オンライン研修会に向けて:質問コーナー

  • 2020.03.22 Sunday
  • 10:18

3月27日夜と29日午後に、オンライン研修会を開きます。

 

ですので、感染症や新年度の安全に向けて、ご質問がおありでしたら、こちらか、センターのFacebookに書き込んでください。こちらはいつも通り、外から見えない「非公開」となります。ただし、誰でも見ることのできるオンライン研修会でお答えできるような内容にのみ、お答えします。

 

掛札

これまでいただいたお尋ね & しばしブログ休止のお知らせ

  • 2020.01.07 Tuesday
  • 17:14

 今日までの時点でいただいているお尋ね、コメント等にお返事をしました。遅くなってしまって申し訳ありません。

 

 もうひとつ、作業上の事情により、しばらくこの質問ブログをストップします。掛札の希望としては年度末の3月半ば以降には再開したいと思っています。ご了承ください。こちらのリンクを切ってしまうわけではありませんので、過去の記事はお読みいただけます。


★(kana先生の質問というか、つぶやきは掲載していません。)
 kana先生、遅く、遅く、遅くなってしまってごめんなさい。
 管理職の高齢化の問題は…けっこう聞きます。「自分は引退する」という決断すら自分ではできない状態になった場合にどうするのか、大きな大きな問題です。それ以前に、日々の保護者対応や電話対応なども。
 一方で、世代交代もね…。実行力と実験をもてない(もたない)「おかざり園長」、「園長」という肩書と給料以外には(保育も含め)興味のない人、世代交代で戻ってきて職員と闘っている人…。
 「子どもを預かっておく所がないとね」という気持ちで、認可も何もない時代に始めた初代の時代とはまるで社会が変わってしまった以上、「昔はこうだったんだから」ではどうにもならないのですけどね…。かといって、保育がお金のやりとりの上に(のみ)成り立つビジネスになってしまう(しまいつつある)のもおかしい…。


★はまゆげ先生、
 (まず、11月12日の投稿に対して、はまゆげ先生のコメント)
 この事例での「不適切な保育」に対する「適切な保育」とはどんなものなんでしょうね?
 …よく耳にする次の『』内のことば、
 『預かった時の姿のままお返しするのが原則』
 ケガをさせるなって意味ですが、これって、ケガをしたけれどもこんな成長が見られましたよっていう「成長した姿」をも否定する意味になりませんかね?

 

これについて、掛札の答え:今はさすがに聞かなくなってきましたが、5、6年前までは、私がお話しする前のご挨拶の中で「私たちの仕事は『預かった時の姿のまま、お返しすること』です」とおっしゃる先生がそれなりにいました。「ケガはしていいんですよ」という話にひっかけて、よく、「預かった時の姿のまま返して」いたのでは、その子は永遠にハイハイしてますよね、と言ったものです・笑。

 

(その後の、はまゆげ先生のコメント。11月16日)
 地域の保育施設全体で同じ対応を!
 入園前の見学、入園前の説明会、入園してからの日々の会話、進級前の説明会…などなどの機会に、保育園でのかみつき・ひっかき・ケガ・活動の価値とリスク・保育士だって人間(時々、保育士はミスなく完璧に子どもを見ることを求める人がいるので。)をしつこく説明しています。
 また、しばしば保育士の配置についての現状をも伝えています。地域のどの保育施設でも同じ内容のことを説明することで、とんでもないことを求められるたり、求めることも無くなるんじゃないか?と思っています。
 ケガをさせないことを一番に考えているリーダー(法人も)然り。
 とまあ、こんなことを地域の集まりで発言するようにしています。
 みんなで保育のできる環境を固めていきましょうよ。
 いかがですか、みなさん!

 

 これに対する掛札の答え:おっしゃる通りです。地域のみならず、国全体で同じように言えば、社会も少しは変わるかもしれません。実際、内閣府の『ガイドライン』の前書きには、「子どもはケガをするものだ」と書いてあるんですよ(委員全員で「絶対にこの文言は入れろ」と言いました)。国は「子どものケガをなくすことが、事故予防じゃない」とちゃんと言っているんです。
 でも、世の中、そう簡単にはいかない。特に最近は、「保護者のために」保育をしている所も多いですから。そうすると、「ケガをさせません」「親の要望になんでもこたえます」的な園が出てきてしまい、これが人気となり、地域で子どもが減ると…と、現状のようになるわけです。「子どもの最善の利益」が単なるお題目でしかない以上、人気を博すのは「親にとって都合のいい園」ばかりとなるわけです。そして、「保護者の最善の利益」は「子どもの最善の利益」と相反することが多々あります…。


★すぎ先生からのお尋ね

 保護者の代理として、中学生がきょうだいを迎えにくる、というのは認めてよいのでしょうか? 帰り道、事故があったとき保育所の責任となることがあるのか。中学生になったばかりの4月に認めて大丈夫かなどなど、いろいろ考えると線引が難しいと悩んでいます。

 

掛札の答え:中学生は未成年、かつ、まだ義務教育下ということを考えると、決してお勧めしません。降園途中でなにかあった時の責任は、先生がおっしゃる通り、不明です(その部分はカットしてあります)。高校生になると考慮の余地もありますが…。
 もちろん、「自分(親)がいいと言っているんだから!」と言う保護者もいるとは思います。その会話やメール等はすべて記録、自治体に毎回報告して、自治体からも「保護者か、親族(成人)が来てください」と連絡させてください。園と保護者の間の口約束だけで認めて(自治体は知らず)、事故や事件に巻き込まれた時のリスクは大きいと思います。

 

★のろのろ先生、コメント、ありがとうございます! 「乳酸菌で99.9%除菌」って…。もう笑うしかありません…。どっちみち目には見えないんだから、「除菌した!」って思えるのは大事…なわけないって。気のせい、気のせい。気のせいできれいになったつもり、でいいわけがありません。クレベリンの件も記事になっていたので、サイトの「最新情報」に載せました。
(のろのろ先生のコメント)
 今日の研修で、ノロキラーの質問をさせて頂きました、のろのろです。今日は研修をありがとうございました。先生の研修はとても楽しくてとても役に立つものばかりで、あーあ。そっか。と、納得のいくものばかりでした。特に噴霧しないで!って、驚きで園に持ち帰ってこの事実を伝え、改善していきます。
 次亜塩素酸系の延長で、こんなのもでてきました。乳酸菌で菌が99.9%除菌されると…(花王から出ています、ジョアンという商品です)。以前の私なら、「わー! すてきっ!」とだまされていたかもしれません。笑。だまされることなく、きれいなぞうきんで拭いて、拭いて、をすることにします。


★K先生、次亜塩素酸水溶液の件については、詳しく書いた通りです。トップの方は納得なさいましたでしょうか。まあ、「病は気から」と思うのであれば、使ってもいいのかもしれませんが、「最新情報」に掲載したクレベリン同様、「長期的健康リスクは不明」です。

 

★サボコ先生のお尋ね。

 子どもの事故(救急搬送したような事案)の記録の書式のようなものは、サイト内にありますか? 「個人の記憶の記録」は深刻事故対応の書籍にあったのですが、個人の記憶ではなく、出来事としての記録を残しておきたいと思いまして。よろしくお願いいたします。

 

掛札の答え:ないです〜。それは受診報告書になりますよね、受診・搬送だから。自治体ので十分かと。30日以上とかだと国にも報告しなければならないし、書式をあまり増やさないほうがよいと思います〜。


★にゃんちゅう先生からのお尋ね

 今年度から、0歳児が個別保育をしています。来年度は、1歳児の夏まで個別保育で、秋からは集団保育に移行していくそうです。2歳児は、3歳になると養護だけではなく教育も入ってくるので、1歳児の秋からは集団保育に慣らしていかなければいけないと言われました。掛札先生の研修会で、2歳児も個別保育にしているという園の話を聞いたのですが、こども園では教育があるのでできないのでしょうか。

 

掛札の答え:個別保育…? 担当制のことでしょうか。担当制でも、ゼロ歳の時から集団です。保育者が特定の子どもを「担当」するだけですから。そうすると、ゼロ歳児クラスの後半になれば、子どもたちは担当の保育者(たち)にアタッチメントが成立した上で、集団内において自由に生活するようになります(もちろん、ゼロ歳児クラスの当初の時も、子どもたちを隔離して個別に保育しているわけではありません)。担当した保育者とのつながり(アタッチメント)はその後も切れることはありません(人間も生物ですから)ので、2歳でも3歳でも「〇〇先生!」です。でも、保育としてはまったくの集団です。いかがでしょ?

 詳しくは、『育児担当制による乳児保育: 子どもの育ちを支える保育実践』(西村真実)等をご参考に…。

 

質問のしかた。餅つき。他

  • 2019.12.23 Monday
  • 13:58

今年いただいた質問は、なんとか今年じゅうにお返事したいと思います…。

 

久々に質問のしかたを書きますね。

1)「コメントを書く、読む」「コメント」ボタンをクリックする(スマホ画面だと下のほうに隠れています)。特定のスレッドに対する質問であればそのスレッドの下の「コメント」ボタンを、スレッドとは無関係な質問であればどのスレッドの「コメント」ボタンでも、…を押してください。

 

2)名前欄にペンネームを書き、コメント欄にコメント、または質問を書きます。書き終えたら「送信」ボタンを押します。本名を書いていただいても、私はペンネームにしてしまいますのでご了承ください。「送信」ボタンを押しても表示されませんので、ご安心ください。

 

おまけに、この時期ですから、「餅つき」のスレッドを再掲します。2015年11月9日のものです。

http://blog.daycaresafety.org/?eid=33

 

 

「除菌・消臭」について。及び、次亜のミスト化について

  • 2019.12.14 Saturday
  • 21:03

 研修会でいろいろとうかがい、まずは書いておかねば、と。サイトのどこに置くか、まだ決めていないので、こちらに…。


 「除菌」「消臭」をうたった清浄機(次亜塩素酸等を使用)や置き型/吊り下げ型の製品が多数、販売され、未就学児施設でも用いられています。並木由美江先生経由で国立感染症研究所の先生に確認したところ、「消毒剤」とされている化学成分の製品以外は、菌やウイルスに対する効果があるとはみなされていないそうです。「除菌」は、「殺菌」でもなければ「消毒」でもありません。また、インフルエンザやノロはウイルスであって、菌ではありません。「除菌・消臭」と銘打った清浄機の広告には、あたかも対ウイルス効果があるかのように書いてあるものもありますが。
(「除菌」に対するイメージはこちら。静岡県環境衛生科学研究所のリーフレット)

(同研究所はいろいろな商品テスト情報のリーフレットを出しています)

 

 つまり、「これは消毒をするものですか?」と聞いて、「そうです。消毒です」という返事が返ってこなかったら、それは厚生労働省レベルでは効果が保証されていないということになります。

 

1)清浄器や置き型の製品の宣伝には「効果」を示す論文等が示されている場合が多いのですが、こうした研究はほぼ実験室実験であり、実生活中において疾病等のリスクを下げる事実を示す研究ではありません(実生活の中の効果を示すには、多数を対象にした長期実験が必要です)。「効果を信じて」清浄機や置き型の製品を使うこと自体は、問題がないのかもしれません。ですから、掛札も並木先生も「使用してはいけない」とは言っていません。

 

2)けれども実は、公衆衛生学上は問題があります。塩素系その他の化学物質が空気中にミスト(霧)化されたもの、蒸散されたものを、日常的に、かつ長期的に肺へ吸い込み続けることの危険性は、明らかになっていないからです。こうしたミスト化清浄機や蒸散型の置き型製品が普及し始めたのはここ数年ですから、現状、私たちは未就学施設において人体実験をしていると言うことすらできます。

 

 もちろん、たとえば20年後、一部のおとなの中に呼吸系の問題を抱える人たちが出てきた時、「保育園で吸い込んでいた化学物質がいけないのではないか」と因果関係を言うことは困難でしょう(タバコの健康被害の立証に何十年もかかったことを考えてください)。ですから、今、こうした清浄機や置き型製品を使うことで、園やメーカーが将来、なんらかの責任を問われることはないのかもしれません。ですが、もともと公衆衛生出の者として、掛札はこの健康リスクを念頭に置くべきであろうと思います。

 

 同様の清浄機は歯科医院等に設置されているようですが、医院の待合室は、毎日、長時間、過ごす場所ではありません。一方、園は、まだ発達途上にある子どもが毎日、長時間、過ごす場所です。

 

 ちなみに、夏、効果があるとして使われている吊り下げ型の虫忌避剤については、消費者庁が「表示されている効果を裏付ける科学的根拠が示されていない」としています。商品テストでも、標榜されているような効果は期待できない一方、拡散した成分で体調を崩す場合もあるとしています。


3)上に述べた「除菌・清浄」のための清浄機や置き型の製品については、厚生労働省のレベルでは効果があるとは考えられず、一方、長期的健康リスクも不明です。

 

 しかし、これとは別に明確な点があります。ピューラックスやキッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム)のミスト(霧)化されたものを呼吸器に吸い込むことは、呼吸器に障害をきたす危険性があるため、これらをテーブルや室内、嘔吐物に噴霧するのはやめてください。噴霧は、噴霧した局所にしか効果がなく、一方、そこにある病原体を噴霧によってわざわざ巻き上げてしまうリスクもあるからです(巻き上げるという意味では、アルコールの噴霧も同じです)。

ピューラックスのサイトにも書いてあります)

 


 では、どうするか。厚生労働省のガイドライン(抜粋)に書いてある通り、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックスやキッチンハイター)に浸したふきんを絞り、それで拭きましょう。そして、ふきんを消毒しましょう。

 

派遣等の保育士に、睡眠時の安全を伝える

  • 2019.11.30 Saturday
  • 18:59

こっこ先生、2か月もお待たせしてしまいました。謝りようがありませんけれども、本当にごめんなさい。

 

 午睡に関して。
1)日替わりの派遣職員が、0歳児をうつ伏せにしてタオルでくるんで寝かせていたそうです。別の職員が、「仰向けで寝かせてください」と声をかけたのですが、「大丈夫です。この方が寝るんで」と言われたそうです。何が大丈夫かさっぱりわからないのですが、これだけ「仰向けで」と言われている中、初めてのクラスでうつ伏せで子どもを寝かせる保育者に驚きました。もちろん、その後、こちらで仰向けにしました。

 

2)午睡チェックの際は、顔色や呼吸とともに、子どもに触れて異常がないか確認しています。0歳の保育士の配慮に「子どもに触れ」という言葉を入れたところ、「必要あるのか」との意見をもらいました。「お腹の動きを見れば、呼吸をしているかわかる」。「自分は触れることをしていない」と。
 近くで呼吸や顔色を確認することに触れて、冷えてないかや熱が高くないかも確認する、そこも含めて「異常がないか」確認するのでは、と話したのですが、腑に落ちていない様子でした。何度も0歳を担任している職員だったので、いままでどうしてきてたんだろう、という疑問もわきました。どう伝えたらよいか、助言をいただきたいです。午睡チェックの仕方をクラス内でも再度確認をして周知ができればと思います。

ーーー

 お答えです。

 

 1に関しては、「2016年に内閣府が出した安全のガイドラインに書いてありますから、仰向けにしてください」しかありません。それでも、見ていない時にはうつぶせにしていたりすることがあります。それに気づいたら、「あなたが個人的にどう考えようとかまいませんが、決まりには従ってください。お子さんが亡くなったりした場合、検査すれば上を向いていたか下を向いていたかはわかります。うつぶせで亡くなったら、それはあなたの責任になりますよ」です。
 ちなみに、「うつぶせのほうがよく寝ているように見える」理由は、こちら(3−2)に書いてあります。でも、この理屈を説明しても、「このほうがよく寝る」の人たちは変わらない可能性が高いと思います。ですから、「ガイドラインに書いてある決まりです」のほうがはっきりします。「従わないのでしたら、派遣会社さんにお伝えします」でしょう。

 

 2は、先生のおっしゃる通りです。「睡眠チェックは、呼吸をしているかどうかだけを見るものではありません。熱が急に高くなった、逆に低くなった、呼吸が荒いといったことが異常の発見につながることはありますし、早く異常に気づければ気づけるほど、そのお子さんのためになりますから」です。園長が「これは園のルール」と言っているのであれば、「とにかく、これがうちの園のルールです」で終わらせることもできます。

 

 いかがでしょうか? 理屈を言ってもなかなか通じないものです。「子どもの命と、職員の仕事を守るための決まりですから、守ってください」が最もシンプルです。
 

「とにかくケガをさせるな」と言われる…

  • 2019.11.12 Tuesday
  • 14:38

 月子先生、ほんとにほんとに遅くなってしまってごめんなさい。「1歳児3対1と6対1の比較実験」の報告書を出すのが先で…というのは言い訳です。ごめんなさい。次はこっこ先生です。遅くなってごめんなさい。フジ先生、2016年のスレッドにコメント、ありがとうございます。おかげさまで今は、「何か事件や事故が起こるとまずはここのサイトに来る」という方も増えてきました。ありがたい限りです。

 

 さて、月子先生、どちらのお尋ねも、どうお返事しようかとけっこう悩みましたが…。2のほうは答えにもなっていません。ぜひ、皆さん、ご意見をください!

 

1)現場の保育者がいくら掛札の話を聞いても、施設長や保育所を管轄する課の職員が理解していないと、「ケガはダメ」「預かった状態のまま返すのが鉄則」のままで、状況は変わらない。

 

〔お答え〕
 はい、その通りです。ですから今はまず、「新卒や新しい保育士だけを対象にした研修会」は一切、お断りしています。「施設長や主任が聞くようにしてください」「課の人も呼んでください」と言うようにもしています。新しい職員が「そうなんだ…」と思って園に持って帰って、「うちは違う」「危ない」と思っても言えないし、つらくなるだけですから、と。もちろん、実際に肝心な人たちが来るかどうかは別ですし、そもそも安全に興味のない人ほど、「ケガはダメ」「預かったままの姿で…」をおっしゃるので…。掛札なりに努力はしています。まあ、私の話を聞いたからといって、「あんなのきれいごとだ」で終わらせる人はいると思います(←けっこう悲観的)。

 

 掛札がいくらお話をしても、実際には園に持って帰れるわけではない。なので、せっせと文章にしております…。園長や担当課の方が文章を読まない人だと、もうどうしようもないんですが。ケガに関しては、『ぜんほきょう』あたりに書いた文(1−8)であれば、「全保協のニュースレターに載ったものだから」というあたりで説得力が…ないんですよね…きっと(←ずいぶん悲観的)。

 

2)もうひとつのお尋ね。内容は要点だけにしてあります。
 ひとりで歩けるようになった1歳児が、床の上にも何もない、壁も棚も遠い所で、何も持っていない状態で、ただ歩いているだけで一人で転び、やわらかい床シートの敷いてある床に口をぶつけ、口内にケガをしました。これを「不適切な保育」と言われ、とにかくケガのないようにと言われました。「成長の機会を多少奪ってしまっても、とにかくケガをしないことが大切。口の中にケガしてばかりでは、保護者も安心して預けられないでしょう?」と。

 もちろん、歩いていたら壁や柵のそばで転んで激突しないよう、オモチャにつまずいて転ばないよう、オモチャを持って歩くことで余計なケガにならないよう、気をつけてはいます。何もない所で歩いている子は、多少距離をとって見守れるからこそ、ある程度は自由に歩かせられるのであり、絶対に、どこでも転ばないようにとなると、職員が2人(子どもは計6人)とも手のあいている時に一度に1人までしか歩かせることができません。ハイハイで顔をぶつけて唇をかんでしまうこともありえるので、ハイハイも制限しなくてはいけません。今、子どもたちは歩くのが何より楽しく、自宅ですら、オモチャより何より歩き回ってニコニコしているとノートに書いてあるような時期です。

 それでも、この子たちをひとりで歩かせることは不適切な保育なのでしょうか? 極力危険は取り除いていますが、床すら結果、ケガをしてしまうなら危険というなら本当に何もできないと思ってしまうのですが、それは私がうまく保育できていない未熟な保育士だからなのでしょうか?

 

〔お答え〕
 まぜ返すわけでもなんでもなく、人間が二本足で歩く以上、転ぶんです。おとなだって、もちろん歩き始めの子どもだって。『ぜんほきょう』に書いた通り、転ぶ、つまずくといったできごと自体が悪いわけではないし、二本足でうまく歩けるよう育てていくなら、こうしたできごとが起きないようにするわけにはいかないのです。「成長の機会を多少奪ってでも」というのはその通りで、歩かせなければ歩けるようにはならない(成長の機会を奪っている)、結果、歩けるようになるべき時期に歩くことを学びきれない、それでいいのか、という話ですよね。

 

 これを園長が保護者にきちんと話し、保護者の「家でも、ただただ歩いてニコニコしています」というノートに対し、「そうですよね。転びながら育っていくんですよね」と言えるのが当然なのですが…。それが先生の園ではできない、リーダー自身が「成長の機会を奪ってでも、ケガをさせるな」と言うと。

 

 ごめんなさい、なんと答えようかと考えていたのは事実です。答えの一つが『ぜんほきょう』の内容でもあります。でも、これ以上は何も言えません。言いようがないのです、そのような考え方をするリーダーをどう説得できるか…。

あとは、組合でこの話を挙げてみることでしょうか。「これでは保育士が働けないし、子どもも育たない」と、そちらで問題提起をしてみるというのはいかがでしょうか? 公立だから、異動を待つか…。

 

 皆さん、いかがでしょう? ぜひご意見、ご経験をお聞かせください。これ以上は私にはなんとも言いようがありません…。長時間保育、無償化、配置が少なすぎる、一方、「ケガすらさせるな」。親が子どもともっと時間を過ごせば、「ああ、子どもって転ぶんだ」「どこでも蚊に刺されるものなんだな」とわかるはずなのですが。今の子育てと保育は、悪循環の中にはまりこんでいると思います(←とても悲観的)。

 

掛札

学校給食として作られたものが園で提供される(続)

  • 2019.10.31 Thursday
  • 15:16

 9月25日、「心配な保護者」さんからいただいたお尋ねです。少しはしょってあります。遅くなってごめんなさい! 次は、9月26日の月子先生です。一両日中に書きます。

 

ーーー

 

 以前、給食について質問した者です。
 先生に教えていただいた情報をもとに市にメールを送りました。「ガイドラインにあるように丸い物は給食に使わないでほしい。保育士が配置基準ギリギリのため安全が保たれていない状態で、窒息の恐れがある食材を使わないでほしい」ことを伝えたのですが、「栄養士の方針としては『よく噛んで食べること』を一つの目標にしているので食材の変更はできません」と言われました…。ガイドラインに沿わない給食を作ることはいいのでしょうか。

 

 栄養士は、どうして、かたくなに丸こんにゃくや白玉や餅を使おうとするのだろうと不信感を持ってしまいました。市へのメールには、先生から教えていただいた「兵庫県のヒヤリハットの資料」をつけたり、「ブドウの窒息事故」の資料をつけたりしましたが理解していただけませんでした…。メールの後、市の担当者との面談も行いましたが、市としては栄養士の言うことなので…という感じで報告を受けました。市が栄養士を指導する立場なのではないかと思いました。
 また「大きすぎる食材は保育士にキッチンバサミで切ってもらってください」と言われたのですが、年少20人を1人で見ながら、イカフライや煮物に複数入っている丸こんにゃくを小さく切り刻みながら、子どもたちによく噛むように指導しながら、トイレ補助などを行うことを市は想定しているのだろうかと不安に思いました。

 

質問は
ヽ惺撒訖はガイドラインに沿って作らなくても良いのか?
栄養士の指導を市で指導しなくてもよい立場なのか、です。

 

 市内では昨年度、園児が園舎から1人で出るというヒヤリハットが2件も起こっています。市からは管理職に「職員と自分で探してください」「増員してほしい等の要求が多すぎる」「無理をしてください」などと指導が入っているようです。
 市はできるだけ人件費を抑えて、少ない人数で園を運営しようとしているようです。そんな中、一番コストが掛からず、園児の安全を守れるためには給食の内容の変更がいいと思ったのですが、ご理解頂けずとても残念に思っています(園内の事故で多いのが「食う・寝る、水遊び」だと聞いたので)。
 来年度から年少(3〜4歳児)クラスに下の子供を通わせるかどうしようか悩み始めました。私に何かほかにできることはあると思われますか? よろしくお願いします。(心配な保護者、9月25日)

 

ーーー

 

心配な保護者さん、ご心配は理解してます…。はて、どうしたらいいのやら…。

 一瞬、あら?と思ったのですが、その園だけでなく、公立の幼保施設(3歳以上児)の給食すべてを、学校給食と同じメニューで作っているということでしょうか?(まさか3歳児以下は違うと思いたい)。お読みする限り、そのように読めるのですが、それはあり得ないと思います。兵庫県の事例集(「安全」の5−3)をお読みになっておわかりの通り、3歳以上児であっても誤嚥は起きています。それをすべて「よく噛まないで食べたからだ」と子どものせいにするわけにはいかないですよね。まして、未就学児で。
 
 もちろん今でも、「よく噛んで食べるように促したい」から食べ物の規制をしたくないとおっしゃる保育士、幼稚園の先生たちはいらっしゃいます。ガイドラインができる前は「丸のままのミニトマトや白玉団子、こんにゃくのような、つるん、んぐっといくリスクの高い食べ物を使ってまで、噛んで食べることをわざわざ教える必要がありますか?」とお伝えして理解をお願いしてきました(丸こんにゃくはこの種の食べ物です)。ガイドラインができてからは、「丸のままのミニトマトと白玉団子のたぐいのものは、『避けることが望ましい』とガイドラインに書いてあります。つまり、この食べ物で死亡・脳障害が起きたら園の責任だということです」とお伝えしています。ガイドラインに丸こんにゃくは入っていませんが、ご存知の通り、こんにゃくゼリーでさんざん問題になったのがこんにゃくです。丸こんにゃくに限って言えば、死亡・脳障害が起きたら、「またこんにゃく? それも丸こんにゃくを未就学児に?」とマスコミが書くであろうことは間違いがありません(たとえハサミで切っていても)。

 

 でも、「保育園、幼稚園については、内閣府のガイドラインがあり、丸いもの、飲み込む時に詰まりやすいものは避けるよう書かれている」とおっしゃっても、ダメだったのですよね…。このガイドラインは学校給食には適用されませんが、未就学児施設には適用されます。うーん。

 

 ひとつ、現実的なことを書かせていただくと、自治体でメニューを作っている栄養士さんの力はかなり強いようです。そして、実に興味深いことに、担当の栄養士が異動すると、方針がまったく変わることもあるのです。もちろん、事故が起きても、突然、方針は変わります。保育担当課がなにかを言って栄養士の姿勢が変わったという話は聞いたことがありませんが、園長会から栄養士に伝えて、リスクの高い食材をやめたという事例はあります。

 

 心配な保護者さんにできることがあるとすれば、とにかく(入園予定の)園に伝え続けることです。市は動かなくても、園の中にはあなたと同じ心配をしている保育者、幼稚園教諭がいる可能性はあります。私がこれまで書いたこと、サイトに書いてあることをお伝えいただいてもちろんかまいません。「あの人はうるさい」と思われても、お子さんの命には代えられません。大変なことになってから、「言っておけばよかった」と思っても遅いのです。言い続けてください。そして、ひっかかりがあったら、いつでもお尋ねください(返事が遅くなってしまっていますが…。ごめんなさい)。

 

 もうひとつ、「市は『イカフライなどはキッチンばさみで保育士に切ってもらって』と言った」と園に必ず伝えてください。それを言った市の人、面談の日付等は記録してありますよね。おっしゃる通り、園でその人数の給食の刻みをできるわけがありません。でも、「市がそう言った」と園に伝えておかなければ、何か起きた時に「これでよかったんだ」と言われかねませんから。

 

 最後に…。市、ひどいですね。担当課の言葉、市長に伝えていいくらいですよ。「無理してください」なんて、ありえない。今、私たちが「1歳児を3対1に」と言っているような話は、自治体さんとしては「なに、わけのわからないこと言ってるんだ」っていう感じなのでしょう。山中先生たちが言い出した通り、「食う、寝る、水遊び」が一番危険です。特に、「食う(誤嚥窒息)」は、同じ「息ができないできごと」の中でも特に危ない。でも、食べ物自体の加工と食べさせ方で予防できる可能性も高いのです(安全の1−7、または1−8)。

 

 精神的にもおつらいとは思いますが、言い続けてください。なにかありましたら、いつでもおっしゃってくださいませ。

 

掛札

おむつの「防水紙」について

  • 2019.10.29 Tuesday
  • 20:01

ひと言だけ。

おむつ替えに「広告紙を使う」という件で、「広告紙なんて汚い」と感じる先生がいるようです。

並木先生に確認したところ、広告紙を推奨してくださったのは、国立感染症研究所の先生だそうです。

がんばる。

  • 2019.10.29 Tuesday
  • 19:19

…って言葉、大嫌いなんですけどね。でも、もうちょっと頑張る。あ、掛札の話です。

 

保育園NSさん、「おむつ替え」のコメントありがとうございます。その後の秘密コメントは、並木先生にも送りました。努力すれば、少しずつでも改善されていく部分はあるのだと思います。なんか、すべてが崩れていっているようにすら感じるけど。

 

新潟の3対1の実験結果、11月上旬には出します。分析自体は睫收萓検焚岷狢萋鵑海匹皹牘狡后「親心を育む会」事務局)が一人で、その分析のまとめは睫收萓犬隼笋します。でも、データは新潟県の先生たちが自分たちで撮影・録画してくださったもの。「1歳児3対1」を守りたいから。日本じゅうを「1歳児3対1」にしたいから。子どもたちがおかしくなっている姿を、これ以上、見ていられない。日本じゅうでそう感じている先生たちがいます。

 

京都市の先生たちも京都新聞に全面広告を出しました。あの全面広告を貼り出している園は、京都市の外にもたくさんあります。

 

結局、どんな努力をしても「預けっぱなし」の状況はよくならないのかもしれません。子どもたちの状態、親子の状態はどんどん悪くなるだけかもしれません。でも、「これじゃダメだよ」と言って結局ダメなのと、「何を言っても、何をしても、何も変わらないから」とあきらめて結局ダメなのとでは、違います。

 

だからもう少し頑張る。ブログのお返事も書きます。一両日中には次を書けると思います。

 

園を私物化している園長のもとで働く

  • 2019.10.19 Saturday
  • 18:47

〔質問のしかた〕

どこの「コメント」欄でもかまいません、開いて、ペンネームと質問をお書きください。その後、「コメント送信」を押してください。「コメント送信」を押してもコメントは表示されません。掛札だけが裏で質問を読みますので、質問そのものが表示されることはありません。他の人の質問に対するコメントは、表示してよいと判断したものだけ表示させます。現在、1か月分ぐらい、お返事が遅れております…。ごめんなさい。)

 

 

(はまゆげ先生、コメントありがとうございます・下。被害がなくてよかったです!)

 

 22日にお尋ねくださった東京のTAN先生へ。内容はここに一切書けませんが、はっきり言います。お書きになっている内容をすべて自治体の保育課に伝えて、「園長をきちんと指導してください」と伝えましょう。そして、先生は辞めてください。そして、園長が

 

 「保護者のほうを見て、クレームを減らしたいだけの」「一方で、熱中症や食中毒のリスクも理解しようとせず」「ただ、自分がしたいからというだけで、必要な処理すらしない食べ物も子どもに出していいと言う」ような人であることに問題を感じている職員が他にいるなら、その方たちも一緒に辞めてください。

 

 その園にいるのは、先生の努力の無駄遣いです。これまで起きたもの以上の大きな事故が起きるかもしれませんし、起きないかもしれません。こればかりはわかりませんが、結局、「死なないとわからないような園長」なのですから、ごめんなさい、どうしようもありません。先生のスキルと知識は、別の園で活かしてください。

 

 保育課の指導係の先生たちに無視されたら、また、ここにお知らせください。

 

掛札

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