ヒヤリハット。嚥下のアニメ。おむつ児さんのプール

  • 2019.05.26 Sunday
  • 12:53

大津・市原の交通事故でバタバタ更新していたら、熱波(heat wave、「安全」の8−1と8−2)が始まってしまい、バタバタバタバタバタバタ…。遅くなってごめんなさい! お2人からご質問です。

 

1)まずは、りさ先生から

 研修で拝見した、人が飲み込むときを現したアニメーションが探せません。どこから見るのか教えてください。
 オムツ児のプールに関して、「プール用のオムツがダメとは書いてないのにダメなのか?」と医療職から質問がありました。プール用のオムツは尿がもれることがないとメーカーが応えているが、それは信用に値するのか疑問です。しかし、ガイドラインにも、プールオムツなら可能ともかいていないし、不可とも書いていません。どう説明しようか迷っています。
 

2)そして、青華先生からです。

 ヒヤリハットの事で質問なのですが、職員には「毎日必ず、ヒヤッとしてハッとすることがあると思うから、ヒヤリハットは簡単でいいので、必ず書いて」と伝えていますが、受け入れてもらえていないのか、ほとんど書いてもらえません。どうしたら、理解してもらえ、ヒヤリハットを書いてもらえるようになるのでしょうか? 「あなたの施設長としての力不足」と言われたラそれまでなのですが…。

 

1)りさ先生に。

 まず、嚥下のアニメは、「安全のトピックス」の1−7の中、「誤嚥窒息は大きく2つ:喉か気管か」の項にある「こちらのアニメ」というものです。

 おむつ児さんについてですが、その先生のご質問が逆です。「水に他児と入れるなら、プール用のおむつをはきなさい」とガイドラインに書いていないからダメ、なのです。厚生労働省が「これなら良い」と考えるなら「良い」と書きます。感染症ガイドラインではあちこちに「こうしなさい」と書いてありますよね。それが「良い」から「こうしなさい」と書いてあるのです。「良い」と書いていないということは「ダメ」ということで、「書いていないのだから良いではないか」と解釈して集団感染が起きたら園の責任になります。いかがでしょう。メーカーはもちろん漏れないと言います(熱中症予防には、イオン飲料を飲ませろと飲料企業が言うのと同じです)。では、それをうのみにして園が「ガイドラインには『良い』と書いていないのにプール用おむつをはかせて他児と入れ、集団感染が起きたら?」、「ガイドラインには『ダメ』と書いていなかったから」では負けます。

 

2)青華先生に。

 「施設長として力不足」なんて言いませんよ〜。ヒヤリハットは職員(保育士、看護師、調理師、管理栄養士等)みなにとって、「自分の失敗」と思われがちなので、出てこないだけです。失敗を自分から言いたいという人はいませんよね。そこの認知を変えていかなければいけないのです。

 「安全のトピックス」の「1-1. 日常の「気づき」を深刻な結果の予防に活かす」を全部お読みいただき、「落ちているもの」だけでもなさってはいかがですか? これはヒヤリでもハッとでもないから、出しやすいのです。

オムツ児さんのプール。監視に関するコメント

  • 2019.05.18 Saturday
  • 15:44

交通事故の記事書きばかりしていて、こちらがお留守になりました。ごめんなさい。

 

ーーー

まず、なおちゃん先生から、です。

「質問内容ですが、『オムツをしている児はプールに入れない件に関して』保護者への説明をする為に資料を集めていますが見つかりません。良き資料がありましたら、よろしくお願いたします。」

 

★NPOのサイトの1−7の一番最後のほうにあります厚生労働省の「感染症対策ガイドライン(2018改訂版)の30ページの一番上です。または、1−3の一番上の項目。この件は、いろいろ説明する必要はありません。「2018年に改訂された厚生省の感染症対策ガイドラインで〜となりましたので、水がたまった中には入れず、水遊びをします」で十分です。

 

ーーー

もうひとつ、さゆ先生から。

「私が就職した園では園長、主任、事務長が以上児用プール(実施はクラスごと)、2歳児用ビニールプールを分担して監視してくれています。保護者にはプール予定日であっても人手がないときは中止や泥遊びになると伝え、園長先生は自分が休みや出張の日は人手があっても泥遊びと言っています。(主任や事務長がいても)ありがたいです。
その分、掛札先生の記事で裁判で保育士に責任を押し付けた園長の話を読み、悲しくなりました。」

 

★園長先生が自ら監視をしているとのこと、「私/僕が責任をもってする」という態度をご自身で示しているわけで、素晴らしいと思います。ただ、園長先生がすれば監視は万全ではありませんし、園長先生が熱中症になる危険性もあります。園長先生、どうぞご無理なさいませんように…。

 

投稿(質問)のしかた

  • 2019.05.14 Tuesday
  • 20:20

どのスレッドのコメント欄でもかまいませんので、コメント欄を開いてください。スマホの場合、画面の下のほうの見づらいところに「コメントを読む、書く」があります。

 

名前を書いてください、ニックネームで。本名でもかまいませんが、新しい質問スレッドにする際は、掛札がニックネームにしてしまいます。誰かの投稿に対するコメントの場合は、本名ではそのまま「公開する」を押せませんので、ぜひともニックネームで。

 

コメントに質問を書いて、送信ボタンを押してください。すぐには表示されませんので、数日、お待ちください。

プール、暑さの質問2つ

  • 2019.04.28 Sunday
  • 14:14

連休が始まりました〜。先生たちも少しはお休みくださいね。

 

まずは、ふみこ先生から。

 園で研修内容の報告をした中で、プール活動を行う時の外気温について質問がありました。当園では、園庭の外気温が35度以上でもプールの上に日除けが設置してあるため35度以下になっていることがあります。子どもたちには直射日光はあたりません。その場合は、どちらの気温で考えたらいいでしょうか?

 

そして、ミミ先生から。

 園でもプール活動をどう考えるか話し合っています。その中で、「夏ならではの活動だから」「小学校はプールがあるので、経験させないと」「命を守るための経験として水に慣れるためにも必要(小学校では着衣水泳をしている)」という意見が出ています。これらの意見を私は理解できないのですが、うまく反論出来ないでいます。

 

ふみこ先生に。

 8−2の「外遊び、屋外活動の基準は?」以降に書いた通り、自分の園で明確に決めてください。どちらでもかまいません。両方をそれぞれに使ってもかまいません。とにかく決めて、それを守り、保護者にも伝えるということです。ただし、私は「35度」を判断の値にするというのは、あまりに高すぎると思いますが。8−2に書いた通り、私は「気温に5度足した温度が、子どもの気温」というのが一番簡単だと思います。よって気温35度は40度です。

 もちろん、それでいいと決めるなら、それでかまわないかもしれません。保護者には「高すぎる」と思う人もいるでしょうから、これまた8−2に書いた通り、「暑さカード」を作って「うちの子は入れないで」「出さないで」を言えるようにするべきです。

 逆に「とにかく外に出して」「プールに入れて」という保護者もいます。でも、その保護者の子どもたちに万が一のことがあったら? 「え、さすがに今日は出さない(プールに入れない)と思ってた」と言われます(人間の「後付けバイアス hindsight bias)です。だから、「出して」「プールをして」という保護者にも「あなたが許可した」という証拠をもらっておく必要があるのです、暑さカードで。

 

ミミ先生に。

 「夏ならでは」…はい。8−2の「暑さに人間は慣れていくのでは?」に書きましたが、アラビア半島の国では1年中、冷房を切りません。40度、50度で「暑さならでは」の活動を外でする人などいないのです。「夏」というものが変わりつつあるのです。今までの「夏」は6月や10月になるかもしれません。ですから、皆さんで8−2をお読みいただき、「夏」の定義を考え直してくださいとお伝えください。

 「小学校にはプールがあるので」…、昨年も、暑さのためにプールをやめた小学校が日本じゅうにあります。水のリスクや老朽化から学校でプール自体することをやめている自治体もあります。ミミ先生の自治体はそうではないのでしょう…。では、教育委員会、小学校は、「保育園、幼稚園で必ずプール活動をしてください」と言っているでしょうか。言っているなら、「小学校のために」という先生方のご意見は正当化されますし、プールで万が一のことが起きた時の責任の一端は教育委員会にもあることになります。教育委員会、小学校が「必ずしてください」と言っていないなら、保育園側が忖度(そんたく)してリスクを冒す必要はない、と考えることができます。

 「命を守るため」…保育園のプール活動は「泳ぎを教えるため」ではないと思いますから、「水に慣れる」という意味では水遊びでも、家庭で風呂に入ることでも、なんでも一緒です。プール活動はそのひとつにすぎません。そして、大事なポイントですが、水で死ぬのは「泳げない人」ではないということ。さらに、着衣水泳は特別な泳法ですから、水に慣れていさえすれば問題ありませんし、着衣水泳をできているからといって水に落ちた時に死なないわけではありません。

 

…と、まあ、論理的にはこの通りなのですが、要するに先生たちは「プール活動をやめたくない」わけです。ミミ先生のお立場がどのようなものかわかりませんが、あとはミミ先生が「ごめんなさい、私は絶対に自信がありませんので監視はできません」と言うしかないでしょうね。事故が起きた時には監視者の責任になりますから、「できない」「責任をとれない」人に監視をさせてはいけないので。それは4−4に書いてあります。

 

 2つのお尋ねをいただいてつくづく思うのですが…。人間は楽観バイアスの生き物ですから「うちでは熱中症死もプール死も起きない」と思うわけです。一方、人間はとにかく「これまでしてきたことを変えるのが大嫌い!」(現状維持バイアス、status quo bias)。

 でも、断言します。あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園でプール死亡が起きたら、あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園で熱中症死が起きたら、状況は突然変わるでしょう。この文化は、なにかあったら突然「右にならえ」なので(これはこれで大問題な文化)。プール死亡、熱中症死が起きる園が、私が知っている園、私がうかがったことのある自治体の園でないことを祈るばかりです。事故は確率的な事象なので、いつどこで誰に起こるかわかりません。でも、プールをやめればプール死亡という、園にとっても監視をしていた先生にとっても大きな責任になるできごとのリスクはゼロになります。そして、暑い日に外へ出さなければ、プールをしなければ、基本、熱中症死は起きません。睡眠中の異常や食事中の誤嚥よりも、予防はずっと容易なのです。「とてもじゃないけど、命の責任はとれない」、その気持ちのほうが「遊ばせたい」「プールをさせたい」より大きくなってくださいますように。

 

プールに関する心配。ロッカーのハサミ

  • 2019.04.10 Wednesday
  • 10:17

新年度、皆さん、お忙しくなさっていることでしょう。今日あたり、東京はかなり寒いのですけど、これが突然、暑くなり始め…るんじゃないかと心配しております。あ、うさぎNS先生、下のスレッドにお返事、書きました。

 

さて、2つ一緒に。

1)園のプールが心配な保護者の方から。いずれもありがちな条件ですが簡単にまとめると、「小学校低学年も使うプールなので、胸ぐらいまで水位がある子もいる」「2クラス50人近くが、自由に遊んでいる写真を見た(年中と年長が合同)。先生は2人写っていた」。年末の園のアンケートにこうした内容を書いたところ、「気をつける」という回答だった。具体的な対応を聞こうと思うのだが…ということでした。

 

2)ゆー先生から。自分のロッカーに置いてあるハサミで、ロッカーにあった友達の服を切った子がいる。切られた子どもの保護者に弁償をするべきか。

 

1)まず、プールについて心配なさっている「保護者」さんへ。

 監視は「指導とは別に置き、監視にのみ専念する」と決められているだけで、人数までは決まっていません(内閣府のガイドラインも、その後の通達も)。水位は深ければリスクは上がるでしょうけれど、鼻と口を覆える深さなら、水深数センチでも息はできなくなりますので、「浅くしたから安心してください」と言われても、安心はなさらないほうがいいと思います。

 問題は、とにかく人数です。低学年が使うサイズのプールを想像して、そこに45人が一緒に入っていると考えたら、おとなが何人かかって外で監視に専念していても、みつからない時はみつからないでしょう。それは、こちらの「ライフガードの実験」に書いてある通りです。また、こちらのページの最後にある「うわの空になる自分を体験するゲーム」を見ていただければ、45人なんていうのはとんでもないということがおわかりいただけると思います。これまで、お子さんが亡くなったり、亡くならないまでも溺れたりした事例は、ほぼどれも30人前後を入れています。20人でも、監視1人、指導1人では足りないでしょう。それに、そもそも2人では足りないのです。「トイレに行きたい」と言い出す子もいますし、プールの外で遊び出す子どももいるでしょうから。

 「じゃあ、何人なら安全?」「何センチなら安全?」としょっちゅう聞かれますが、私はいまや「プールは、園長、理事長、監視者が責任をとりきれないと思うなら、やめていいです」と申し上げていますので、「何人なら」「何センチなら」は言いません(それで亡くなったら私の責任も問われかねないからです)。まして、去年のように暑かったら…。

 もしも私が同じ立場にある保護者だったら、「人数を〇〇人に減らす。指導は〇人、監視は〇人。監視は内閣府のガイドライン通り、監視に専念する」という具体的な説明がない限り、「うちの子はプールに入れないでください」と言うでしょうね…。そして、その説明は、万が一の時のために紙に書いて「これでいいですね」と園に見せるか、「録音させてください」と言って録音するか、どちらかをすると思います。

 

 水位が高くても、50人で入っていても、監視ナシでも、たいてい深刻事故は起きません(だから、その園も「大丈夫」と思ってきたのです)。でも、水位が低くても、30人でも、監視がいても深刻事故は起こり得ます。そして、プール事故の場合の生死は、「早くみつけるかどうか」だけにほぼかかっています。私は、「保護者」さんがおっしゃっている心配は杞憂でもなく、過剰反応でもないと思います。2年に1度は、園のプールで死亡事故が起きているのですから。

 

 あ、そうか。この例を出しましょう。子どもと一緒に外出する時、子どもにリード(綱)をつける親御さんがいます。それを見て、通りがかりの赤の他人が「犬みたいに子どもを扱って。ひどい親!」と言うことがあります。そう言われるのが心配でリードを使いたいけど使えないという保護者の方には、「私の子どもの命を守るのは私です。あなたにとやかく言われる筋合いはありません」と言って、とお伝えします。こちらの5−4の第4回。

 お子さんを園のプールに入れなければ、お子さんが園で死亡事故に遭うこともないので、「私が考え過ぎだったのかな」と卒園の時には思うでしょう。でも、入れていたら、どうなっていたかわからない(たいていは大丈夫ですが、運を天に任すかどうかは、保護者次第。まして、園が運を天に任せてはいけない)。これが、不慮の事故の怖いところです。

 

2)はい、ゆー先生がおっしゃる通り、まだ年長さんではないから、ハサミは集めて先生が管理しておいたほうがよかったのかもしれません。でも、「弁償をします」とこちらから言うべきではありません。子どもにとっては、ハサミというのはおもしろいものですし、きっとクラスで「切る」をしていた後だったのでしょう。子どもの活動を説明して、「ハサミは担任が管理します」と言うだけにとどめるべきです。

 なぜか。こちらのB-1の「感染症時期の衣服に関するお願い(2017年12月21日)」にも書いた通り、園では泥遊びも色水遊びもし、嘔吐でもなんでも起きます。それはどこの子も、です。だから、汚れても切れても、最後は捨ててもいい服で保育時間を過ごせるようにすることが大事なのです。「帰り道に出かけるから、帰りにはこの服を着せたい」というのであれば、袋か何かにしっかり入れてロッカーにしまうか、保護者が持ち歩くかすればよいことです(この事例について説明する掲示を作り、そのように保護者全員にお伝えすることをお勧めします)。

 もうひとつ。弁償は前例になります。「うちの子の靴がなくなった」「タオルがなくなった」…。前例は次の事例を生みます。

「安全に関する温度差」について、お答え

  • 2019.03.18 Monday
  • 13:51

 まず、くXXX先生(伏字にしました)、メッセージをありがとうございます。私たちがお伝えしたい内容は、ほぼすべてサイトに書いてありますし、こちらで質問もしていただけます。どうぞ、異動になって研修会には来られなくなっても、こちらでおつきあいくださいませ。

 

 さて、遅くなってしまってごめんなさい。はなまる先生、うさぎNS先生、はるみ先生からいただいた質問について、並木先生からお答えをいただきました(私がここに載せるのが遅くなったのです、並木先生にもごめんなさい)。長年、保育園看護師として働いていらした並木先生が一番わかっていらっしゃるのではないかと思ってお尋ねした次第です。あ、並木先生と作らせていただいた、救急の訓練用ビデオ(安全のゼロ番)、「保育の安全シート」の「睡眠」、4月に向けて、ぜひご活用ください。ぜひぜひ今のうちに救急救命の訓練を。

 

 さて、並木先生からいただいた回答です。

 

1. ウオーターサーバーでの調乳について

 すぐお湯と冷水が出て便利ではあります。ただ、水自体の消毒が塩素でされていないことが気になります。これについては感染症研究所の医師に聞いてみます。

 使用する水の種類によって、自然のものと、ミネラルを除去したタイプのものがあり、調乳に適したものを選ぶことや、熱いお湯でミルクを溶かしたあとすぐに水を足して冷ましてしまうといったまちがった調乳をしないことなど…。熱湯での火傷もありますよね。「便利」は「危険」でもあります。

 

2. すいとんがグミのように硬かった。おやつなので、子どもたちは笑いながら食べてもいた

 すいとんは、小麦粉を使った団子状態の食べ物ですよね。硬さはその園によっていろいろあるでしょうが、市販のものはグミレベルかも…。しかし、保育園で作るときや我が家で作るときは、ホットケーキの生地より固め程度で、小さなスプーンですくって汁に落とし、散らばらない程度の柔らかさにしています。グミくらい硬めのすいとんが提供されていたんですね。検食の感想に「硬いよ! 危険!」と伝えてください。

(掛札の補足:「硬いのでは?」と伝えたことに対し、「必要に応じて切っている」といった答えが戻ってきたとのことでした。調理師さんたちの作りやすさも考えると、ある程度かたいほうがいいというのも理解できるのですが…。先生、この並木先生の感想を園で共有してみてください。)

 

3. 看護師と保育士の健康・安全に対する認識のずれ

 このズレは想定内だということを、まずは看護師の側も保育士の側も知っておくことが、保育業界では大事です。看護職員は私も含めてほぼ全員、そのことで悩んでいます。

 子育て同様にどこまで待てるか。あせらないで、正しいからと押し付けにならないで、気づいてもらえるために、根気よくコツコツです、でした、私の場合。

(掛札の補足:看護師という、立場、見方の違う人がいることの価値と難しさについては、『子どもの命の守り方』に書きました。保育者は「どんどんやらせよう!」とプロ、看護師は「ここは危ないかも」と考えるプロ。違って当たり前ですが、双方がお互いに耳を傾けて初めて、意味があります。「看護師に保育のことなんかわからない」と断言する保育者、園長、リーダー層がいる園では、そもそも看護師を置くべきではありません。一人職場の看護師がつらい思いをするだけですから。一方、医療の現場から来たばかりの看護師の中には、医療的な「白、黒、はっきりさせる!」を保育者におしつける人もいないわけではありません。医療は、終末期医療やリハビリ以外は、白黒の世界。保育は白黒がない世界。それを、両方が理解してつきあっていくことが重要だと思います。)

 

4. 非正規の職員はヒヤリハットや事故報告を書かなくていい?

 ヒヤリハット、事故記録は当事者が書くものです。正規職員とかパートとかで分けたり、時間がないと逃れるのは違うと思います。その場にいたあなたが見、気づいたことを記録するから活かされるのです。2〜3分で書ける付箋やチェックで済む記録用紙を工夫すれば、報告もスムーズ、集計するのも簡単だと思います。

(掛札の補足:事故やヒヤリハットの報告は、長々と書かなければならない書式になっていたりして、正規職員でもいやになってしまうことがあります。ですから、まずは、「反省も何も書かなくていいから、事実だけを書いて」ということにするべきです(NPOサイトの「安全」の1−1)。並木先生が書いている通り、他人が書いたら伝聞になり、事実とは異なってしまう可能性があります。事実とはずれた報告をされて困るのは、非正規の先生。だから、簡単な事実を付箋に書くだけでかまわないから書いて、とおっしゃってみてはいかがでしょうか。)

「職員間の温度差」について

  • 2019.03.06 Wednesday
  • 11:28

はなまる先生、うさぎNS先生、はるみ先生から、園内で安全について伝える、集める、共有する難しさについて、それぞれお尋ねをいただきました。テーマ自体が容易ではないのと、先生方からいただいた文章をどこまでそのまま載せていいのかを悩んでおります。2月末からものすごくたてこんでいて…。お返事、少々お待ちください。

 

まずひとつだけ言えることは、「子どもの命を守る」というのは、なにより「職員の心を仕事を守る」だということです。「睡眠の安全2019」や「息ができないできごと、プール、睡眠中の異常」(1−7)を、「読んでみて」と貼りだして、「今の時代、こういう考え方をしなかったら、深刻な事故が起きた時に、職員も園も責任を問われるんだから」という理解を広げることです。もちろん「読む時間がない」「そんなこと、現場じゃ無理」と言う人はいます。でも、日本じゅうたくさんの園(公立、社福、企業、なんでも)が、実際、こういったことに取り組めているのです…。私が勝手に叫んでいることじゃありません。

 

以前は誰も何も言わなかったこと、ニュースにならなかったことが、今はニュースになり、検証委員会の検証にのり、先生たちの心に傷を残しかねない、そこをわかってくださいと、「時間がない」「現場じゃ無理」とおっしゃる先生方にお伝えしたいのです…。

 

救命救急の動画

  • 2019.02.25 Monday
  • 16:17

保育士MAさんからお尋ね。救命救急の動画はどこですか?ということでしたので、こちら(MA先生、ごめんなさい、誤嚥の動画ではなくて、どんな時でも基本となる救命救急の動画です)。

 

こちらのページにある「0.緊急事態時の訓練用動画と解説」が動画。その上の「保育の安全シート」にはイラストの解説があります。この2つの内容を作ってくださっている並木由美江先生の救命救急講習、衛生の研修会はとっても勉強になります!(そして、楽しい!) 

 

3題:同僚コミュニケーション、危機感の温度差、歯磨き

  • 2019.02.22 Friday
  • 22:45

3つほど、質問をいただきました。

 

1)まずはエミ先生から、「支援が必要な子どもがあまりに多く、歯ブラシを使うのは危険と考え、今年は導入していない。歯磨きは必要か(3歳児)」というご質問をいただきました。
 歯磨きの必要性、これはけっこういただく質問です。私は歯科はわからないのですが、歯磨きの必要回数についてあちこち調べると、歯科に関係しているサイトであっても、言うことがバラバラです。「毎食後」「朝食後と就寝前」「1日1回」…いろいろ。

 日本歯科学会は、「少なくとも寝る前は必ず仕上げみがきは行ってください」と書いています。この答えをそのまま解釈すると、「寝る前に仕上げ磨きをすればいい」ということになります。同じ項に、まず「子どもの機嫌のよい時間帯や保護者の余裕のあるときに行い」と書いてありますから、保育園ではそもそも容易ではないことがうかがえます。

 保護者の質問でも、こういう回答がありますね(ちえぶくろサイト。下のほうの回答も読んでいってください)。

 つまり、保育園でしているのは「歯磨きの習慣づけ」であって、歯そのものをきれいにする(=仕上げ磨きの役割)ではないというところ。これは保護者もわかっている(わかっておくべき=入園の時点から伝えておくべき)点ではないかと思います。

 そう考えたうえで、子どもが立ち歩くなかで安全を確保できないと保育士さんが思うのであれば、「静かに歯磨きをするという習慣づけの価値」「喉つき事故のリスク」を天秤にかけて、「今年はしません」または「私たちの園では歯磨きをしません(うがいだけです)」と保護者に伝えるのは理にかなったことだと思いますが…。皆さん、いかがですか? ご意見をお聞かせください。私もちょっと聞いてみます。

 あ、喉つき事故については、こちらに東京都消防庁の記事があります。
 つまり、保育園では、このページにある「事故防止ポイント」の3が徹底できないから歯磨きを(今年は)しない、という説明になると思います。

 

2)次は、あい先生へ
 内容は非公開ということで、回答だけ。心配しないでください。同じような内容で悩み苦しんでいる保育士さんはたくさんいますから、この文章だけで先生が特定されることは絶対にありません。
 どうしても話が通じない同僚。相手の年齢または相手の立場が上で(言いづらく、それでも)こちらがまじめに仕事をしようとしても高圧的に返してくる同僚。そのくせ、園長受けはいい同僚。保育の質も明らかに低い同僚。それを伝えても何も対応しない園長やリーダー層。はい、こんな話は過去10年間、無数に聞きました。今もこれを読みながら、「あ、うちのクラスにもいる!」「私もつらい」と思った先生が何人もいるはずです。
 上の文章を読んで「私もつらい」と思った先生、退職・転職していいですよ。というか、転職してください。先生の内容が正しいとするなら、先生がいる園は、そもそも子どもにとって良い園ではありません。「子どもと一緒に遊んでいればいい」は保育ではありませんから。
 今からでも4月からの仕事はあるはずです。都市部ではなく、転職できる園がないというなら、いまどき、都市部には数年間の期限つきとはいえ、住宅手当付きで雇用する園もあります。先生自身の保育の質は私にはわかりませんが、先生が心をつぶすほどの我慢をあと数年、する必要はありません。転職してください。先生自身の保育の質を高めるほうに時間を使いましょう。
 もちろん、転職した先が先生に合うかどうかはわかりません。どんなに良い園でも、どんなに良い保育士さんでも、やっぱりお互いの「相性」はありますから。だから、保育士というのは「手に職」なのです。先生がしている保育の質が高ければ、あるいはまだ足りなくてこれから伸びるのだとしても、先生に伸びる気持ちと努力があれば、必ず「自分に合った園」に出会います。特に今は、まだまだ保育士不足なので、職はいくらでもあります。10年後にはもう仕事はなくなるかもしれません。だから、今のうちに「自分に合う園」をみつけて、しっかり育ってください。
 絶対に無理をしないでくださいね。「保育という仕事が好き」という気持ちが、たったその数人の人たちのせいでつぶれないように…。

 

3)最後は、シモママ先生、この事例も詳細は公開できませんが、要するに「けっこう重大なヒヤリハット/事故が起きているのに、その後も慌てない他の保育士に「温度差」を感じるという内容です。

 危険に対する「温度差」(感情や認知の差)は個人の間で大きいものです。たとえば「心配性の人」と「心配性じゃない人」、これはまず生まれつきの性格の差でもあります。でも、保育士である以上、「これはちょっとおかしい」「これは危ない」という感覚を後付けで身につけてほしいわけです。看護師の中にも心配性の人と心配性じゃない人がいますが、医療現場にいれば何が命にかかわるか、何をすべきかはわかっていく、そういう部分で「身につける」ことです。ただ、医療現場はそもそも命を助ける/守る場所なので、かなりマニュアル化できますが、保育現場はそうはいかない。「もっと、子どもたちにさせてあげよう」「これ以上は危ない」は、マニュアル化ができません。

 シモママ先生がおっしゃっている同僚の方は、もともと冷静で、心配性ではないのかもしれません。そのうえで、「ただわかっていない」のかもしれません。あるいは、「たいしたことじゃないから、どうでもいい」という考えかたの人かもしれません。いずれにしても、「これは保育として危ない」という感覚を身につけていってほしいと思っていらっしゃるのでしょう。でも、その先生だけを対象にしても無理です。「例」がなければ、「ああ、こういうことは危ないんだ」「これは心配しなきゃいけないんだ」ということは学べないからです。

 なので、ぜひ、「安全のトピックス」の1−1にある「気づき」を園全体でしてみてください。最初は、気づく人だけしか気づきませんし、報告もしません。それが当然です。でも、そこで園長や主任の先生が「気がついてくれてありがとう」「報告してくれてありがとう」を繰り返すことで、「気づくことはいいことなんだ」「報告するのはいいことなんだ」という空気が生まれていきます(1−1に書いてある通り、報告に「反省」や「対応策」を書かせるとこの空気は生まれないどころか、報告しない空気が強くなります)。

 健康や安全の感覚に関して、すべての人を一気に同じレベルにすることは絶対にできません。これは健康心理学の鉄則のひとつですらあります。まずは1−1とそこに置いてあるリンク、PDFをお読みになってください。

質問の投稿は…

  • 2019.01.30 Wednesday
  • 21:38

どこの「コメント」欄に書いていただいてもかまいません。

名前はニックネームで。

「コメント送信」を押しても表示はされません。裏で掛札が読むだけです。あとは、ご覧のように質問が掲載され、回答が掲載されます。

 

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