいぞ」という時に早く、「今、〜ちゃんがこういう状態ですので、お知らせしますね」と平(たい)らかに伝えます。保護者が「今は迎えに行けません」と言ったとしても、この状況では十分、園側で対応できているでしょうから、「お迎えに行けません」に対しては、これまた平らかに「あ、はい。〜ちゃんが嘔吐(下痢)をしたので(または発熱し始めたようなので)、まずはご一報申し上げました。体調をみながら、熱も測りながら、1時間後にまたご報告しますね」と伝えます。そして、たとえば1時間後に熱が下がらない、あるいは、たとえば2時間後にまた嘔吐、下痢をした場合には、「ご報告をさせていただきますね。〜ちゃんが…」と平らかに伝えます(明らかな「体調の急変」の時は、別です)。

 なぜ、このような継続的で、冷静な報告(「お迎え要請」ではなく)が大事かというと、最初の電話の時は「会議の直前!」といらだった(+心配な)保護者も、1時間後や2時間後の電話の時は、「会議が終わったし、これで帰っても大丈夫かな」と思えるかもしれないからです(これが、並木先生が書いている「仕事のやりくり」の、実際の心理・行動)。人間、予測していなかったことが急に起きると驚き、感情的になりますが(一度目の連絡)、その後(二度目の連絡以降)は当然、冷静を取り戻し、「仕事」と「子どもの体調」の間のバランスを考えられるようになる確率が高いからです(驚きと感情の話は、コミュニケーションのトピックスのこちらの解説)。

 もちろん、保護者から「どうしたらいいでしょうか?」と訊かれたら、「できれば、病院に受診できる時間にお迎えに来ていただいたほうがよいと思います」と答えるのでしょうけど…。

 

2)感染症流行時期の前(=今)に伝えておくこと

 今の時期、「感染症がこれから流行します」という事実の他に、「子ども(特に乳児)は、自分で体調の異常や具合の悪さを表現できないため、嘔吐や下痢、熱の裏にある急変を見逃す危険性もある」「体調が悪いなと思ったら、早めに受診をして、自宅でゆっくり過ごすことが、早く元気になるためにも大切」「保育園では体調が悪いお子さんを見守るけれども、嘔吐や下痢、熱が続く場合は、体調の悪さの裏に何か重大なことがないかどうか調べてもらうべく、受診できる時間にお迎えにきてほしい」といったことをことあるごとに伝え、「あなたの/皆さんの大事なお子さんをお預かりしている私たちは、お子さんの体調の変化を定期的に、電話でお伝えします」と先に言っておきましょう。

 こうした内容を、実際に熱があったり、嘔吐下痢が起きた時に言っても、「目先」と「心配」の間の心理状態の中にいる保護者には伝わらないこともあります。感情的に「おおげさに言ってる」「脅かさないで」と思う保護者もいるでしょう。それでは逆効果なのです。あくまでも、こういった内容は、感染症が流行する前、あるいは、その子ども(たち)が元気な時に、冷静に伝えることです。

 

3)「オオカミが来た」を起こさないために

 子どもが何時間も熱を出していても、嘔吐や下痢をくりかえしていても、それが命に関わる結果になることはまずめったにありません(きわめて稀ですが、亡くなっている事例はありますし、それがどの子どもに起こるかはわかりません)。そうすると、「目先」と「心配」にはさまれた心理状態になってお迎えにきた保護者は、子どもを見てホッとした気持ちもあり、「目先」と「心配」の間で悩んだ感情もあり、たいてい、「ああ、思ったより元気だ」「よかった、たいしたことないじゃない」という感情に向かいます。「オオカミが来た」の状態です。

 そして、次に「熱があります」「嘔吐、下痢です」と園から電話が来ると…。「この前だって、あんなに元気だったし…」と、ここで「オオカミが来た」状態が強くなります。人間の楽観バイアスとあいまって、これはなかなか消すことができません。ありがたいことに、子どもはまず亡くならないからです。極端な話、「38度の熱が4時間続いたら、1歳児は必ず昏睡状態になって、亡くなります」という話なら、こうした「オオカミが来た」は起こらないのです。でも逆に、ごく稀ではありますが、体調の変化後、数時間、数十時間以内に亡くなるお子さんもいるのが事実です。

 だから、保護者に体調不良の電話をした時に、上の2)で書いたようなことを言うべきではないのです。2)の内容を電話で言えば、「大げさに言って!」を強化するだけだから、です(もちろん、伝える側の言い方にもよりますから、「絶対に、こういうことを言ってはいけない」とは私も書きません)。

 2の内容はあくまでも、子どもが元気な時、感染症が流行する前に伝えておきます。

 

 

吐しゃ物がついた「職員のエプロン、服」の扱い

  • 2017.11.11 Saturday
  • 21:22

10月24日の「園での与薬は1日3回」のスレッドにコメントをいただきました。その後、睡眠チェック、吐しゃ物、餅つき(再掲)、ホメオパシーと続いております。皆さま、ご利用ありがとうございます! どうぞ、ご意見、アドバイスも書き込んでくださいね。なにごともお互いさま!ですから (^^)v

 

さて、かんこ先生からお尋ねです。今回も吐しゃ物。

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新設園にて保育園看護師をしています。
最近嘔吐が多いのですが、職員の服が吐物で汚染された場合、エプロンなどの服はもちかえり家で洗濯、いちばんは破棄だと思っているのですが、職員から「汚いのでもちかえりたくない」「洗濯機を園で回したい」と希望がありまして…。対応に困ります。
園には1つしか洗濯機がなくて、食事用エプロンなどもつかっているのでウイルスを考えると…。
区へ問い合わせがいちばんでしょうか?

ーーーー

 

これはねえ〜、自治体に聞いても「好きにして」と言われそう…。洗濯機をもう一台買ってくれるわけでもないでしょうし。はい! 皆さん、自園ではどうしているか、教えてください。お願いします。

吐しゃ物や血液がついた衣服を返す時

  • 2017.11.07 Tuesday
  • 22:14

気がつくともう11月…。あらあら。

 

さて、トモ先生から質問をいただきました。ちと長かったので、要約します。

1)その子ども本人の吐しゃ物や血液がついた服を、そのまま保護者に返すのはわかるのですが、

2)他の子どもの吐しゃ物や血液がついた服はどうすればいいのでしょうか。

 

1)はい、信頼する保育園看護師さん複数に確認しましたが、保護者の方にビニール袋に入れたままお返しします。保育園における感染拡大を予防するためです。でもこの時、「はい! 家で洗ってくださいね」と言って渡しただけでは、そのお子さんの自宅で感染が拡大する危険性も…。ですから、保育園でしている対応を紙などに書いて一緒に渡しましょう、とのことです。この紙は、ひな型にできるかもしれませんので、ちょっと考えてみますね。

 

2)他の子どもの吐しゃ物や血液を家に持って帰っていったら、当然ですが、そこで(無駄に)感染が拡大しかねません。この場合は保育園で処理します。ノロウイルスを想定して、感染症ガイドラインの29ページの通りにすればいいわけです。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf

 ただし、次亜塩素酸は服の色が落ちます(上の1の条件で、保護者に伝える時は「台所用ハイター等の漂白剤(塩素系)で消毒してくださいね。洗濯用のハイター(酸素系)ではなくて」と言わないと意味がありません)。色が落ちては困る場合、85度以上のお湯を使います(ガイドライン)。私が看護師さんからうかがった方法はたとえば…

・ビニール袋を2枚重ねてバケツに入れ、その中に汚れた服を入れる。

・ビニール袋の中に、湯沸かしポットのお湯(再沸騰などして98度程度?)を入れる。こうすれば、バケツの消毒を省略できる(湯がこぼれない限り)。くれぐれも、「服が入っているビニール袋の中」に熱湯近いお湯を入れてくださいね! ビニール袋の外(=バケツの中)じゃないですよ。

・1分以上そこにつけておく。

 

3)こうした処理のことも保護者に伝え、「汚れたり、消毒で色落ちしたりしてもいい服、あるいはきっぱり捨ててもいい服を」と伝えることも大事でしょう(ここもひな型化できないか、考えます)。夕方のお出かけなどを見越してよい服を着せて登園する時は、朝の受け入れの時点で着替えればいいのですものね。

 

とりいそぎ、こんな感じです。

 

掛札

インフルエンザ予防について

  • 2017.10.15 Sunday
  • 21:23

スナフキン先生、下のスレッドにコメント、ありがとうございます! 明確に線をひいて取り組んでいらっしゃるご様子、これからも勉強させてくださいませ。

 

今回は、うさぎ先生からインフルエンザ予防についてご質問をいただきました。「これは効くよ!」ということがありましたら、皆さん、ぜひ教えてくださいませ。

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こんにちは。
今年は早い時期からインフルエンザの発生のニュースが入ってきていますが、皆様の保育園のインフルエンザ予防対策を教えてください。これは効果ありということがあればそちらも教えていただけませんか?

昨年度園児100名超中約50名がインフルエンザに罹患し、保護者から「どのような対策をとっているのか?」との投書がありました。湿度管理・朝・夕の保育の区分け方法などについて、ご意見をいただきました。年度末だったため具体的な対策をとらないままインフルエンザは終息しました。今年度は何らかの対策を実施しないとと考えています。

保健所に問い合わせしても、加湿器の使用につては、積極的にはお勧めしませんとの回答でした。理由は保育園では加湿器による湿度管理が期待できないとのことでした。

どなたか回答をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

1)嘔吐処理に関するお答え。2)与薬に関するお尋ね

  • 2017.07.08 Saturday
  • 22:27

申し訳ございません。6月後半は、日本に帰国して以来、最悪の仕事量で、ひどい睡眠不足でした(私の弱点は睡眠不足)。NPOサイトの最低限の更新と新刊の発行準備と、プール前の研修会のため、こちらを完全に置き去りしておりました。ごめんなさい。まだ睡眠不足ですが、ようやく復活しました。

あ、おまけ。かよお先生からこんなコメントもいただきました。嬉しいです〜。かよお先生、皆さま、拙著について疑問やらなにやらありましたら、いつでも書き込んでくださいませね (^^)

「研修後に注文した本が送られてきて、繰り返し読みました。ほっこりする挿し絵、文章に癒されまくりました。ありがとうございます。
自分自身の物事の捉え方を変えて、ストレスを味方につけて生きていきたいです。マインド・フルネストレーニング、やってみてます。呼吸、呼吸。」

 

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では、表題の通り、2つです。

 

1)「内科医ママさん」から、嘔吐処理についてお答えをいただきました。ありがとうございます!

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こんにちは。掛札先生にいつも大変お世話になっておりますので、こんな時くらい役に立たねばと出て参りました。既に何名かの方が回答されていますが、私からもお伝え出来たらと思います。

.ッチン泡ハイターは泡状にすることで局所の密着性を高めた商品ですので、嘔吐下痢で汚染されたところ全てを消毒するためには、CMのまな板みたいに泡を塗り広げなければならず、現実的ではありません。詳しく書くと長くなるのですが、嘔吐下痢に関してということであればむしろ使いづらいのではと個人的には思います。

▲團紂璽薀奪スはアルカリで誤飲すると大変なので手の届かないところにお願いします…

バケツの中に汚染衣類を他の子の衣類と一緒にいれるという意味ならば、それは感染を広げているのと同じです。
片付ける人はマスク、使い捨て手袋(あれば使い捨てエプロン)をして、汚染衣類は洗わずにすぐにビニールへ。口を静かに縛って出来れば袋は二重。トイレの奥など人の出入りのないところにバケツなどをおき、二重のビニール袋に入れた汚染衣類を入れて蓋をする。手をよーーーく洗う。閉園後バケツをハイター消毒する。
保育園ではこれくらいですかね…。ノロをはじめとする胃腸炎を引き起こすウイルスは体外を出てもなかなか不活化されないものが多いので、きちんと対策をとらないと爆発的に広がります。

感染症は「1つ1つの病原体の特性を知り、適切処置をする」ということが大切なので(結構無効な処置を頑張っていることがありますね…)、一冊本を買って辞書がわりに置いておくといいかなと思います。
オススメは下記ですが(病原体ごとに環境や衣類、隔離などについて書いてあります)、医学書で一部内容が専門的なので、わからない部分があれば園医や保健所、看護師のママなどに聞いてみてください。

『小児感染対策マニュアル』(株式会社じほう、2015)
http://www.jiho.co.jp/shop/list/detail/tabid/272/pdid/47769/Default.aspx

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2)続いて、与薬についてお尋ねです。A先生、遅くなってしまって本当にごめんなさい!!

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 保育士をしております。現在勤務している保育園では、保護者からの依頼表を貰って園児に薬を飲ませたり、軟膏を塗ったりしています。ところが、28年度末に系列園から「29年度から薬は止めていくことにする」という連絡が入り、急きょ対応を迫られ保護者には、おたよりや口頭で「なるべく避けて欲しい」旨を伝えました。徹底するには時間がかかると思っていたので、現在も依頼表を持参する家庭には対応していたのですが、系列園では、園だよりで周知していきなり止めてしまったらしく、系列園に入園させている保護者から、直接争いたくなかったのか、当園に強い形の質問が寄せられてきて少々困っています。

 

 私は「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条」の解釈により、基本的には与薬は禁止というのは知っていますが、依頼表を使用して、条件がそろえば与薬も可能だという情報も聞いたことがあり、今一つ自信がありません。

 既にご質問の保護者から不信を抱かれているので、きちんとした理由を挙げてお返事をしたいですし、当園の保護者にも薬対応を止めるなら、納得いく説明をして止めたいと思っています。しかし、名指しされている系列園に直接聞くことに躊躇いがあって聞けないでいます。


 そこで、与薬について詳しい知識をお持ちの方がいらっしゃったら、保育園での与薬について教えていただきたいのですが・・・皆さんは、薬の対応をどうなさっているでしょうか?

 

 

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